↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白馬の王子と黒馬(こくば)の王子  作者: あぷりこっと
麻薬編 第三章 ~村を蝕むヤナイ~
PR
34/47

1.血の繋がらない家族

 わ〜、寒っ。

 私─アレクシス・ベネット・トライヤンはそう思いながら、ベランダに出る。

 今日の昼頃にこの村を出るから、少しでも見ておこうと思ったんだけど……。

 まさか、ここまで寒いとは……。

 私は身体を震わせる。

 昨日の雪が積もって、あたり一面真っ白。朝だから、特に寒く感じる。

 部屋に戻ろうかな……。

 そう思った時

「アレク、おはよ。」

 頭上から声が降ってきたかと思うと、目の前に

 スタッ

 と小さな音を立てて、幼馴染のフルトがおそらく屋根から下りてくる。

「おはよう、フルト。

 ……どうしたの?」

 いつになく真剣な顔をしているフルトに、私は尋ねる。

「その…、フリッシュ様から…、訊いたことを確かめたくて……。」

 フリッシュ『様』?

 ってことはフリッシュ、フルトに身分のことを話したのかな?

「その、今まで……」

「!?」

 私は私に深々と礼をしたフルトを見て、驚き戸惑う。

「たくさんのご無礼を働き、すみませんでした。

 知らなかったとはいえ、許されることではありません。

 ですから…」

 ……、何…それ……。

「…つまり、フルトは私が王家の血筋─母がトライヤン王国国王の叔母であることを聞いたってこと?」

「そうです。」

 だからって、こんなに態度を変える必要はないじゃない…。

「わたしは…私は、アレクシス・ベネット!

 確かに私の血には、トライヤン王国の王家の血が流れている。

 だけど、この村で生まれ育ち、師匠ウベルに拾われ、貴方と家族のように…いや、家族として一緒に育ったことは揺るぎない真実でしょ?!

 だから、だか、ら……」

 声が震える。

 目から、雫が溢れる。

「そんなふうに、距離を置こうとしないで……、今まで通りに、接し、て……」

 だから、知られたくなかったんだ。王家の者だって。

 今までの関係が壊れてほしくなかったから……。

「ごめん、ごめん、アレク。

 これからもずっと、いつも通りに接するから、泣かないで。」

 フルトの口調が、いつも通りのものに戻る。

 安心すると同時に、また涙が流れてくる。

 これ以上はフルトを困らせてしまう。

 どうにかして泣き止まないと…

「!?」

 そう思っていた時、フルトが私をそっと抱きしめてくれた。

 私は最初驚いたが、次第に体をフルトに預けるようにする。

 暖かい……。

その温もりで私は再び安心し、気づけば寝落ちてしまっていた─。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。