1.アレクの故郷
「変わってないな〜。」
私は久しぶりに故郷を歩きながら言う。
ふと、見知った顔を発見する。
「あ、おばさん!」
「ん? あら、アレクちゃんじゃない。戻ってたの?」
「うん。」
「元気そうで何よりだわ〜。
……、ところで、そちらのお顔の整った殿方たちは?」
「あぁ、この人達は……」
私はそう言い、言葉を止める。
そういえば、この2人について、どこまで紹介していいんだろう?
悩んでいると、フリッシュが
「ボクはフリッシュ、こいつはセイブルです。
僕らは兄弟で、アレクの…上司というところでしょうか。」
ラリネとバリトは、とある人を探しに行っているため、今はここにいない。
ペデッドとテナーは、観光をしている。
「あらまぁ、アレクちゃんの彼氏、という訳ではないの?」
「はい、残念ながら。」
おいそこ、『残念ながら』って、付け足さない!
「あら、そうなの?」
フリッシュの返答に、おばさんは目を輝かせる。
私は溜息を付きながら言う。
「おばさんは、もう結婚してるでしょ……。」
「それとこれは別よ。」
「別じゃありません!」
年齢的には50近いのに、心は若いところは相変わらず…のようだ。
「おばさん、そろそろ帰らないとおじさんが心配するんじゃない?」
「確かにそうね。
では、失礼します美しい殿方たち。ご縁があれば、お茶でもしましょう?」
「はい。楽しみにしてます。」
去っていくおばさんを見ながら、それまで黙っていたセイブルが口を開く。
「10年前に戦に巻き込まれたって聞いてたから、どんな村かと思ってたが……、なんというか、明るい村、だな……。」
「あはは。そうかも。
まぁ、この村を復興できるだけの気の強さがない人は、自殺したりしてたから。心中してたところもあったな〜。
今この村に残っている人は、それを乗り越えられる程の精神力がある前向きな人が多いんだ。」
「お、おぉ、さらりとヘビーな話をしたね…、アレク……。」
? そうかな…?
「主、見つけたぞ。」
「うぉ、いつの間に?!」
いつの間にか後ろに立っていたバリトに驚きの声を上げる。
「悪い。」
「いや、別にいいけど……。
それで? ヒルナはどこにいたの?」
ラリネとバリトが探していた人物それは─ヒルナだった。
「やっと会えましたね。」
「ご、ごめん、ヒルナ…。」
「悪いね、集合場所伝え忘れてて。」
「伝え忘れないでくださいよ……。」
ビルナも今回、何があってもいいように、一緒に視察?に行くことになっていた。
ただヒルナは仕事の関係で、先に来ていたんだけど……。
フリッシュのミスで、集合場所を伝え忘れていたのである。
とても申し訳ない……。
「一人でこのベンチに座っておくのにも限界があるんです。
その限界を超えると、迷子かとか 捨てられたのか って、心配されたりするんですよ!」
「……。」
返す言葉がないな……。
「まぁ、反省してくださっているのならいいです。
さ、昼食を食べに行きましょ。」
その後、私たちは村で一番美味しい(と私が思っている)飲食店に行った。
「! うまい!」
「あ、本当ですね。」
「城と同じくらい美味しいんじゃない?」
「いや、城以上ですよ。」
「ここのシェフを勧誘するか?」
どうやら、皆気に入ってくれたみたいだ。
連れてきた甲斐があったってもんだ。
そして、あっという間に皆完食した。
「あぁ、美味しかった。」
「仕事が終わったあとに、また来たいですね。」
「そうですね。」
「わかりました。スケジュールを調整しておきます。」
私たちは席を立つ。
彼と再会したのは、その時だった。
「アレク?!」
私はいきなり肩を掴まれる。
? その声は……、私は振り返る。
「!? フルト!?」
どうも、こんにちは。
ちらっと登場した「おばさん」、元気だな〜っと思ったあぷりこっとです。
一応言っておきますが、この「おばさん」は、アレクの親戚ではありません。近所のおばさんみたいな感じです。
こういう人がいたからこそ、アレクの村は復興することが出来たのでしょうね。
さて、最後に登場したまだ謎の人物「フルト」。前回予告していた新キャラでございます。
この人はいったいアレクとどういう関係なのか……。
次回を楽しみにしていただければ幸いです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
また次回、お会いしましょう。
バイバ〜イ!




