1.王とその周り
「おはようございます。」
「あ、おはよう。アレク。」
私─アレクシス・ベネット・トライヤンはフリッシュ・トライヤン王に挨拶をする。
相変わらず爽やかな笑顔を向けてくるイケメンだ。
私があの人に慣れてなかったら、今頃倒れていたかもしれない。
トンッ
目の前にあったドアが開いて私の体に当たる。
私はバランスを崩すが
「おっと……、大丈夫か?」
私はドアを開けた人─セイブル・トライヤンに腕をつかまれ、転ばずに済む。
まぁ、あれぐらいで転びませんが。
「あ、セイブル王子。私は大丈夫です。ありがとうございます。」
私の返答を聞いて、セイブル王子が溜息をつく。
「なぁ、アレク。お前も1か月になるんだから、その敬語と敬称、直せよ……。」
「うぅ……、すみま…、ごめん…セイブル。」
敬語と敬称をやめるように言われてから確かに1か月ぐらいになるが、フリッシュ…たちと、出会ったのは5か月前。なかなか慣れないのは仕方ないのでは?
と思いはするが、従兄妹という関係だからそうしてほしいという気持ちもわからなくは…ない…?
「早速で悪いんだけど、この机の上の資料、片付けるの手伝ってくれる?」
フリッシュの机の上には、資料がいつも通り山積みになっていた……。
コンコン
誰かがドアをノックする。
いつの間にか日が高くなっていた。
「失礼します。ご昼食の時間です。」
「早く行こうぜ、主方。」
その誰かというのは、ラリネとバリトだった。
「わかった。もうすぐ終わるから、少し待っててもらえる?」
「……手伝おうか?」
バリトが気を遣ってくれる。
「う~ん、バリトはこういう机仕事苦手でしょ?
大丈夫、本当にもうすぐ終わるから……、はい、終わった~。」
私は背伸びをしつつ、席を立ち、食堂へ向かう。
「そういえば、ペデットとテナーは何をしているんだ?」
セイブルが言う。
ペデットさ…と、テナーさ……は、起こした反乱により一度は牢に入れられた。だが
『君たちはボクたちを本気で殺す気はなかったんだろ?』
『『!?』』
『やり方がまどろっこしかったからね。
わざわざ頑張って側近になって、わざわざ渡り廊下に爆弾を置いた。
そんなことをするより、ボクたち、もしくは父上を直接殺った方が早いと思うし。』
『自分たちがやったことがバレたくないのならば、俺らの部屋や陛下の部屋に爆弾を置いた方が早いしな。』
『違います! 私は』
『もういい! もういいよ、シルバ。
貴方が全部背負う必要はない。』
『? どういうことだ?』
『シルバは、本当はこんなことをしたくなかったんです。
でも…、被害に遭った村を支援しているときに、人々が復讐しようという話しをし始めました。
アタシたちも多少なりとも恨みの気持ちは持っていました。でも、心から思っていたかは別です。
ですが、人々の気持ちも痛いほどわかります。……気づいたらここにいました。
なので、シルバだけが悪いわけではありません。私も、そして反乱に関わった人たちにも同じ罪があります。もちろん、処罰を受けるつもりです。』
『なるほど、あの契約書も嘘だったという訳か。』
『そうだね。シルバに脅されたってことにしたら、ユーフォの罪も軽くなるし、雇われただけで、ということだったら、雇い主よりは罪は軽くなる。
流石ペデットだ。』
『!?』
『フッ。俺はお前らみたいな奴らが好きなんだ。コイツより頭が回るし。』
『おい、本人の前で言うな。』
『─ペデット、テナー、お前らはもう一度俺らの側近になる気はないか?』
『え? それは…』
『そのまんまの意味。
新しく側近を探すのも大変だしな。
まぁ、最初の二人の仕事はお前らの仲間をこの城の使用人とすることだ。説得、頼むよ。』
『えっ、ちょっ…』
と言うことが地下牢であったらしく、そのままペデットとテナーは、二人の側近として遣えている。
「さっきまでトランプをされてましたよ。
今はもう先に食堂に行かれてます。」
「え、トランプ?」
「トランプの城を作られてました。まだ残っていたら、見れるかもしれませんね。」
「それは楽しみだね!」
どうも、こんにちは。
「麻薬編」を描き始めました、あぷりこっとです。
なんともよろしくない名前の「編」ですが、ネタバレできないので、今後を楽しみにしていただけると幸いです。あ、もちろん麻薬はダメですよ!!
それはさて置き、ストーリー上、戴冠式から1か月経ちました。それでもなかなか直らないアレクの言葉遣い。1か月も長くない?と思われました? でも、すぐに直すのって大変だと私は思うのですよ……。今までそう呼ぶのが当たり前だったわけですし?
ということで、私は友達の呼び方を名字から名前(呼び捨て)に変えるのが少し苦手です。アレクほどは掛かりませんが。ただ、アレクの相手は一国の王と王子です。結構気を遣ってたのから、ラフに話せって結構キツいのでは?と思い、私はたまに間違えるアレクにしてます。
まぁ多分来週にはもう慣れてると思います。私にとっては文字数が減って助かります(笑)。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
また次回、お会いしましょう。
バイバ~イ!




