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白馬の王子と黒馬(こくば)の王子  作者: あぷりこっと
王城事件編 第十一章 ~2人の王子と1人の少女~
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3.関係

 フリッシュ王子、セイブル王子、ラリネ、バリト、私は王室に入った。

「「「「「失礼します。」」」」」

「いらっしゃい、よく来てくれたね。」

 緊張してる私達とは違い、陛下はフレンドリーに私達を迎えた。

 陛下─ヴィオル王は、10年前の戦争で被害にあった村を、謝罪して回ったことがある。

 会うのはそれ以来だが、あの時と変わらず、物腰の柔らかそうな人だ。

「アレクさん……だったかな? この前は驚かしてしまって悪かったね。」

「いえ、大丈夫です。」

 この前というのは、私を「イオリ」と呼んで涙を流された時のことだろう。

「イオリ」……、私はその人を知っている。

「ヴィオル陛下、その件でお見せしたいものがあります。」

「?」

 私は先程読んだ手紙を、ヴィオル王に渡す。

 ヴィオル王は受け取り、2つ折りにしてある手紙を開く。

「これは……イオリの字…?」

 そう呟くと、ヴィオル王は手紙を静かに読み始める。

 

アレクへ

 この手紙を読んでいるということは、これが入っていた棚の引き出しに手が届くほど成長したってこと、かな? 元気に成長してくれているアレクを見ることがお母さんの幸せです。これからもどんどん大きくなるんだろうね。

 さて、わざわざこのような形で手紙を書いたのは、あなたに伝えないのいけないことがあるからなの。

 それはね、私が隣の国のトライヤン王国の王様の妹であるということ。びっくりしちゃった?

 でも、これは本当のことです。

 あなたの身体には、王族の血が流れているの。

 今、トライヤン王国とバルン王国は仲が悪い。だから、このことはこの国の人には知られてはいけないことなの。直接伝えるのはなんだか怖くて、こうして手紙を書いたの。ごめんなさいね。

 でも、いつか王族であることが堂々と言えるようになると私は信じてる。

 だって兄上はとても優しいお方だから。必ずトライヤン王国とバルン王国は仲良くなるわ。

 だから、その時が来たら、一緒に兄上に会いに行きましょうね。

   母─イオリより

 

 ヴィオル王は読み終わると、顔を上げ私を真っ直ぐ見る。

「アレク…さん。貴女の母親は……」

「はい。ヴィオル陛下の妹─イオリです。」

「生きて…いたんだな……。」

「はい。攫われていた母を父が助けたそうです。

 その後2人は結婚し、母が20歳のときに私が産まれたと聞いています。」

 幼い頃に、母から聞いた話を話す。

「そうか。……、イオリは元気かい?」

「……、今はもう、いません。10年前に私を守って命を落としました。父もそうです。」

 ヴィオル王は目を見開く。

 そして私に何か言葉を掛けようと口を開くが言葉が出ず、代わりに自分を責めるような顔をする。

「ヴィオル陛下。

 確かに私の両親はヴィオル公爵の軍の人に殺されました。

 でも、私はそれによって、師匠に出会い育てられ、今、ここにいます。結果的に母が見せたいと思っていたこの国を見ることができました。

 もし、戦争(あんなこと)が起きなかったら、ここまで来れなかったかもしれません。だから、ご自分を責めないでくたさい。」

 亡くなったものはもう戻らない。だから、今を見るしかないんだ。だったら私はそれを大切にしたい。

 その思いが伝わったのか、ヴィオル王の目に涙が浮かび、頬を伝う。

「あり…がとう……。アレクさん、いや、アレク。」

 ヴィオル王は自分の涙を拭いながら言う。

「私は貴女に、この城を─この国を守ってくれた褒美として、フリッシュ、もしくはセイブルの妃になってもらおうと考えていたが…」

「え!?」

「もう王族の人間なら、それは違うかもしれんな。

『フリッシュ王の補佐役』の方が貴女には合いそうだ。」

「補佐役……ですか?」

「ちょっと待ってください父上。今なにか」

「そうだ、セイブルと2人で補佐役をしてね。」

「父上、無視しないでください!」

 フリッシュ王子が拒否する間もなく、話を進めようとするヴィオル王。

 あ、なんか親子って感じだな。

 まぁ、それは置いといて……

 私とセイブル王子が補佐役…か……

「アレク、このままじゃ、重要なことをすっ飛ばして決まっちゃうよ。 物語の進行的に許して大丈夫なの!?」

「あ、言い忘れてたけど、フリッシュが次の王だから。戴冠式は一ヶ月後ね。」

「何で王になることの方がついでっぽいんですか?!

 結構大切なことですよね、これ!?」

 ツッコむフリッシュをまた無視し、ヴィオル王はラリネとバリトを見る。

「え〜っと、ラリネ君とバリト君、だったかな?」

「「はい。」」

「2人には、引き続きアレクの護衛をしてもらいたいんだけど…、いいかな?」

「「はい。」」

 こうして、フリッシュ王子が王に、セイブル王子と私がその補佐役に、バリトとラリネが私の護衛になることが決定した─。

「待って、ボクには拒否権はないの!?」

 どうも、こんにちは。

 いつもよりフリッシュがよく喋るな〜っと思いながら描いているあぷりこっとです。

 珍しくフリッシュがツッコミをしてくれました(笑)

 そして、まさかのアレクが王族、というオチでしたね。あれ? 身分差ラブコメはどこに…? という思いはなくはないですが、気にしないでください。はい。

 こうやって呑気に後書きを書いていますが、実は次回で「王城事件編」が終了いたします。

 最後まで?愉快な感じだと思いますので、「王城事件編」を最後まで楽しんでいただければ嬉しいです。

 あ、もちろんまだまだ続きますよ? あくまで「王城事件編(・・・・・)」が終わるだけなので。

 

 ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

 また次回、お会いしましょう。

 バイバ~イ!

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