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白馬の王子と黒馬(こくば)の王子  作者: あぷりこっと
王城事件編 第十章 ~2人の王子と1人だったスパイ~
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6.生きていたのか

 ここは王の部屋の前─。

 そこに、私たちより先に立っていたのは

「ハクア様!」

 だった。

「あれ? アレクさん、どうしてここにいるのですか? 早く避難しないと。」

「ハクア様こそ、早く避難した方がよろしいのでは? ハクア様が亡くなられると困る人はたくさん居ますよ。」

「確かにそうですね。

 でもその前に、やらなければならないことがありまして。」

「つまり、自分の命よりも大切なこと─そんなに国王陛下をこの世から消したいですか?」

「!?」

「もう、こんなことをするのは、やめましょう…よ……。」

 一気にハクア様が間合いを詰めたかと思うと、腹部に強い痛みを感じる。

「!?」

 そこには短剣が刺さっていた。

 多分脇にある剣よりも短剣の方が私を逃さず、そして確実に刺すことができると思って、短剣を使ったのだろう。

 ラリネの相手をするには、剣の方が良いと思ったりもしたのかもしれない。

 だが、今、それはどうでもいい。

 私は痛みによりしゃがみ込む。

「アレク?!」

 ラリネが駆け寄ってくる。

 ダメ、来たら…

 ビュンッ

 私の頭上を、何かが鋭く動く。

「くっ……。」

 ラリネの首元に、ハクア様の剣が突きつけられる。

「君は、何でここに居るのですか?

 あの時、何があっても裏切らないと約束したではないですか、ラリネ。」

 えっ? この2人って面識あったの!?

「お久しぶりです。ハクアさん。

 先日は雇ってくださりありがとうございました。」

 剣を突きつけられるとは思えないほど、冷静にラリネがハクアに話しかける。

「雇ってくれて」……、あっ、そうか。ラリネはシルバさんたちに直接雇われたんじゃなかったんだ。ラリネたちを雇う時に、代理を務めたのがハクア様ってことか。

 私は一人で納得する。

「ですが、残念ながら雇われ期間は終了いたしました。」

「なに?」

「契約書には誘拐をしてくれっという内容しか書かれていませんでした。つまり、いつ契約を切っても良いということ。自分共は『王子の誘拐』は果たしましたので、自然と契約期間は終了いたしました。

 なので、自分共が誰に仕えようが貴方方に文句を言われる筋合いはありませんッ!」

 ラリネは自分の首に突きつけられていたハクア様の剣を、自分の持っている短剣で上へ弾く。

「!!」

 対応しきれず、ハクア様の手は剣を握ったまま、上へ上がる。

 その出来た隙に、ラリネがすかさず短剣をハクア様の横腹に滑らせる。

 って、あんま深くない? 掠めたって感じ?

 そう思っていると、ハクア様がバタッと倒れる。

「!?」

 え、どういうこと!?

 っと私が口にする前に、ラリネが

「安心してください。麻痺毒ですから。」

 あ~、なるほど。

 一人で静かに納得していると、ラリネが駆け寄ってくる。

「アレク、大丈夫か?」

 私は頷く。

 幸い、あまり深く刺さってはいない。

 私は痛みた耐えながら、思いきり短剣を抜く。

 本来は下手に抜かずに治療師などに任せた方がいいのだが……。まだ戦うかもしれないのだ。刺さったままだと、これ以上に奥へ短剣がいくかもしれないことを考えると、こっちの方が賢明だろう。

 私が短剣を抜いたのを見て、ラリネがタオルを畳んで渡してくれる。それを受け取り、傷口に当てる。

「ありがとう……。」

 私はそう言いながら、体に力を入れ、立ち上がる。フラつく体をラリネが支えてくれる。

「アレク、やっぱり君は、ここで安静にしていた方が……。」

「私は…、大丈夫……。

 それより、ヴィオル王が先……よ。」

 それを聞くと、ラリネは目的を思い出したかのような顔をする。

 それから頷くとをヴィオル王の部屋のドアを開ける。

 開けた瞬間

「誰だ!!」

 と誰かが叫ぶ。その誰かは、ヴィオル王で間違いないだろう。

 ヴィオル王は、ベッドから下り、剣を握って私たちを警戒している。

 明らかに元気そうだ。病気で伏せっているんじゃなかったの……?

 私が不思議に思っていると、ヴィオル王が私を見て目を見開く。

「…オリ、イオリ……?」

 え?

 もしかして、私のことを言ってる?

 もちろん、私は『イオリ』という名ではない。

『イオリ』は、私の

「!?」

 王は床に剣を置き、私に近づいてきたかと思うと、そのまま私を抱きしめてくる。

 え? ちょっ、ちょっと待って。状況が全く理解出来ないんだけど……。

 戸惑っていると、私の肩に冷たい何か─水のようなものが落ちてくる。

 涙……?

「イオリ…、生きて、いたんだな……。」

 ここで、「いえ、私はイオリではないです。」というのも、なんかな~。

 グラッ

 突然視界が歪み、頭もクラクラしてくる。

 手で押さえているタオルが、全体的に生温かく湿っていることに気づく。

 これは、ちょっと、ヤバいかも……。

「ラリ…ネ。ごめん、後は頼ん…だ…よ……。」

 私は後ろにいるであろうラリネに言う。

「? アレク?

 !? アレクっ!」

 この声が、私にははっきり聞こえなかった。

 そして、私は意識を失った……。

 どうも、こんにちは。

 ストーリーも一段落して、ホッとしているあぷりこっとです。

 さ~て、今回は新しい人物の(?)名前が出てきました! 一体、誰なんでしょうね~?

 まぁ、アレクの知っている人物なのでしょうが。

 ちょっと意外?な、展開になると思いますので、楽しみにしてくださると嬉しいです!

 そして、少しどうでもいいですが、私は昨日、一回目のコロナワクチンを接種しました。多くの人が、注射自体は痛くないって言っていたので、そう思って行ったのですが……、普通に痛かったです(笑)。多分先生が少し下手なんだと思います……。

 副反応はちょっと風邪っぽいくらいですかね? あ、あと打った腕も痛いです(笑)。まぁ、すぐ治りますよね。多分。

 二回目の方は色々聞くので、怖いですけど……。

 

 ……、ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

 また次回、お会いしましょう。

 バイバ~イ!

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