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白馬の王子と黒馬(こくば)の王子  作者: あぷりこっと
王城事件編 第十章 ~2人の王子と1人だったスパイ~
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5.助っ人は遅れてくる

 階段を上がっていると

「よくここまで来たッスね。殿下方。」

「あら、アレクも一緒なのね。」

 上から男性と女性の声が聞こえてくる。

 私は女性の方の声は、聞き覚えがあった。

「メイド長!?」

 メイト長─使用人頭は私の仕事(使用人)の上司だ。

 もう一人の男性は誰だろう?

 シルバさんとユーフォさんが雇ったのかもしれない。

 と思っていると

「くっ……。」

 メイド長が短剣を持って攻撃してくる。私はそれを自分の剣で受け止める。

 階段の上で会ったため、私の数段上に立っているメイド長の短剣は重く感じ、受けとめるだけで精一杯だ。

 もう一人の男性はフリッシュ王子が相手をしている。

 そして、 下の階から続々と人─敵襲がやってくる。

 って、まだいるの!?

 その人たちはセイブル王子やヒルナが相手もしている。

 かなりキツい状況だ。

「メ、メイド長……。まさか貴女も関わっておられるとは思いませんでしたよ。

 貴女はこの国出身だと開いていたので。」

「えぇ、そうね。私はこの国の出身よ。」

「!? ではなぜ?!」

「私の夫はね。ヴィラフォ様の軍の人に殺されたの。

 巻き込まれた村に、たまたまいた所為でね!」

 メイド長が一気に短剣に体重をかける。

「なる…ほど……。ヴィオル様がちゃんとした対策をしていたら、命を落とさなかった……と?」

「そうよ! そんな、自分の民も守れないような王はこの国にはいらない! 私はそのためにこうして剣を取っているのよ!!」

 確かに、それは一理あるかもしれない。

 でも

「今、このような形で復讐するよりも、他の方法でこの国を良くしようと、例え微力でも力を尽くした方が、国のためになると思いますけどね!

 それをせず、このような形で復習をする貴女方は、間違ってると思いますよ!!」

 私は自分の剣に力を込め、メイド長を思いっきり跳ね返す。

 メイド長は素人だ。すぐに反応できず、後ろに吹っ飛び、階段の踊り場の壁にその背を打ち付け、気を失う。

 あっちゃ~、やり過ぎちゃったかも……。ごめん、メイド長……。

「その身のこなし、ただの使用人ではないなっ!!」

 私の数段下にいた襲撃者の一人がそう言いながら、剣を真横に振るう。私の足を狙って……。

「おっと。」

 私は剣の上を飛び、タイミングよくその剣の上に着地する。

 身軽だから出来る技だ。

 などと思いながら、不安定な足場でもう一度ジャンプし、そのまま空中で回し蹴りをする。

 見事に相手の顔に蹴りがあたり、襲撃者はそのまま下へ倒れる。

「よっ、とっ!?」

 今日はかなり調子がよかった。だから、調子に乗りすぎだ。そう、言い訳させて欲しい。

 私は、着地をミスり、足を滑らせ、バランスを崩す。

 やばい、このままじゃ……。

 ド~ン!

 上の階から何か落ちて…、いや、下りてくる。

 するとすぐ、誰かに背を支えられる。

「大丈夫か?」

 この声は…

「バリト?」

「そうだが?」

 バリトが不思議そうに言う。

 まさか、バリトか助けてくれるとは思わなかった。ちょっと、ビックリした。

 よく見ると、バリトが右手に長い棒を持っている。槍の先の部分(刃)がない感じ。武器に使っているみたいだ。

 私かそんなことを考えていると、バリトが手を放してくれる。

「ありがとう。助かったわ。

 ……、え~っと、その武器、どこから取ってきたの?」

「武器庫だよ。」

 ん? 上から声が……

「ラリネ!」

「ちなみにバリトの武器は、槍の先を取ったから、殺傷能力は低いはず……多分。」

 そう言いながら、ラリネがこちらへ飛び降りてくる。

 いや、多分って……。まぁ、このバリトがこんな棒を振ったら、ひとたまりもなさそうではあるけど……。

「アレク!! ここはボクたちに任せて君は父上の部屋へっ……!」

 フリッシュ王子が叫ぶ。

「わかりました。」

 正直、この数を3人だけに任せるのは心配ではある。だが、信じるしかない。

「アレク、ラリネを連れて行け。

 オレは王子たちと共にコイツらを止めておく。」

 私の気持ちを察したのか、バリトがそう言う。

 ありがとう、そう言いたいが、そんな暇はない。

「了解。ラリネ、行くよ!」

「もちろん。」

 私たちは走り出す。

 私はバリトをチラッと見る。

 あの棒が、遠心力によって、勢いよくグルグル回っている。よく、壁にぶつからないものだ。

「あれ、マトモに当たったら……。」

「うん。骨が折れてもおかしくないよ。」

「ですよね~。」

 あれを見ちゃうと、そりゃ「殺傷能力は低い……多分。」って思っちゃうよね……。

 どうも、こんにちは。

 本当は今回のストーリーのタイトルを「ヒーローは遅れてくる」とか、「救世主は遅れてくる」ってしたかったあぷりこっとです。

 なぜそうしなかったか、ですか?

 いや~だって、ラリネとバリトを「ヒーロー」とか「救世主」にしてしまうと、王子方の立場がないですもん(笑)。作品のタイトル的に王子2人がそうじゃないですか。その2人を差し置いて、元誘拐犯をそしうしてしまうのは、なんか違いますよね……。

 でも、いつか使ってみたいです。タイトルに。それがどれだけ後になるかはわかりませんが。

 さて、この王城の戦いも後1、2話ぐらいで、終わりを迎えます。戦いが終わるだけで、まだまだストーリーの方は進んでいきますよ? 楽しみに待っていただければ幸いです。

 

 ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

 また次回、お会いしましょう。

 バイバ~イ!

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