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白馬の王子と黒馬(こくば)の王子  作者: あぷりこっと
王城事件編 第十章 ~2人の王子と1人だったスパイ~
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2.本当の狙い

「これで終わり…かな?」

 シルバさんとユーフォさんが縄で縛られ、役人につれて行かれるのを見ながら、フリッシュ王子が言う。

 本来ならそうであってほしい。が

「いえ、まだ終わってません!」

「「!?」」

 フリッシュ王子とセイブル王子が驚く。

 いや、2人とも見られましたよね……。

「これから、いえ、もしかしたらもう来ているかもしれません。

 40人もの侵入者が。」

「40……。そういえば、資料にあったね。忘れてた。」

 フリッシュ王子がそう言い、セイブル王子も頷く。

 いろいろあって、忘れてしまう気持ちもわかりますが……。

「40か。ハクアがあいつらと共犯だったことを考えると、もっといてもおかしくないな。」

 私もそう思う。

 私だったら、目的によるけど雇えるだけ雇うだろう。少なくても100人くらい……。

「……、やはり、城の内部にも共犯者がいると考えた方がよさそうですね……。」

「あぁ、ハクアも共犯だったことも考えると…な……。まぁ、40人だろうが、それ以上だろうが、厄介なことには変わりない。」

 厄介度は変わると思うけど……。

 もし、本当に共犯者が沢山いるのであれば、誰が味方でそうでないかの判断がしにくい。

「フリッシュ王子に渡していただいた身分証を使って、こちらの戦力は2人増えたのですが……。流石に厳しいですよね……。

 すみません、それが精一杯でした……。」

「いや、別に構わない。アレクが選んだってことは、信頼出来るんだろう? 誰なんだ?」

「ラリネとバリトです。」

「あぁ、あの2人か……。」

 セイブル王子が苦笑する。自分を誘拐した人が仲間に加わったというのは複雑なのだろう。

 でも、あの2人は裏切らない。

 あの契約書にラリネとバリトの名前もあったが、雇われた内容が「第二王子の誘拐」だった。城の襲撃が書かれてなかったことを考えると、2人の契約はもう解けている。だから、あの2人は新たな雇い主である私の命令に従う。

 それがわかっているから、セイブル王子はあの2人を仲間に選んだことを受け入れているのだと思う。

「そういえば、どうして40人も雇ったんだろう?」

 フリッシュ王子が素朴な疑問を口にする。

 そういえば、『襲撃』が雇った内容だったけど、目的はなんだろう。考えてなかった。

「あの2人に訊いとけばよかったな……。」

 セイブル王子が溜息をつく。

「そうだね。この状況で40人も侵入したとなると、国の混乱を招くことは出来なくもないけど……。」

 側近になり、怪我までする覚悟で事件を起こしたのだから、2人の狙いは「王族」で間違いないだろう。

 でも、今ここに王子2人はいる。

 爆弾を爆発させて火事を起こしたら、王子たちが避難するのは予想できたはず。

「実は私、気になってなんです。

 あの2人は両親を殺されました。普通なら当時幼少だった王子ではなく、王として軍を指揮していた国王陛下に復讐するはずです。

 なのに、王子であるお2人の命を狙っていました。なぜでしょう?」

 それを聞き、セイブル王子が考え始める。私とフリッシュ王子も。

 3人で揃って、顎に手を当て、似たポーズをとる。

 考えていると、ふと

『思い知って欲しかったんです…!』

 ユーフォさんの言葉を思い出す。

 もしかしたら─

「思い知らす…ため? 大切な人を失った悲しみ…を?」

「なるほど。それはありえるね。

 じゃぁ、その40人はボクたちを殺すため?」

「いや、多分違う。そうだとしたら、さっき剣を抜いて殺すだろ?」

「確かにそうですね。じゃぁ、40人は……、別の仕方で思い知らすため……?」

「あの2人は両親を殺されいる。思い知らすのは、自分たちの気持ちではなくて……」

「「両親の気持ち……!」」

 私とセイブル王子の声が重なる。

 大量の兵が村へなだれ込んできた時、シルバさんたちの両親が何を思ったかを想像すると、容易に理解できる。裏切られたという気持ちと、子供のことが心配でしょうがないという気持ち─。それを思い知らせたいのかもしれない。

 だとしたら、2人の本当の狙いは……

 私はとあることを思い出し、背筋に悪寒が走る。

「セイブル王子、王様って、緊急事態の時はどこに避難なさるのですか?」

「え…っと、状況とかによるけど、基本は使用人たちと一緒に避難するはず。もちろん、最大限の身の安全は確保されつつだけど。」

「今回の場合は……?」

「? 火から逃れればいいから、使用人たちと一緒に避難しているはず……。」

 セイブル王子は、質問の意図がわからないっと言う顔をしながら、答えてくれる。

「先程、避難場所を通ってきたのですが……、 そこにヴィオル様(国王陛下)はおられませんでした。

 まだ避難しておられませんでした。もしかしたら…─」

 どうすれば、どうすればいい?

 もしかしたら、手遅れってことも……。

「もしかしたら中かもってことか。急がないとね。」

 フリッシュ王子がそう言う。妙に落ち着いた声だったので、私の焦りは少し落ち着く。

 もしかしたら、私を落ち着かせるために言ってくださったのかもしれない。

「取りあえず、急いで向かうぞ!」

 どうも、こんにちは。

 今回は長くなっちゃったな~っと、少し反省しているあぷりこっとです。

 今回のストーリーで、やっと側近2人の狙いが明らかになりました。そしてこれは後付けに近いです(笑)。

 ラリネとバリトを登場させたかったり、城を襲撃させたかったりしたかったので、かなりの人数を雇わせたのはいいのですが、あれ? 理由は? っと、描きながら思いまして。いろいろ考えたのですが、過去と合わせてこれぐらいが筋が通るかな? っということで、こんな感じの動機になりました。

 適当でごめんなさい……。

 お詫びに(?)次回予告。

 次回はアレクの過去です!

 

 ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

 また次回、お会いしましょう。

 バイバ~イ!

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