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白馬の王子と黒馬(こくば)の王子  作者: あぷりこっと
王城事件編 第十章 ~2人の王子と1人だったスパイ~
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1.バルンと復讐

 私─アレクシス・ベネットはラリネとバリトに会った後、私は一旦 城の外に出た。

 城の外には避難してきた人たちで溢れていた。

 何人ぐらいいるんだろ……。

「ねぇ、貴女。」

 不意に声を掛けられる。

 同じ使用人の服を着た女の子だ。あまり話したことはないけど、顔見知りではある。

「何でしょうか?」

「メイド長見なかった? ずっと探しているんだけど見当たらなくて……。」

「メイド長…、ごめんなさい、見掛けてないです。」

「そう……。」

 その使用人は肩を落とし、不安そうに城を見る。

 メイド長は、まだ避難していないのかもしれない。

 嫌な胸騒ぎがする。

 メイド長には良くしてもらった。もうメイド長は、私の中で大切な人の一人となっている。

 ─敵じゃなきゃいいけど……。

 

 私は迷わずにこの城の裏庭へと向かった。

 セイブル王子が確信を持って、ここに犯人は来ると言っていた。確証はないけど、私も確信している。

「…思い知って欲しかったんです…!」

 もう少しで着くというところまで来たときに、テナー様の声が私の耳に届く。

 あれ? どこかで同じようなことを聞いた気がする……。

 私は記憶を探り始める。自然と私の前に進むスピードも遅くなる。

『思い知らせてやりたいのよ。』

 憎しみが込められた、誰かが言った言葉が脳内で響く。

 誰がいつ、言ってたんだっけ?

 私は無意識に足を止め、懸命に考える。

『この印ですか? これは…』

 印……? あぁ、そうか。あの時引っかかったのはこれだったんだ。

 私はまた、ゆっくりと前に進み始める。

 そして、空気を吸い、良く通る声で言う。

「『これは…、このハトの印は、平和を意味しているんです。』

『皆が平和な世界で幸せに生きてほしいっと思って。』」

 それを聞き、フリッシュ王子、セイブル王子、ペデット様、テナー様は驚き、固まっている。

「思い出しましたよ、ペデット様、テナー様。─いや、シルバさん、ユーフォさん。」

「「!?」」

 ペデット様─シルバさんテナー様─ユーフォさんの顔色が変わる。

「どういうことだ、アレク。」

 イマイチ話の掴めないセイブル王子が私に訊く。

「お2人はヴィラフォ公爵に襲われた村の支援をされていました。私はその時にお2人にお会いしています。」

 私はまっすぐシルバさんとユーフォさんを見る。

「お2人は、ハトの印=平和と言われていました。

 でも、お2人は今回の事件に、そのハトの印を用いられました。なんのおつもりですか?」

 2人は、私が言いたいことがわかっていないようで、困惑しているようだった。

 私はそんなことには構わず、思いっきり息を吸う。

「お2人は、今回の事件を起こすことによって、復讐をすることによって、誰かが幸せになったと思っておられるのですか?!」

 シルバさんとユーフォさんは息を息を呑む。

 そして、私から目を反らす。

「私の両親は、ヴィラフォ公爵の軍から私を庇って、死にました。

 でも、お2人のようにトライヤン王国の王家の方々に復讐したいとは、一度も思いませんでしたよ。」

 確かに私はバルン王国のスパイだ。

 だけど、それは一つの仕事だからで、私の意思ではない。復讐しようと思って来たわけではない。

 むしろ……

「私は、憎しみの連鎖を繰り返す復讐を、止めるためにここに来ました。

 そのために、私は今、ここにいます。」

 どうも、こんにちは。

 久しぶりにキャラクター目線で描けて嬉しいあぷりこっとです。

 今回のタイトルは「バルンと復讐」。この「バルン」は、バルン王国の民である3人を表しているつもりです。同じような境遇にあっても、考え方はかなり違ってましたね。

 今回のストーリーでアレクは 復讐は負の連鎖しか生まない というような感じのことを言ってましたね。これは、推理小説などをを見て、私もよく思わされることです。殺人の動機の多くは復讐だからです。あの人を自殺に追い込んだからその敵を…といった感じで。それを繰り返したら本当に負しか生みません。それは絶対に避けるべきだと、私は思います。そのために私はこの小説を書きました。

 

 まぁ、アレクの真似は置いといて(笑)。

 ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

 また次回、お会いしましょう。

 バイバ~イ!

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