2.探し物も渡し物
アレクとフリッシュがセイブルに頼まれ、行ったのはテナーの部屋だった。
この部屋は火の手から遠く、すぐ近くに階段もあるため、何かあったらすぐ脱出できる。
とはいえ、長居はできない。
『前、テナーの部屋に行ったとき、2人は奥にある棚を気にしていた。もしかしたら、何か隠しているのかもしれない。
探してきてくれるか?』
セイブルはアレクとフリッシュにそう言われた。
「フリッシュ王子、本棚に何か隠すときは、どこにしますか?」
テナーの部屋に入りながら、アレクが言う。
相変わらず、散らかってるな~。
「そうだね~。
薄さにもよるけど、書物を挟むか、後は……」
「書物の奥……ですか?」
「そうそう。」
今で言うところの「男性が如何わしい本を隠すとしたら…」の同じ考え方だ(あれ? この説明はいらない?)。
アレクとフリッシュは本棚から全ての本を出す。
すると、背板に張り付くように隠されていた、数枚の資料が出てくる。
アレクたちはそれに軽く目を通す。
「「こっ、これは……っ!?」」
アレクたちは軽く青ざめる。
「い、今すぐセイブル王子に私に行かないと!!」
アレクが資料を持ち、部屋を飛び出そうとする。
「ちょっと待ってアレク。」
フリッシュがアレクの腕を掴み、アレクの足を無理矢理止める。
「セイブルに、渡すように頼まれた物があるんだ。」
フリッシュの声はあんな資料を見た後であるにも関わらず、とても落ち着いていた。
それを聞いてアレクの頭が冷える。
それを確認するとフリッシュは、ポケットから何かを出す。
それはペンダントのような形をしていた。そのペンダントトップの部分は3センチ×6センチの長方形だった。
私も同じような物を持っているが、色や長方形の中に書かれている内容は違う。
「これは、もしかして……。」
「そうだよ。これは王家の者の持つ身分証だ。
まぁ、これは母上の者なんだけどね。」
つまり、これは今は亡きフリッシュとセイブルの母親の、形見というわけだ。
「これを君に渡すよ。」
当たり前のように言われてアレクは驚く。
「え? いいんですか?
これは王子方にとって、大切な物では……」
「そうだね。
でも、セイブルにこれをアレクに渡すよう言われたんだ。ボクもそれでいいと思うし。」
これを使えるのは王家の者だけ。それを渡されるということは…
「フリッシュ王子、それって……」
アレクはフリッシュの言わんとすることを悟る。
「嫌だったら、受け取らなくていい。
君をこれ以上巻き込みたくはないしね。」
アレクは静かに目を瞑る。
メリットとデメリット、それはどちらとも大きい。
ふと、自分に出来るだろうかという不安も出てくる。が、アレクはすぐに心を決めた。
「わかりました。
私は少し行きたいところがあるので、セイブル王子のところに資料を持って行ってください。」
アレクはフリッシュに、資料を渡す。
「行きたい所…って?」
「そんなに心配なさらなくても大丈夫です。
戦力を集めたら、すぐ向かいますから。」
どうも、こんにちは。
身分証の設定に何気に苦戦したあぷりこっとです。
あまり説明できてなくて、疑問に思われた点があったかもしれません。そこは、皆様の想像力でカバーしていただければ幸いです(笑)。
さて、今回のストーリーで重要だったのは、「資料」の方ではなく、「身分証」の方だと私は感じています。アレクの言っていたとおり、王家の身分証を持つということは、メリットとデメリットが大きいんですよ。なぜ、大きくなるかというと、アレクも王族になるという意味だと見た人は受け取るからです。
なので、アレクにその気がなくても、見せられた人はアレクが王族になるのだと思うわけで……。これで、恋愛小説への伏線が引けましたね! やっと(笑)。
まぁ、今は登場人物たちはそんな余裕はないので、全てが終わった後に忘れてそうな気はしますがね(笑)。
「(笑)」が多い文章を最後まで読んでいただき、ありがとうございました(笑)。
また次回、お会いしましょう。
バイバ~イ!




