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スライムしかテイムできない男、スライム道を極め最強となる  作者: やまのうえのおくらん
第2章 楽しい?学園生活
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ニーネの母


「ニーネのやつなんて説明したんだよ。」


「まあ、手荒に扱われるよりはいいじゃない。」


リュートは困惑していた。

リュート達の周りには20人ほどのエルフがいる。



突然牢にぶち込まれたと思ったら、しばらくしてエルフの正装だという美しい衣装に身を包んだ男性と女性がやってきて、無礼を何度も謝られた。


その後、綺麗な部屋でおいしい紅茶を出され、シルファード家のエルフたちが次々に挨拶に来た。


(俺が貴族だからか?でも伯爵家が準男爵相手にここまでの対応をするか?)


そんな風に思っていると部屋にニーネと銀髪のエルフの女性がやってきた。美しい装飾がなされたドレスを着ている女性はにっこり笑うとおっとりした口調で自己紹介する。


「初めまして、ニーネの母であり、シルファード領主の二ゼリーと申します。」


「こんにちは、ニーネの同級生で主人でもあるリュートです。」


奴隷の母親に挨拶していて、その母親は自分よりも圧倒的に地位が高いというおかしな状況にリュートは少し緊張していた。


「ふふっ、そんな緊張なさらないでください。その奴隷紋がお母様の仕業であることは想像つきますから。それで隣の女性は?」


「私はリュートのパーティーメンバーでもあるレイと申します。」


「レイさん。勇者様と同じ名前なんですね。」


「レイは勇者だわよ。」


「まあ!もしかしてリュート様ってトヨトミ準男爵様ですか?」


(え?今までは貴族だってことすら知らなかったのか。それでこの対応ってどういうことだ?)


そう不思議に思いながらもリュートは答える。


「はい、リュート・トヨトミです。」


穏やかだったニーネの母の表情が少し険しくなった。


「ニーネ、さっきの門番を呼んできなさい。」


母の雰囲気を察したのか、ニーネはコクコクと頷き部屋を出て行った。





「リュート様、勇者様、この度のご無礼お許しください。」


さっきの門番は顔を真っ青にしてリュート達に必死に頭を下げていた。


過去シルファード領がエルフの小国だった時代、ペリペリ共和国の侵略により滅びかけていた小国を救ったのは勇者であった。

また、シルファード家の初代領主は勇者パーティーに所属していた。


そのためシルファード家の者の多くは勇者を強く尊敬している。


ニーネの祖母である現校長は尊敬すべきは実績を残した過去の勇者達であって勇者という【役職】自体ではないと思っているタイプなのだが、勇者にこれまで会ったことのなかった二ゼリーや多くのエルフは違う。


そしてリュートのこともエルフ達の間では勇者と同じくらい知れ渡っており、勇者レイが所属するパーティーのリーダーであり最年少Sランク冒険者のすごい少年であると尊敬されていた。


ゆえにリュートや勇者に無礼を働いたことは多くのエルフにしてみれば大変なことなのだ。


ちなみにニーネの場合は【勇者】の強さを目の当たりにするまで、(ふふん、勇者だろうがなんだろうが魔弓が使える私より強いわけないじゃない。)と思っていたので勇者であるということで特別視したりしていない。


「あらあら。勇者様と、最年少Sランク冒険者で勇者様のお仲間でもあるトヨトミ準男爵様を牢屋にぶち込んでおいて許されると本気でお思いですか?処刑に決まってるじゃありませんか。」


これまで通りおっとりした話し方なのに言っていることがえげつない。


「処刑なんてそんな物騒なことやめてください。」


「私たちのことを知らずにやったことなので許してあげてください。」


リュートとレイの説得によってその場で処刑されそうになったその門番の命は助けられた。

しかし、勇者に無礼を働いた門番は領内の人たちから冷たい目で見られ領地の外に追放されてしまった。


ボロボロになったこの門番が飢え死に寸前のところで人族の女性に助けられ、やがて嫌っていた人族を愛するようになるのは数ヶ月後の話である。




そして今、村の広場では宴が開かれていた。広場の入り口には『勇者様とトヨトミ準男爵様歓迎会』と書いた立て札が立っている。


「ふふ、『勇者様とニーネの大切なご主人様歓迎会』にしたかったんですけどね。」


二ゼリーが悪戯っぽい顔でそんなことを言い出した。


「ちょっとお母様!何言ってるのよ!」


ニーネが顔を赤くする。


「あら、リュートさんのこと大切な人って言っていたじゃない。」


(なるほど、そういうことだったのか。嬉しいことを言ってくれるな。)


リュートは牢から出た後に丁重に扱われた理由を理解する。


「リュート様、ニーネを末長くよろしく頼みますわ。」


「はい、ニーネのことは幸せにするんでお任せください。」


「ちょ、ちょっとリュートもお母様も勝手に何言ってるのよ!」


ニーネはそう言いながらもどこか嬉しそうだった。


しばらくして二ゼリーに探しに来たキノコについて尋ねてみた。


「あのキノコですか…この森のどこかにあるのは確実ですが、年に5、6個くらいしか見つからない上に、その特性上数億単位の金額で売られていますので競争率もかなり高いですわよ。でもリュート様とレイ様ならもしかしたら見つけられるかもしれませんね。」


「「数億!?」」


探しに来たキノコが見つかれば人族なら一生遊んで暮らせる額のキノコだったことに驚きを隠せないリュート達であった。



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