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スライムしかテイムできない男、スライム道を極め最強となる  作者: やまのうえのおくらん
第2章 楽しい?学園生活
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村への帰還とセイラの姉


「武闘大会は武器化したスライムなら使用可能、魔闘大会はスライム使用不可、技闘大会はゴーレム化したスライムのみ使用可能という認識で間違いないですか?」


今日は週に1度のホームルームの日。リュートは三大大会のルールについて校長に確認した。


「そうだ、その認識で間違いない。武闘と魔闘の防具は学校指定のものを用い、防具の胸の部分についているクリスタルの破壊で勝敗が決まる。防具のデザインは本人の希望をとるが防御力はほぼ変わらないように作られる。」


リュートはほっとしたような顔になる。もし武闘と技闘でスライムの使用を全面的に禁止されでもしたらリュートに勝ち目はない。

ルール選定に関して教頭が関わっていないのが幸いした。


とはいえレイやユキヒロとの能力値差を補うにはそれだけでは足りない。それどころか勇者である2人は魔剣を使ってくるため武器でも今のところリュートの方が不利である。


三大大会まで残り1ヶ月、どうやって能力を強化しようか考えた結果、リュートは実家に帰ることにした。特別科の生徒には週1回のホームルーム以外の出席義務はない。

目的はリュートがスライムを初めてテイムした平原である。


家の近くに当たり前のようにあるから気がつかなかったが、あの平原は効率よくスライムをテイムするには最適だった。

テイム数が増えるにつれて、スキルを獲得する速度はだんだん遅くなってきたが、テイム数を増やして武器の強化及び有用なスキルの習得をする以外に残り1ヶ月で勇者に勝てる方法は思いつかなかった。


リュートが実家に帰ることを伝えると、アイカとセイラがついて来たいと言い出したので一緒に行くことになった。

レイにメリルの護衛を任せ、その日の午後には馬車で村へと出発した。


「セイラは聖女なのに村に来て大丈夫なのか?」


馬車の中でリュートが尋ねる。


「はい、教会には話しています。許可が出るようにリュートさん達が護衛についているということにしてますが、大丈夫でしょうか?」


「ああ、構わないよ。泊まる場所はあるのか?」


「はい、向こうには姉がいますので。」


「姉ってもしかしてあのちょっとあれなシスターか?」


「あの美人のシスターね。」


リュートとアイカは村の教会の、金髪碧眼のちょっと残念なシスターを思い出した。水晶に映るリュートの能力を見て腰を抜かしていたシスターである。

セイラは以前、姉の性格が少しニーネと似ていると言っていた。


「リュートさん達の言っている人で合ってると思います。私はお姉様が大好きなのになぜか嫌われているんですよ。」


セイラが悲しそうな顔で言う。”なぜか”と言っているが理由はなんとなく想像がつく。本人も分かって言っているに違いない。


何度か弱い魔物には遭遇したが、リュート達は順調に村へと辿り着いた。村の門番はリュート達の顔を見た瞬間、顔色を変えて村の中へと走って行った。


村からたくさんの人がゾロゾロと出てくる。


「村の英雄様のご帰還だ!聖女様もいるぞ!」


という声が聞こえてくる。いつの間にかリュートは英雄扱いされるようになっていたのだ。

10歳の頃、【役職】が判明したときにはみんなくすくす笑っていたというのに、えらい変わりようだ。


リュート達は村人に愛想よく対応した後、教会に向かった。


「あ、あなたは!」


教会の扉を開けたリュートの顔を見て、セイラの姉、マリーは驚きの表情を見せる。

また嫌味でも言われるだろうかと身構えていると、マリーは意外な言葉を口にした。


「リュート様、ご活躍はお聞きしてます。村に帰ってこられたのですね。よかったら私とお食事でも」


23歳のマリーは、この世界での婚期(通常遅くても24歳くらいまで)を逃しつつあることを気にしている。

しかし美人ゆえにかプライドが高く、平民と結婚する気はないため、訪れる貴族に毎回色目を使い、失敗を重ねてきたのだ。


「わあ!お食事、いいですわね!」


わざと扉の中に入らず聞き耳を立てていたセイラがそう言って扉の中に入ってきた。


「げっ!セイラ!」


「お会いしたかったですわ、お姉さま。」


「わ、私は会いたくなかったわよ。」


「リュート様、お姉さまは結婚相手としてお勧めですわよ。相手の身分を見て態度をコロコロ変えるような人ではないですし、そのせいで婚期を逃しているという訳でもありませんよ。」


「うっ」


マリーが苦い表情をする。


「セイラちゃんが言っていたお姉さんのこと大好きって本当なのかな?」


思わずアイカがリュートの耳元で呟く。


「はい、私はお姉様が大好きで、お姉様の幸せを誰よりも願ってますわよ。」


聞こえてしまっていたようで、セイラは満面の笑みでそう言ったのだった。





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