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スライムしかテイムできない男、スライム道を極め最強となる  作者: やまのうえのおくらん
第2章 楽しい?学園生活
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災い転じて福となす


「以前はお前のことをある程度は信用してたんだが、ここまでのクズだったとは、見損なったぞ。」


リュートの後ろにいたプリン頭の男はそんなことを口にした。

前までユキヒロはなんだかんだ言いながらも、レイがリュートのパーティーに入ることを渋々了承するくらいにはリュートのことを信用していた。


「今すぐレイとその少女を解放しろ、さもなくば」


「うるさいわね!黙りなさいバカプリン!」


剣を突きつけようとしたユキヒロに怒ったのはリュートではなくニーネだった。

リュートは怒るのではなく、冷静にどうにかこのめんどくさい状況を抜け出したいと思っていた。


「なっ、俺はお前を助けに来たのだが…そうか!そう言うように強制されて」


「あんな記事を疑わないなんてどうかしてるわよ!そうね、証拠を見せてあげるわ。」


そう言ってニーネはツカツカとリュートの方に寄って来た。


「おい、何すん」


リュートがそこまで言いかけたとき、


「チュッ」


リュートの頬にニーネの唇の柔らかい感触が当たる。


しばし沈黙の後、冷静になったニーネの顔がみるみるうちに赤くなっていった。


「か、感謝しなさいよね。」


ニーネはリュートにそう言うと走り去って行った。


周りにいた生徒達から歓声が上がり、新聞部の部長、ハリーは膝から崩れ落ちる。


ユキヒロは苦い顔をして口を開く。


「今回の早とちりについては謝罪する。すまん。だが俺は魔闘と武闘を優勝してレイを取り返すから覚悟しておけ。はあ…お前がこんなスケコマシだと気付いていればレイをお前の元にやったりしなかったのに。」


ユキヒロはそんなことを言って去って行った。


リュートがニーネを追いかけて行くと、ニーネは馬車の中でぶつぶつ呟いていた。


「嘘、私、あいつのことが好...そんな、ありえない。何かの間違いよ。キスしたのも私の優しさよ。きっとそうよね。」


「おい、ニーネ。」


「ひゃあ!」


リュートが話しかけると、ニーネは可愛い声をあげた。


「さっきはありがとうな、助かった。」


リュートが感謝の気持ちを伝えると、ニーネは顔を赤くする。


「か、勘違いしないでよね!私はあんたが可哀想だからしてあげただけよ!」


思わずからかいたくなったリュートが、


「分かった。でもしたくなったらいつでもしていいぞ。」


と言うと、


「何も分かってないじゃない!」


とニーネは顔を真っ赤にして怒り出した。




翌日、ハリーやユキヒロとリュート達のやりとりの動画が載せられた新聞(紙の上で動画が再生できるようにする魔法が存在する。)がネリが所属する方の新聞部によって配られ、新しい新聞部の評判は地におちた。

動画を撮っていた生徒はニーネとリュートの決闘のときと同じ生徒であり、この後新聞部にスカウトされたそうだ。


この動画はリュートがニーネを大切に扱っていることを感じさせる内容でもあったため、リュートに対する女子からの評価も上がった。


さらに、リュートの奴隷になりたいと言いだした一部の変わった女子生徒達がリュートのファンクラブ『トヨトミラバーズ』を結成した。少人数で始まったこの組織だが、日が経つほどにどんどん膨れ上がっていく。


つまり、リュートの評判を落としリュートを学園から追放しようとする教頭の計画は、リュートの評判を上げ、さらに『トヨトミラバーズ』という教頭にとっては恐ろしい組織を生み出す結果に終わってしまった。




少しずれたカツラを被り、メガネをかけた小太りの男は、動画を見たあと顔を真っ赤にして怒り出した。

目の前に最愛の小鳥、ぴーちゃんがいるのに口調は赤ちゃん言葉ではない。


「な、なぜこうなった!ハリーのやつ、折角甥っ子だからと部長に抜擢してやったのに使えないな。」


しばし愚痴をこぼした後、男はハッとする。


「そうだ!勇者を使えばいいんだ!あのガキは力も人気も勇者には及ばんだろ!そうでちゅよね、ぴーちゃん。」





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