幼馴染のスキルと可愛い反応
ファイヤーボールのレベルを無しにしました。
鑑定を終えたリュートはうるさいシスターから逃げるように家に戻ってきた。
「【スライムレンズ化】、これは使えるぞ。ははは。」
鑑定結果で有用なスキルが見つかってご機嫌である。
【スライムレンズ化】・・・スライムがレンズになる。レンズは【鑑定】の効果を持つ。
リュートは家の庭で早速【スライムレンズ化】を唱え、2匹のスライムをレンズに変えた。
さらに、【スライム形状変化】、【スライム拡大縮小】を使って水色のメガネを作り出した。
「これで鑑定し放題だ!これで色まで変えれると最高なんだけどな、ま、それはスキルが増えるのを待つか。」
試しにその辺の石ころを【鑑定】してみる。
名前 石ころ
価格 0G
説明 ただの平べったい石ころ。水切りに向いてるかも。
(ん?水切り?まあいいか、とりあえずちゃんと鑑定できた!)
そう思ってると、
「リュート!素敵なメガネね。」
手入れの行き届いた赤髪がサラッと靡く。幼馴染のアイカである。
「アイカ!どうしたんだ?」
「折角【役職】を得たんだし、魔物を倒しに行きたいと思って、リュートがいたら誘おうかなって思ってきた。」
「偶然だな。俺も森の方に魔物を倒しに行きたいなって思ってたんだ。」
「え?森?平原じゃなくて?あそこはたまにDランクの魔物もでるから危険よ」
「大丈夫!俺は森に入らないから」
「え、どう言うこと?」
「ま、来てみればわかるさ」
そう言うとリュートは半ば強引にアイカを連れて森に向かった。森に向かう途中でアイカを鑑定してみる。
名前 アイカ
年齢 10
性別 女
役職 【魔法使い】
レベル1
HP 20/20
MP 50/50
筋力 6
魔力 18
防御力 9
素早さ 5
パッシブスキル
【魔法習得】・・・魔法に関する理解を深めたり訓練することで魔法を習得できる。
【成長速度3倍(*条件つき)】・・・気になる異性や好きな異性とパーティーを組んでいるとき経験値が他人の3倍早く貯まる。
魔法
【ファイヤーボール】
驚いて「成長速度3倍?」とつい声に出してしまう。
「え、なんで…はっ!見たの?」
アイカが顔を赤くして尋ねる。
「便利なスキルだな、そういえばアイカは気になる異性とかいるのか?」
「はぐっ、さ、さあどうかしらね。そ、そう言えばパーティー組んでなかったわね。」
「そうだな、組むか。」
アイカの可愛い反応はスルーして手を握り「パーティー作成」と唱える。
これによって2人には24時間経つか半径300m以上離れるか、リーダーであるリュートが「パーティー解散」と唱えるか、メンバーであるアイカが「パーティー離脱」と唱えるまでは経験値が均等に分配される。
それから少し歩くと森が見えてきた。
「よし、この辺でいいかな、今日は10匹ずつグループを作っていくぞ。50匹は俺たちの護衛。他はここから半径500メートルの森の中を探索しろ。Eランク以下の魔物は1グループで倒してDランクは3グループで集まって倒せ。それ以外は退却だ。それではいけー!」
リュートがそう言うと【スライム合体】で1つになっていた約1000体のスライムがバラバラにばらけていき森の中へと向かっていく。その光景は圧巻であった。
テイマーとテイムした魔物は精神的な繋がりを持つため、本当は口に出さずに頭の中で命令してもいいのだが、かっこいいからあえて口に出してみた。
アイカは目が点になってしばらくポカーンと口を開けて突っ立っていた。