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スライムしかテイムできない男、スライム道を極め最強となる  作者: やまのうえのおくらん
第2章 楽しい?学園生活
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ニーネとの決闘

どんなに理不尽な要求であっても、貴族が決闘を一度受けてしまったのなら誇りと命をかけて戦わなくてはならない。


なんて言われていた時代もあったが、勇者でもある初代校長は「もっと命を大事にしろ!」と怒って、決闘で命をかけることを禁止する法を施行させたらしい。


そういうわけで、賭けるのは誇りのみであるが、ここでリュートがやっぱり決闘やめようなんて言い出したら、受験やSランク冒険者昇格試験で不正をしたと認めるようなものである。


それならその辺のグラウンドで決闘してさっさと終わらせようかと考えていたのだが、なんとさっき入学式にいた生徒達と教師達、さらには来賓の偉い人達までほぼ全員リュートの決闘に興味津々であり、校長がイベントなどで使われる小闘技場の使用を許可した。


こうして、リュート達の決闘は2000人ほどの観衆の前で行われることとなった。


「"イカサマ"を準備する時間をあげてもいいと言ったのに、すぐに決闘を始めていいと言ってくるなんて、その度胸だけは認めてあげるわ。」


薄桃色の髪を風に靡かせながら、エルフの少女ニーネは自信満々に言ってくる。


「魔弓術ってのがどんなもんか楽しみだったもんでね。使いもんにならないなら奴隷になった後どっかの変態貴族に売り渡さなきゃいけないし。」


言われっぱなしは嫌なのでそう返す。

もちろんリュートはそんなことするつもりはないし、奴隷にする気すらない。


「なっ!...ふっ、そんなこと言えるのも今のうちよ。あなたが泣いて学園から去っていくのが楽しみだわ。」


変態貴族と聞いて、背筋を震わせたニーネだったが、負けるわけないから大丈夫だと思い直す。


そんなニーネのステータスは



名前 ニーネ・シルファード


年齢 13


性別 女


役職 【魔弓使い】 


レベル 36


HP 700/700


MP 900/900


筋力 430


魔力 630


防御力 330


素早さ 420


スキル

【魔弓術 Lv3】・・・専用の武器から魔法で実態のない巨大な矢を放つ。


パッシブスキル

【魔法習得】


魔法

【ウインド】【フライ】【フレイムアロー】【アイスアロー】【ウインドアロー】【ウォーターアロー】



称号

【風精霊の加護】・・・風の精霊の加護を強く受けるもの。




(正直負ける気がしないんだよな…)


ニーネを鑑定しながらそう思っているリュートは、


名前 リュート・トヨトミ


年齢 13

性別 男


レベル 48


HP 1400/1400


MP 1500/1500


筋力 810


魔力 930


防御力 840


素早さ 960


テイム個体数 7020


〈以下省略〉


このステータス差がある上に、【マスターエナジー】でリュートのステータスは3倍になるので、正直楽勝である。

というわけでリュートは【スライムゴーレム化 Lv1】で作ったゴーレムの戦闘力を試すことにした。



(う、嘘でしょ。)


ニーネは驚きを露わにした。目の前にいるのはスライムで再現された牛頭人身の怪物、ミノタウルス。

その動きはぎこちないが一撃が重い。当たったらノックアウトだろう。


そして魔弓がほとんど効かない。効いたとしてもリュートのヒールですぐ直される。


リュート自身を狙って魔弓を放ってもゴーレムに邪魔されながら撃った矢など、基礎ステータスが高いリュートには軽くかわされてしまう。仮に当たったとしてもスライムの鎧が防ぐだけだろうが。

そして後ろで【マナヒーリング】を唱えているリュートのMPは尽きることがない。


だがこの時点ではニーネはそこまで慌てていなかった。


「思ってたよりはやるようね。でも私、【フライ】が使えるのよ。」


ニーネの体が空へと浮き上がる。


それを見た瞬間、リュートは【スライムゴーレム化 Lv1】を解いた。


(ふっ対空戦は想定してなかったのね。勝ったわ!)


そう思ってニーネはリュートに上空から集中して魔法の矢を降らせる。

リュートはそれをかわしながらゴーレムになっていたスライムを回収し、【スライム武器化】で弓矢を作り上空に向けて矢を放った。


「ふっ、弓の才能はないみたいね。」


リュートの打った矢は明後日の方向に飛んだかに見えた。


しかし、スライムの矢は形を変化させ、重心を変えることにより軌道を変え背中側からニーネを襲った。


「うそ…ぐっ」


ニーネが気配を感じて後ろを振り向いた瞬間にニーネの腹にスライムでできた矢がぶつかる。

刺さらないように先を丸めた矢を喰らったニーネは地上に落ちてきた。


スライムが落ちてきたニーネを受け止め巻きついて無力化させ、勝負は終わったかに思えたが。


「い、いやよ奴隷なんて…」


諦めの悪いニーネはスライムを体に巻きつけたまま再び空を飛んだ。


(困ったな、状態異常魔法は身につけている指輪のせいで効かないみたいだし…仕方ない、あれを使うか)


ニーネが状態異常を無効化する魔導具をつけていることを知っていたリュートは仕方なしにあのスキルを使った。



【スライム繊維溶解】



巻きついたスライムがニーネの服を溶かしていく。


「きゃっ!きゃあ!嫌っ!降参!降参よ!」


2000人ほどの観衆の前で、それも上空でセクシーな格好にされたニーネはすぐさま降参した。

この件をきっかけに多くの男子生徒はリュートのことを”真の勇者”と呼び、崇拝するようになった。


「ぐすっ、ぐすっ、もうお嫁にいけない…この鬼畜!」


奴隷になるという条件を忘れて泣きながらそう言うニーネ。


「奴隷の条件は無しにしてやるから、元気出せよ。な?」


流石に悪いことをしたと思ったリュートがそう言ったとき、


「それはできない。我がシルファード家の一員として決闘の条件をのまないなんて許されない。」


リュートの後ろから声がした。


「お、おばあ様?」


リュートの後ろに立っていたのは30歳くらいに見えるエルフの美女、校長であった。

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