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スライムしかテイムできない男、スライム道を極め最強となる  作者: やまのうえのおくらん
第2章 楽しい?学園生活
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入学式と初めてのボディーブロー

「ついにこの日が来たんだな。」


4の月の初め、校門から騎士校舎へと続く道をリュート、レイ、アイカ、メリル、テナ、ヘリウスの6人は期待に胸を躍らせながら歩いていた。道の両端にサクライチョウの薄桃色の綺麗な花が咲いている。


もともとこの世界に存在しなかったこの木は、約1500年に召喚された勇者が半生を費やして極めた創造魔法による最高傑作だという。


この木は春には薄桃色の綺麗な花を咲かせ、秋になると葉の形を扇型に変え美しい紅葉を見せる。


入学式は貴族科の講堂で行われるため、騎士校舎の前からゴーレムが引いている馬車で移動するのだが、貴族科の生徒はこの馬車を自分で所有していることが多い。

リュート達はメリルが所有している馬車で貴族科の講堂に向かった。

貴族科の講堂は特別科と貴族科の生徒以外は入学式と卒業式でしか入ることのできない特別な場所である。


「す、すごい…」


馬車から降りると初代校長が転生する前に見たイタリアのミラノにあるドゥオーモをイメージして外観を設計したと言われる巨大なゴシック建築がそびえ立っていた。

屋根の上にはたくさんの尖塔がありその上に国の英雄達の像が立ち並んでいて、中央にある最も大きな尖塔の上には太陽神と呼ばれるこの世界の神様の像が立っている。

リュート達はその美しさと迫力に思わず見入ってしまった。


中に入ると巨大な柱が立ち並ぶ広い一本道があった。道の両サイドには高さ5メートルほどもある巨大な絵がいくつか掛かっていた。

道は奥の方でいくつかに分かれており、全てが講堂への入り口へと繋がっていた。


(すごい!パリのオペラ座のようだわ!)


講堂に入ったレイはそう思った。

実際、金色に美しく装飾された講堂の中は初代校長がパリのオペラ座をイメージして設計したものだ。


リュート達は前から3列目に案内された。新入生では1番前の席である。


しばらくして入学式が始まった。

国のお偉いさん達が祝辞を述べていく。何人か王城で見た顔もあった。

大体の人の話の内容は似通ってて面白くなかったが、王国や学園の歴史について面白おかしく話すおじさんもいた。


国のお偉いさんの後は校長の挨拶だった。

エルフの30歳くらいに見える綺麗な女の人が壇上に上がってきた。リュートはエルフを見るとギルドの受付嬢のニーナを思い出す。

ニーナもだが、エルフという種族は美男美女が多いようだ。


今年は特別科が5人もいる異例な年、優秀な同級生と切磋琢磨して励んでほしい。みたいなことを言っていた。リュートは挨拶中に何度か校長の視線を感じた気がした。


校長の挨拶の後に生徒代表の言葉を言うため壇上に上がってきたのは、リュートの2つくらい隣に座っていた金髪碧眼の優しそうな女の子だった。


「あれが、聖女様か!」


「素敵な笑顔、癒されますわ。」


講堂の中が少しざわざわしていた。聖女様と呼ばれているその女の子は、にっこりと笑って話し始める。


「今回の魔王軍はいつも以上に手強いと言われております。今年、他の年より優秀な生徒が集まったのは、私たちで魔の手を打ち払えという太陽神のご意志だと感じております。

どうか皆様に太陽神のご加護があらんことを。」


多くの生徒はその言葉に拍手喝采していたが、レイは、


「私召喚のときに太陽神に会ったんだけど、美化されすぎだわ。若いイケメンの像をよく見るけど、実際はおじいさんだし。」


などと言っていた。


リュートとアイカは、聖女ってどっかで見た誰かに似てるな、などと別のことを考えていた。


ようやく式が終わるかというとき、サクライチョウの花のような薄桃色の髪をしたエルフの少女が壇上につかつかと上がってきて司会からマイクをひったくった。

皆が唖然とする中、少女が口を開く。


「私は魔法科のニーネ、誇り高きエルフとしてリュート・トヨトミの受験やSランク冒険者昇格試験でのイカサマを許しておけないわ。

リュート・トヨトミ!これから私と決闘なさい!負けたら全校生徒に謝罪して退学なさい!私が負けたら…そうね、あなたの奴隷にでもなってあげる!」


そう言って手袋を風魔法を使ってリュートの方へと飛ばしてきた。めちゃくちゃな言いがかりだ。


(見た目は子供っぽいのに胸が大きいな。エルフ全体の特徴ってわけじゃなさそうだけど…)


などと別のことを考えてたリュートは自分の名前が呼ばれたことに数秒遅れで気づき、焦ってつい目の前の手袋を拾ってしまった。


「あっ、拾っちゃダメなんだっけか。」


手袋を拾うことが決闘を受諾することだと気づいたときにはもう遅かった。

ホール中から歓声が上がる。


「そんなに巨乳の奴隷が欲しかったのかな?」


レイは以前スライムメイド事件があったこともあり、冷たい目をして聞いてきた。


「確かに巨乳の奴隷は欲しいけど、これは事故ぐはっ」


(痛い!ユキヒロさん、こんなボディーブローをいつも食らってるのか。さすが勇者だな。)


リュートが学園の男子生徒からの尊敬を集めるのは1時間後のことである。

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