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62話 ラウラ、真実を知る為に故郷へ帰って来たのです。俺、そんなラウラに付いていきます。


 その後、シャルと学園長に合流し、俺達は寮に帰還。

 【災禍の竜】(アスタロト)、及びアスタロト討伐の報告を終え、その日は解散。

 事後処理は学園長が全てやってくれるらしい。



 ──そして後日。



 俺達は最低一日の休みと、【災禍の竜】(アスタロト)と戦った者は二日の休みを貰った。

 そして、俺達は依頼達成の報酬+災害指定級を倒した報奨金を受け取った。


 だが──


「「「「……………………」」」」


 それを素直に喜ぶ事は出来なかった。


 何故なら──

 

「……お母さん」


 ミーシャさんと皇先生に、大きな損害を与えたから。


 皇先生はまだ良い。

 魔力欠乏症、とてつもない疲労、筋肉への過剰負荷と症状は酷いが、それらは全て時間経過で治るものだ。

 実は医療の知識を持つ咲の診断によれば、一月ほどで完治するそうだ。

 

 だが──


「ミーシャ殿は……」


 ──左腕の損失。


 綺麗な切断面ではあったが、腕の先は赤い話を燃やした皇先生の炎で焼かれてしまっている。

 再びくっつける事も出来ない。


 そしてミーシャさんの強みは、トラップを作って自分に有利な戦場で戦える点にある。

 義手を使い、罠を仕掛ける事は可能だが、これまでのような細かな動きは出来なくなるだろう。

 だが義手とはいえ、あるのと無いのとでは全く違う。

 結局ミーシャさん本人の希望もあり、義手を作る事に。


 そして──


「ミーシャさん。もし良ければ、私に義手を作らせてもらえませんか? 一月程掛かると思いますが……」


 その義手は咲が作る事になった。


 咲には何か考えがあるらしく──


「絶対に元の手通りに……いや、元の手以上の性能にしてみせる……!」


 と気合いを入れていた。

 医療の知識を持ち、あらゆる機械を作り出してきた咲の事だ。

 一流の義肢装具士に引けを取らない義手を作り出してくれるだろう。




 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 そして、この日の夕方頃──

 

「じゃあ行くか」

「はいなのです」


 俺とラウラは寮を出て、ゲートターミナルへと足を進めていた。

 目的地は北の竜界──ラウラの故郷。

 目的は当然、【災禍の竜】(アスタロト)の真実を知る為だ。


『つくエの三段目……引きダシ、そこニ、全ブ書いてル……』


 死に際のアルマさんは、確かにそう言った。

 それを、俺達は読みに行く。


 俺達は北の竜界へのゲートに足を踏み入れた。



 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 そうして北の竜界に来た訳だが──


「さぶぶぶぶぶぶぶぶのですすすすすすすすすす」


 如何せん、滅茶苦茶寒い。

 一応厚着に着替えてはいるが、ゲートターミナルのモニターを見る限り、今日のこの辺りの気温は-20℃だそうだ。

 空中都市で調べた時は-10℃のはずだったんだがな……


 ゲートターミナルからは歩いて一時間程度、それに道も整備されているとラウラから聞いていた為、本来は歩いて向かう予定だった。


 だが流石に限度がある。

 -10℃位なら耐えられるだろうと思ったが、10℃違うとここまで違うものなんだな……

 

 と言う訳で──


「暖かいのです〜」

 

 バスに乗って向かう事に。

 

 ちなみにこのバス、ラウラでさえこちらに来るまでバスがある事すら知らなかった。

 あとから調べてみた所、運営し始めたのは終戦後らしい。

 ラウラが知らなかったのも無理ない。


 ちなみに──


「人間さん? こんな所に珍しいわね。こんにちは」

「こんにちは」


 竜族は他種族に比べて、比較的人間への差別意識が小さい。

 というか竜族は全体的におおらかな性格が多い。

 竜族は長寿だからな。

 長い事生きていると怒りも湧かなくなってくるらしい。

 

 ……俺には分からんが。




 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 バスに揺られること数十分──


「さぶぶぶぶぶぶぶぶのですすすすすすすすすす」


 遂にラウラの故郷に辿り着いた。

 

「【保温(ウォーム)】……ふぅ」


 魔法で暖を確保するラウラ。


(……羨ましい)

 

 思っていると──


「【保温(ウォーム)】」

「……助かる」


 俺にも掛けてもらった。

 いくら十分な防寒をしているとはいえ、寒いものは寒い。


 バスで送ってもらったのは街の入り口まで。

 ラウラによれば、ここから家までは少し離れているらしい。

 二人で街を歩く事に。


「……六年前の面影は、もうほとんど無いのです」

「…………」


 ラウラのその呟きが、不思議と俺の中で印象に残った。


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