57話 私、世界を喚んで災厄を斬ります。
今回は訳あって少し少なめです。お許しください!
『et●h●●●o●!!』
「【旋空斬】」
私が【災禍の竜】の腕に刀を突き刺すと──
『u●●ya●!!』
突き刺した所を中心に、四本の線が【災禍の竜】の体中を迸る。
──まだだ。私は攻撃を緩めない。
そのまま背中、首元、手足、尻尾と、【災禍の竜】のあらゆる部位を突き刺していく。
その度に【災禍の竜】から血が吹き上がる。
特に私は左腕を多く狙い、ついにその腕を落とした。
だが途中から──
(……突然大人しくなったな)
どういう訳か、こいつはさっきから私へ攻撃してこない。
ただひたすらに私の攻撃を耐え続けていやがる。
(何が狙いだ……?)
警戒はするが、攻撃を止めればこいつは回復し始める。
私は攻撃を続け、【災禍の竜】の行動の意味を考える。
それから攻撃を加え続ける事数秒──
(こいつ……一体何をした……!?)
段々と私の攻撃が通らなくなってきた。
いや……攻撃が通らなくなったというより、無力化されていると言うべきか。
──私の斬撃が浅くなった?
いや、そんな事はない。
現に今、力の入り具合に問題は無いからな。
だとすれば──
(まさか……【災禍の竜】自身の再生力が上がったか?)
その考えに至った時、私は【災禍の竜】の策を察した。
こいつ……どうやら私と我慢比べをしたいらしい。
空狐の状態が長く保たない事を察したんだろうな。
持久戦に持ち込んで、私の魔力が尽きるまで再生し続けるつもりだろう。
なるほど……攻撃を止めたのはその為か。
攻撃用の魔力を回復に回し、自身の耐久力をひたすらに増加した訳だ。
かと言って私が攻撃を止めれば天霧兄達に目を向けるだろうし、何より私の空狐状態は長く保たない。
要は今、私はこいつの策に見事にハマった訳だ。
このクソトカゲめ。
頭が回るなら最初から言いやがれ。
だがまあ、お前は一つ勘違いしている。
──【旋空斬】以上の技が無いとでも思ったか?
私は【災禍の竜】から距離を取り、刀を地面に突き立て、世界を喚ぶ。
私が離れた事で攻撃が止み、傷付いた身体を一瞬で元に戻されるが、それで構わない。
「九山八海四天下日月──」
『刃刃刃刃刃刃刃刃』
私が攻撃しないと思ったのか、天霧兄達に赤い輪を飛ばす【災禍の竜】。
だがその輪は不可視の壁に阻まれ、消滅する。
──流石に世界は切れないよな。
「千集まって──」
おっと、赤い輪は私にも飛ばしていたらしい。
だが同じだ。
私に触れる前に不可視の壁に阻まれて消滅する。
一つの世界すら切れないお前が、千の世界を相手にどう立ち向かうのかね。
見せてみろよ。
「【小千世界】」
私はこの場に──
『●●●●●●●●●●●●!!!!』
千の世界を召喚した。





