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47話 私、お宝を探します。


 次の日の昼頃。

 ラウラを除く依頼のメンバーが、学園長の部屋に呼び出された。

 大方、あの話の続きだろう。

 学園長は重要な案件で部屋を開けているが、この部屋に俺達を呼んだのはミーシャさんだ。

 重要な話をしたいから部屋を貸してほしいと頼んだ所、あっさり快諾されたそうだ。

 確かに学園長の部屋は最上階にあり、生徒が訪れる事は滅多にないからな。

 で、学園長の部屋に来た訳だが──


「空中都市の代表の部屋とは思えないな……おぇ……」

「前に部屋片してって言ったのに! おまけに臭っ!」

「こういうのを混沌(カオス)って言うんでしょうか……」

「お兄ちゃん、私帰っていい?」

「……俺も帰りたいよ」


 床の色が見えない。

 床中に服や食べカスが散乱としており、とてもじゃないが踏める場所はない。

 おまけに物凄く生臭い。

 こんな部屋にいて学園長は大丈夫なのだろうか。

 というか、よくこの匂いが身体に付かないな。

 いつもの学園長は全く臭くない。

 シャル達とどうするか揉めていると──


「おや皆さん、もうお揃いで。許可は取ってありますので、どうぞ部屋にお入り…………おっとおっと」


 ミーシャさんが来た。

 だがミーシャさんも、学園長の部屋の有様をみて顔を(しか)めている。


「……部屋を変えましょうか。防音の魔法を掛ければ、それでも大丈夫でしょう」


 一行は俺の部屋に。


「ではでは【消音(ミュート)】♪」


 これら一定の範囲内で発された音が、外に全く聞こえなくなる便利な魔法だ。

 咲は歌うのが好きだからか、使う様を羨ましげに見ている。

 

「では話す前に、夜様のエロ本(お宝)探しと洒落込みましょうか♪ ベットの下は……ふむ、無いですね。やはり定番所には隠しませんか……」

「……何やってるんですか?」


 突然俺の部屋を探索し始めたミーシャさん。


「ミーシャさん……わざわざ他の人の部屋を見るのは良くないと思います」


 月夜も若干引いている。


「何を言っているのです月夜様! 殿方の部屋に来たらお宝を探す。これは古くからこの世界に伝わる伝統ですよ♪」

「そうなのですか!? 郷に入っては郷に従え。それなら私も──」


 疑いを持て皇月夜。

 結局ミーシャさん、シャル、月夜の三人に、俺の部屋を探索される羽目になった。

 俺と咲は顔を見合わせて苦笑い。




 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




「どこを探しても見当たらないのですが……」

「そもそも持ってないですから」

「!? 夜様! 貴方ホントに男ですか!?」


 何故怒られるんだろうか。

 それに今の時代、ネットで調べてばそんなものはすぐに出る。

 本として持っているのは一部の物好きだけだ。

 ……俺も男だからな。

 そういう物に興味がない訳じゃない。


「夜様が非常に残念な殿方という事が分かりましたよええそれはもう」

「勝手に探っておいて酷い言いようですね」

「まあそれは、この際置いておきましょう♪」


 置いておかれた。


「茶番はこの辺りにして、そろそろ本題に入りましょうか。えー、何処まで話したでしょうか?」

【災禍の竜】(アスタロト)が竜化した竜族をも上回る強さがあった云々って所だったはずです」

「ありがとうございます咲様。ではそこから──」

 

 そう言って、姿勢を整えるミーシャさん。

 雰囲気の変化を感じ、俺達も気持ちを切り替える。




 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 Anotherview:Missha Valentine




「………………いずれこういう日が来ると思っていたわ。戦争中だものね」


 竜族の部隊壊滅の報せと共に、アルマ様の家に旦那様の遺体が送られてきました。

 旦那様は竜界の防衛部隊長で、対【災禍の竜】(アスタロト)戦でも最前線に立ち、勇敢に戦ったそうです。

 遺体には腐敗した皮膚等、五種族同士の戦いでは付かないような傷痕が大量に残されていました。


 当時のアルマ様はそれでも、私達を元気付けようと笑顔を見せていました。

 ですが──


「うぅあぁぁぁ!!」


 その日の夜になると、アルマ様の泣き声が聞こえてきました。

 旦那様を相当愛していたのでしょうね。

 今のご時世、あそこまでパートナーの死に涙を流せる人は、いるようで中々いませんから。

 私が生前の旦那様に会う事はありませんでしたが、後からラウラ様に聞いた話によれば、真面目でありながら優しく、まさしく理想の父親だったそうです。


 その次の日の朝、アルマ様は北の竜界──故郷を離れ、南の竜界に向かう事を決意します。

 北の竜界は比較的平和な場所でしたが、【災禍の竜】(アスタロト)のせいで、その平和も失われてしまいました。

 南の竜界も他界からの侵攻を受けていましたが、それでもそちらの方が安全と判断したのでしょう。

 事実、南の竜界を通って来た私もそう思っていました。

 そうして、アージェント家は南の竜界へと移動することになりました。


 ──そこで事件が起きたのです。


最後までお読み頂きありがとうございます!

ここまで読んでくれている方はきっとブックマークしてくれていると思うので、是非感想頂けると嬉しいです!

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