41話 俺、実力を見せる為にあえて復活させます。
そして夜──依頼の時間になった。
今回は危険な可能性がある為、俺、ラウラ、シャル、月夜の四人でパーティーを組み、そこから更に特別な助っ人が来てくれるらしい。
集合場所に向かうと、その助っ人が手を振って待っていた。
俺達は走ってその人──エルフの女性に駆け寄る。
「夜様……でよろしかったでしょうか? 名前はマイルちゃんから伺っております」
「はい、間違いないです」
エルフさんは柔和な笑顔を浮かべている。
皇先生が言っていたように、性格に難ありの人には見えないんだがな……
「良かったです♪ そしてお久しぶりです、ラウラ様、シャル様、月夜様♪」
「お久しぶりなのです、ミーシャ殿! 元気にしてたですか?」
「ミーシャさん、相変わらずゴスロリ服なのね……」
どうやら三人は面識があるらしい。
シャルは学園長の娘、月夜は皇先生の娘だから分かるが、ラウラも会ったことがあるのか。
「ふふふ、これが私ですから♪ にしても三人共、お久しぶりです。身長も伸びて、だいぶ大人びましたね…………っと、自己紹介を忘れていました」
着ているゴスロリ服を整える女性。
歳は結構な筈だが妙に似合っているな……
「むむ……?」
「どうしたのです?」
「いえ、今ふと私の中に殺意が湧いたのですが……まあ気のせいですね♪」
……こういう時の女性って、なんで勘が鋭いんだろうな。
「私はミーシャ・ヴァレンタイン、しがない普通のエルフでございます。私の事はミーシャでも何でも、ご自由にお呼びくださいませ♪」
「その説明には無理があると思うわ……」
「私から説明するのです。ミーシャさんは【非常識】の二つ名を持つエルフ族。でも戦争中はエルフだけでなく、どこの種族にも加担する事なく各界を渡り歩き、戦争を終結させる為に行動した英雄なのです」
「そんなふうに呼ばれた事もありましたね♪ 楽しかったですねぇ、沢山遊べて♪」
何故だろう、普通の事を言っているはずなのに妙に寒気がする。
「では、早速行きましょう♪」
ともかく、俺達は街に入る。
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「さて、まずは皆さんの実力を見せてもらっても良いでしょうか?」
「分かりました」
と言う訳で俺はラウラと、シャルは月夜とコンビを組み、ドラゴンゾンビを倒す事になった。
「そうそう、出来れば蘇生後のドラゴンゾンビを相手にして見てください。通常状態では余裕でしょうからね」
「分かりました……っと、早速ですね」
「よく気付きましたね」
「気配察知は得意なので」
事前に【感覚拡張】を使っていたからな。
今の俺は音や気配に敏感になっている。
「じゃあ、先手は俺達が」
「ではお願いします♪」
ドラゴンゾンビはまだ俺達に気付いていないようだ。
なら──
「ラウラ、例のコンビネーションやるぞ」
「なのです!」
俺達は同時に地面を駆け、ドラゴンゾンビの体勢が整う前に攻撃を決める。
俺は刀でドラゴンゾンビの右脇を、ラウラは竜腕で左脇を攻撃。
だが、これはあくまで不意打ちの為。
すかさず切り返して、今度こそドラゴンゾンビに致命傷を与える。
「g…………」
「ここまでは何度もやったからな」
「もう身体に染み付いたのです」
本来は燃焼玉を投げ入れて燃やす所だが、今回は指示通り蘇生を待つ。
やがて──
「gryaaaaaaa!」
ドラゴンゾンビの緑色の体表が茶色に変化し、白目を剥いたまま襲ってきた。
「よっと」
繰り出される爪を刀で受け流す。
強化ドラゴンゾンビの攻撃を完全に受けるのは難しいが、受け流すのはそう難しくない。
「ラウラ!」
「なのです!」
すかさずラウラと位置を交代。
その後、俺はドラゴンゾンビの後ろ側に回り込む。
「【竜装:蒼玉】」
ラウラの体表に現れる蒼く輝く鱗。
その鱗は強化ドラゴンゾンビの攻撃を軽く弾く。
そのスキに──
「【強化:腕力】でりゃーなのです!」
心臓部に竜腕の一撃が入る。
「gru……!?」
大きなダメージと共に、後方に吹き飛ばされるドラゴンゾンビ。
だがそこには──
「ふっ!」
回り込んだ俺がいる。
背後からドラゴンゾンビの心臓部目掛けて全力の突き出し。
だが、背中に生えた鱗がそれを邪魔する。
「らぁぁぁ!!!」
それがどうした、天之叢雲が折れる事は無い。
なら、強引に押し入れるだけだ。
「g……!?」
やがて刀は鱗を突き破り、強引にドラゴンゾンビの体内に侵入した。
「お見事です♪」
完全な急所に入った一撃は、ドラゴンゾンビを倒すのには十分だった。
ドラゴンゾンビは地に伏した。
「なんとか勝てたな」
「です!」
ともかく無傷で快勝だ。
「お疲れ様です。じゃあ、次のドラゴンゾンビはシャル様と月夜様にお願いしますね♪」
「分かりました!」
俺達は次のドラゴンゾンビを見つける為、再び街を歩き始めた。
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