40話 俺、依頼が達成されてなかったので、再び夜戦に向かいます。
とうとう40話!
オマケに10000pv突破です!
ありがとうございます!
「……眩しい」
『まものずかん』を見続けていたら、どうやらそのまま寝てしまったらしい。
まあ、学園が無い今日なら寝坊しても大丈夫だがな。
依頼遂行後の翌日は、学園側から休みを取るように言われる。
この休みは振り替え休日と同じ扱いになる。ホワイトな学園だ。
ただ入学から半年後にはこの休みもなくなる。
学園長曰く──
「実戦じゃ何が起こるか分からないし、休まず戦い続けるのが実戦により近くはあるけど、それで倒れちゃったら話にならないからね。まずは実戦慣れして、その後に体力を養っていけば良いと思うよ!」
だそうだ。
まあ、そういう訳で今日は一日休み。
今日は誰か誘ってメインストリートにでも行ってみるか。いや、学園の図書館で本を読み耽るか?
どちらにせよ、取り敢えず朝の鍛錬に行こう。
歯磨きや顔洗いを済ませ、木刀を持って庭に出る。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
鍛錬を済ませ寮に入ると──
「お、どこ行ってたんだ天霧兄! ちょっと来い!」
「皇先生? あ、そういえば……」
今日は依頼報酬の受け渡しの日だったな。
すっかり忘れていた。
「お前どこ行ってたんだ?」
「ちょっと朝の鍛錬に」
「おお、お疲れさん。それでなんだが、な……」
と前置きして話し始める先生。
その表情には困惑が見て取れる。
「昨日の夜、街にドラゴンゾンビが確認された。数も減ってなさそうだ」
「……マジですか」
「マジだな」
ブラッドドラゴンゾンビはいなかった様だが、だとしたら何処からドラゴンゾンビが出てきたのだろうか。
「魔洞の探索は続けているが未だに見当たっていない。また何処かにあのデカブツがいる可能性は否定できないが、あそこまで図体がでかけりゃ簡単に見つかるだろうしな。その可能性は低いだろ」
「それで、俺達はそれらの探索に協力する形に?」
「そうなる。空中都市は今回の件を早急に片付けたいらしい。夜には精鋭が集まって、ドラゴンゾンビの掃討、大量発生の原因について調べる予定だ」
当然だろう。
空中都市は平和の象徴、そんな場所に魔物が出現しては色々と問題になる。
「だが、それでもどうしても人手が足らんのでな。協力を仰ぎたい」
「他の三人がどうするかは分かりませんが、俺は構いません。それと──」
「ん、なんだ? 大体の条件はのむつもりだぞ」
「今回の大量発生の原因解明に協力できそうな人を知ってるので、その人に協力を頼んでも良いかなと。彼女は一人で行動すると思いますが」
「もちろん構わないが……生徒か?」
「はい」
「なら無理だ、生徒を危険に晒すような真似は出来ない」
「いえ、彼女は現場には行きません」
「ならどうやって協力するんだ?」
「室内から、ですかね?」
「……なるほど、天霧妹か」
流石皇先生だ。
「ええ、咲なら機械を使って様々な調査を行ってくれると思います。危険もないでしょうし一人でも問題ないかと」
ちなみに、咲の事を天霧妹と呼ぶ皇先生だが、俺と咲との間柄をバラした訳ではない。
俺と咲を見て『お前等兄妹っぽいんだよ』とか言ってそう呼んでいるだけだ。
……呼ばれる度にヒヤヒヤするんだけどな。
「もし協力が得られそうなら、後で私に言いに来てくれ。確かに天霧妹の力は是非とも借りたい所だな。しっかり報酬も払う事を言っておいてくれよ?」
「分かりました」
あっさり快諾された。
「話を戻すが、今夜の捜索は一番の精鋭をお前達に付ける予定だ。本来は私かマイルが付く予定だったんだが、マイルは空中都市の重要な別件が、私は集めた精鋭達のまとめをしなくちゃならなくてな。とてつもなく変な奴だが……まあ信頼の置ける私やマイルの友人だ。何かあったら遠慮なくそいつに頼れ」
「は、はぁ」
皇先生は溜息をついて『あんな性格だが腕は立つんだよな……』と言っていた。
よっぽど強烈な性格らしい。
「他の三人には私から言っておく。済まないが、今回もよろしく頼む」
「分かりました、咲の報告はまた後で」
「ああ、頼むぞ」
そう言って、皇先生は管理人室に入っていった。
「咲に頼みに行くか」
そうして咲の部屋を訪れて要件を話すと、迷わず快諾してくれた。
何でも機械の新機能を試したかったらしく、丁度いい機会だったらしい。
……洒落じゃないぞ?
その後、咲が協力してくれる事を皇先生に話し、自室に入った。
俺は鍛錬後の汗を流し、それからドラゴンゾンビの事を調べる。
そこで一つ、気になる記事を見つけた。
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『竜界を襲った悲劇【災禍の竜】』
二十年続いた戦争の十八年目に竜界で起きた事件。
大量のドラゴンゾンビ、エースドラゴンゾンビ、ブラッドドラゴンゾンビが竜界に現れた事件。
その主犯は【災禍の竜】と呼ばれる指定災害級の魔物とされた巨大な竜。
眷属として生み出したドラゴンゾンビと共に竜界を暴れ、数多くの街や竜族を破壊した。
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「……まさかな」
【災害の竜】は全長30mを超える超巨大な身体を持っている。
流石に空中都市で隠れるには無理があり過ぎるからな。
確実に無いと言い切れる、が──
「不思議と気になるんだよな」
どうしても、今回の事件と何か関係がある気がしてならなかった。
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