39話 『まものずかん』
学園長の後を追うように寮に入ると──
「でねでね!」
「なるほど、確かに……」
「リンネ、咲」
「お、夜だ! 聞いたよ、依頼お疲れ様!」
リンネと咲がノートパソコンを使いながら、何やら談笑していた。
「何の話をしてたんだ?」
「ちょっと機械達についてね。リンネさんって発想が普通の人の斜め上だから、新しい子達を作る為の発想に繋がるかなーって」
「確かにリンネの発想力は凄いよな」
この前の戦闘訓練で俺と対戦していた時、踏み込みに合わせて俺に速度強化の魔法を使ってきた。
そのせいで間合いが崩れて攻撃を外し、スキだらけになった俺に横薙ぎに剣を振るわれて試合終了だ。
強化魔法は自分や味方に掛けるもの。という潜在意識を見事に利用されてしまった。
他に色々とあるが、常人には考え付かないようなことを平気でやってのけるのがリンネだ。
そりゃ発想力もあるだろう。
ちなみに、リンネは魔法を使える事を隠していない。
「魔法が使えるのに使わないなんて勿体無い!」
だそうだ。
各界から目を付けられるだろうし、隠しておいた方が良いのでは? とも思ったが──
「気持ちは分かるけど大丈夫だよ!」
と学園長に言われてしまった。
具体的な対策案は聞けなかったが、学園長は何かしらリンネの事を知っている様子だし、リンネにとっても悪いようにはならないだろう。
「対魔物ならこっちの方が……」
「ふむふむ……」
二人の邪魔をするつもりはない。
俺はその場を後にし、自室に戻る事にした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「さてと」
自室に戻り、俺はここ最近開いていなかったタブレット端末を開く。
最近では空中にスクリーンを映し出すものもあるようだが、俺にはちょっと古いタブレットで十分だ。
咲も最新型の電子端末は使わない。
確かに動作は早いが壊れる可能性があるそうだ。
メモリが多くて安定している何世代か前のノートパソコンの方が良いらしい。
俺は調べものと電話位しか使わないからな。
無駄に高いものを使う必要は無い。
検索欄に『まものずかん』と入れて検索にかける。
『まものずかん』は確認された全ての魔物の詳細が載っているサイトだ。
魔物強さランキングという需要があるのか分からない項目もあるが、普通に魔物を調べる分には使いやすいサイトだ。
サイト内検索で『ブラッドドラゴンゾンビ』と入れ、出てきた項目にクリック。
すると──
「これだな」
ブラッドドラゴンゾンビについての詳細が書かれていた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
No.1641(S級No.26) ブラッドドラゴンゾンビ
竜種 屍霊種
耐久力 92/100
攻撃力 82/100
速度 57/100
知力 5/100
殲滅力 28/100
攻撃手段
・切り裂き
・噛み付き
・強酸のブレス
特殊能力
・核を壊されるまで自動回復
・物理耐性(中)
・魔法耐性(強)
・眷属召喚(No.1639 ドラゴンゾンビ)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
この詳細に添付されていた画像は、まさしく皇先生が戦っていたあの生物だ。
魔法を使ったりといった絡めてはなく、物理攻撃と酸のブレスしか攻撃手段は持ち合わせていないらしい。
「実際に相対した時に対処出来るかは、また別問題だが」
とはいえ、知識を付けておいて損はない。
ついでにドラゴンゾンビも検索する。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
No.1639(B級No.286) ドラゴンゾンビ
竜種 屍霊種
耐久力 32(56)/100
攻撃力 33(58)/100
速さ 16(28)/100
知力 2(0)/100
殲滅力 10(19)/100
(蘇生後のステータス()内記載)
攻撃手段
・切り裂き
・噛み付き
特殊能力
・強化蘇生(炎魔法でとどめを刺せば発動回避可能)
・魔法耐性(強)
・(物理耐性(中))
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
……中々面白いなこれ。
実際に相対した時のためにもなるし、もう少し見てみようか。
それからというもの、俺はいろんな魔物達を調べまくった。
ゲームの攻略サイトみたいですね。
ちなみにブラッドドラゴンゾンビの最強ランキングは86位、ドラゴンゾンビは1223位です。
そしてレビューを頂きました!
するめいかさんありがとうございます!





