38話 俺、依頼が終わったのでゆっくりします。
「先生、やっぱり凄かったんですね……S級の魔物を相手に単独で挑んで無傷なんて」
「まあ慣れればこんなもんだ。神域の効果で弱くなってるし、実力的にはA級程度だろ」
「それでも凄いのです。ブラッドドラゴンゾンビをああも簡単に……」
「そうだアージェント、核の情報よく知ってたな? あのデカブツの事知ってたのか?」
「ほ、本で知ったのです」
「何にせよ助かった、礼を言う。……って、お前大丈夫か!?」
「へ? ……何がです?」
「顔真っ青だぞ」
確かにラウラの顔は血の気が感じられなかった。どうしたんだ?
「何でもないのです、大丈夫なのです」
「そうか……? まあとにかく、S級の魔物が現れたってことは、ドラゴンゾンビ達は魔洞による出現じゃなく、あいつの眷属として出てきたんだろうな」
「だとしたら……これで依頼達成ですか?」
「念の為確認はするが、おそらくな。何もなかったら明後日の朝には報酬が渡せるはずだ」
「でもボスはお母さんが倒したのに……報酬貰っていいの?」
「あいつはまあイレギュラーだろ。朝になると魔物が何処かに消えるとはいえ、S級ともなれば胴体が馬鹿でかいからな。教師陣で十分に下調べした訳だし、普通は見つかってると思うが、今回は偶々見つからなかったんだ。だから魔洞の存在を疑ったわけだ。S級の魔物の存在が確認されていれば生徒に依頼は出さない。今回の依頼を出す側──教師側のリサーチ不足だ。寧ろこちらが謝るべきだ、すまんな。お前達は依頼の内容を十分にこなしてくれたし、報酬は弾むから許してくれ」
そういえば、皇先生が街にいた理由は俺達の安全確保の為だそうだ。勿論、先生もドラゴンゾンビを想定していた訳だが、たとえ普通のドラゴンゾンビでも危険は付き纏う。
その為に街に来ていたらしいが、偶然先生がブラッドドラゴンゾンビを見つけて……と言う事らしい。
先生が来ていなかったら危なかったな。俺達じゃ協力してもブラッドドラゴンゾンビを倒せるか怪しい所だ。
それにしても──
「皇先生って二刀流なんですね」
「格好いいだろ?」
「ま、まあ」
俺も男だし、そういうものに憧れる気持ちある。が、実戦ではまた別の話だ。
俺も二刀流を試した事はあるが、片手で獲物を振るうのは難しく、一刀流と勝手が全然違う。安易に二刀流をして単純に攻撃力二倍という訳にはいかないものだ。
「ま、確かに見た目は格好良いし一応二口帯刀しちゃいるが、基本的には一刀流だ。そっちの方が実戦的で扱いやすいからな。だが今回はあの再生速度を上回る速度で切り続けなきゃいけなかった。珍しく実戦的に二刀流が使える機会だったからな。練習しておいて良かったぜ」
との事だ。やはり実戦的に使うには厳しそうだな。
「さ、着いたぜ。依頼は終わったが、今日の学校は休みで良いそうだ。存分に身体を休めろよ」
「疲れたのです……」
皇先生と色々話しているうちに寮に着いた。
今日はドラゴンゾンビを掃討しまくって疲れた。
俺は軽く食事を摂って風呂に浸かった後、休息を取るため就寝した。
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「……16:00か、だいぶ寝たな」
確かベットに入ったのが7:00位だったはずだ。自分では気にならなかったが、相当疲れたんだろうな。
だが起きて鍛錬が習慣になっている為、何もしないというのもむず痒い。
「少し動かすか」
やっぱり身体を動かしたい。俺は木刀を持って、いつもの鍛錬をする事にした。
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「ふぅ……」
日課の鍛錬を終え一息ついていると──
「君はもう少し休んだ方が良いと思うよ?」
「学園長」
敷地内の森から出てきた学園長が、苦笑いを浮かべて俺を見ている。
「輝夜ちゃんから聞いてるよ、依頼ご苦労さま。まだ疲れてるだろうし無理はしないようにね?」
「分かりました。もう日課分は終わらせたのでこの後はゆっくりしてます」
スポーツドリンクを渡してくる学園長。
「貰って良いんですか?」
「いいのいいの!」
そう言うと、一足先に学園長は寮の中に入っていった。
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