37話 私、巨大な竜が汚いので斬って斬って斬りまくります。
※今回グロテスクな表現が大量発生しています。お気を付け下さい。
そこには──
「aaaaaaaaaa」
「弱くなっているとはいえど、流石にS級は面倒くせぇな」
頭部を半分喪失して赤黒い血を撒き散らし、それでも動き続けるドラゴンゾンビらしき竜の姿と、それに相対する無傷の皇先生の姿があった。『らしき』というのも、通常のドラゴンゾンビの鱗は緑色、復活後も茶色なのだが、この竜は何故か赤い。それだけではなく、ただでさえ大きい普通のドラゴンゾンビの倍近くものサイズがある。
「ブラッドドラゴンゾンビ、S級の魔物なのです……!」
「知ってるのか?」
どうやら、ラウラはあの竜の正体を知っているらしい。だが知っているラウラでさえも動揺している。それもそうだろう。たとえドラゴンゾンビと言えど、頭部を半分も喪失したら蘇生するか死に至る。動き続けるなんてことはまず無い。
「もう同種の魔物じゃないな……」
「お母さん!」
「月夜っ!?」
皇先生は俺達を一瞥し、すぐにあの赤い竜に相対する。
「ま、これも良い機会か。流石にこいつを生徒に任せるわけには行かないが──」
そして、皇先生は笑いながらこう言った。
「お前らに、魔物との戦い方を見せてやる」
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AnotherView:Kaguya Sumeragi
さっきからこのデカブツと殺り合ってるが、こいつ、パワーはあれどスピードは蘇生後のドラゴンゾンビと同じくらいしかない。
そんでスキを見て頭を切り裂いてやったんだが、どういう訳か動いてやがる。しかも、何だか治ってきてねぇか? 何なんだこいつは。
「aaaaaaaaaa」
「汚ぇなぁおい!」
デカブツの口が開いて、ボタボタと紫色の液体が落ちてくる。しかもその液体が地面に落ちたら、シュゥ……とか言って溶け始める。
そして──
「aaaaaaaaaa」
毒々しい紫色のブレスを吐いてくる。どうせ酸だろ? ほぉら地面が溶け始めてやがる。
誰がそんな汚えもん食らってやるか。デカブツの背後に回り込んだ私は──
「汚物が、とっとと死ね!」
両手に持った刀を、デカブツの背中にぶっ刺す。体表は硬いが、それ以上にこの刀は丈夫だ。私がぶっ刺せばその鱗も貫き通す。
だがそれだけじゃこいつが死なないのは分かってる。だから──
「【紅蓮花】」
斬撃によって出来た身体の穴の中に、炎の華を咲かせてやる。魔法が効きにくい? それがどうした。こいつの許容量以上の魔力をぶっ放せばいいだけだ。
華は轟音を発して爆発し、上半身の一部が肉片となって辺りに飛び散る。きったね。
「これで終わりだな」
「まだ……まだなのです! ブラッドドラゴンゾンビは身体の中に核を持っているのです。それを破壊しない限り、何度でも復活するのです!」
「マジかよ!?」
アージェントはデカブツの事を知っているらしいな。確かに肉片が元の場所に集まって来てやがる。
「核は何処にある? ぶっ壊すにはどうすりゃいい!?」
私にはこいつと戦った事も、知識もない。ここは素直に知識を持ったやつに頼るべきだ。
「壊すにはある程度の衝撃を与えれば良いのです! でも核は身体の中を巡って動いているのです」
当たったら即死の酸ブレスに、核さえ壊れなければ無限の再生力。魔法が効きづらいから広範囲攻撃で一気に核を壊す事もできない。そりゃSランクにもなるわ。
とんでもなく高威力な魔法をぶっ放すか、広範囲を一気に攻撃出来る物理攻撃か、再生速度を上回る速度で攻撃する。この三つの他に、こいつを単独で倒す方法は無いだろうぜ。
この三つの中で、私がとれる方法は一つ。
「【無限地獄】」
ただ斬る、ひたすら斬る、死ぬまで斬る。
「aaaaaaaaaaa」
そんな私に振り下ろされる竜の爪。それを見て、私は爪が繋がっている腕ごと切り落とす。次の攻撃が来るまでに、私は百の斬撃を入れる。飛び散る肉の速度は修復速度を軽く上回り、その体積を着着と減らしていく。
斬る、斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る!!!!
「a……」
声帯を切り落としたのか、もう声も出ない。
斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る斬る!!!!!!!!
やがて──
「らぁっ!」
核と思わしき赤黒い球体が出てきた。それを迷わずぶった斬ると──
「ふぅ……」
飛び散った肉片共が動きを止めた。これで終いみたいだな。
「これ使うと筋肉痛になるから嫌なんだよなぁ」
強化魔法を使って、そこから更に限界を超えた速度で無理に身体を動かすもんだから、確実に筋肉痛になる。その日はマイルに言って有給とろ。
「お母さん! 大丈夫、怪我無い?」
「おう、当然だ。私は無傷だぜ」
今の戦闘について生徒達と話しながら、私は寮への帰路についた。
Kaguya'sView end
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