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36話 俺、咲から燃焼玉を借りて正解です。


「何とか片付いたな」


 無事に強化蘇生後のドラゴンゾンビを倒した俺達は、各自の視点で今の戦闘を振り返る。


「【神域(サンクチュアリ)】の弱体化効果があってこれですか……しかもこれでB級の魔物。他の場所で戦っていたらどれだけ強いのでしょうね?」


 空中都市に張り巡らされた【神域(サンクチュアリ)】には環境の安定の他に、魔物の弱体化や魔物避けの効果がある。


「ホントにな。戦争での被害の一番の原因が他種族の攻撃じゃなく、魔物の襲撃だったのも頷ける」


 人間界には魔素が充満していない為、魔洞が唐突に現れる事はなく、魔物の襲撃もほとんど無かった。

 だが他界──特に竜界は相当悩まされていたらしいく、他種族戦争中にA級やS級だけでなく指定災害級の魔物まで現れ、竜族に大打撃を与えたと聞いたことがある。


「それにしても、蘇生後はかなり強くなっていたわね。蘇生前は大した事なかったし、炎攻撃を使ってとっとと倒してしまうのがベストね」

「蘇生前の状態なら、二人でも余裕を持って戦えていたしな。安全面の確保が出来たとなると、魔洞を見つける為にも二手に分かれて探索をした方が早いだろう」

「二手に分かれるとしたら、炎攻撃の使い手は分けないといけませんね」

「でも……」


 炎攻撃が出来るのはシャルとラウラ。

 だが翼の存在を秘匿している為、シャルは魔法が使えない事になっている。

 そしてラウラに関しては竜族だ。魔臓に溜まった魔力も多くない為、炎魔法を連発するのは厳しい。

 炎魔法の他に竜族特有のブレスでも炎攻撃が可能だが、そちらは竜化を経ねばならず、炎魔法を使うよりも効率が悪い。

 その上、ドラゴンゾンビは魔法が効きにくいという特徴を持つ。効率以上に、ラウラの魔力で放たれた炎魔法がそもそもダメージになるのかすら怪しい所だ。


 と、二人共事情があって、炎攻撃をメインに使うのは厳しい。

 勿論、これは依頼を受ける前に学園長にも言われていた事だ。

 そこで──


「こいつを持ってきた」

「これはなんなのです?」

「咲曰く燃焼玉(ねんしょうだま)だそうだ。今回は街への被害を出さないように火力が低いのを持ってきている」


 燃焼玉は直径3cm程の玉で、強い衝撃を与えると唐突に燃える。ただ投げてぶつければ燃える為、誰でも簡単に扱う事ができるのも特徴だ。

 落としただけでも燃えてしまうので注意が必要だが、今回の依頼にあたって咲に用意してもらった。

 三人に燃焼玉をいくつか渡し、使い方や注意点を教え、早速二人組に分かれる。


「夜殿、よろしくなのです!」

「ああ、よろしくなラウラ」

「じゃあ、早速二手に分かれて行動しましょうか」


 俺はラウラとコンビを組む事になった。

 シャル達と分かれ、暫く歩いていると──


「いたのです……!」


 早速ドラゴンゾンビを見つけ、慌てて物陰に隠れる。向こうがこちらに気づいた様子は無さそうだ。


「さて……」


 ラウラと簡単に打ち合わせをし──


「行くのです!」


 ラウラと同時に地を駆ける。


「……gya!?」


 俺達に気付き、急いで体勢を整えるドラゴンゾンビ。だが──


「フッ!」

「遅いのです!」


 ドラゴンゾンビの体勢が整う前に、ラウラと先制攻撃を決める。俺の刀はドラゴンゾンビの右脇を、ラウラは竜腕で左脇を切り裂き、紫色の血を飛び散らせる。

 だがまだ致命傷にはなっていない。

 俺はすかさず切り返して、スキだらけのドラゴンゾンビに致命傷を与える。


「gyaaa!」


 叫ぶドラゴンゾンビ。このまま放っておけば強化蘇生して面倒になる。

 だから──


「これでも食らえなのです!」


 ラウラは燃焼玉を投げつけ、とどめを刺す。


「g……gg……」


 ドラゴンゾンビは炎を身に纏ったまま死に絶えた。

 ふぅ……上手く行ったな。


「打ち合わせ通りにいったのです!」

「そうみたいだな」


 最初の不意打ちから最後の焼却まで、全てこちらの手筈通りにいった。

 

「この調子でどんどん倒していこう」


 それからも俺達は街を巡り、ドラゴンゾンビを見つけては駆除していった。




 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




「お疲れ様でーす!」

「お疲れ様なのです! 月夜殿、シャル殿!」


 現在時刻は5:00。

 朝日が登ってきたのを確認し、俺達は合流する。


「じゃあ、帰りましょうか」


 5:30には帰るようにと学園長に言われているからな。

 そうして、俺達は談笑しながら寮への道を歩いていた。

 が──


「……お母さん?」


 建物の間から、皇先生が何かと戦っている様子が見えた。

 幸い、まだ門限までの時間はある。

 少し気になり、俺達は皇先生の元に向かった。

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