34話 俺、寮の依頼版に赤色の依頼が出たので受けてみようと思います。
リンネに学園と寮内を案内して数日。
彼女はこの学校で交友関係を広げ、学園に馴染んでいった。
人間だから偏見の目もあっただろうに……とんでもないコミュニケーション能力だ。
学園長達からはリンネがトラブルに巻き込まれそうになったら助けるように言われていたが、全くの杞憂だったな。
ちなみに、リンネは剣を用いたオーソドックスな剣士タイプだ。
一緒に落ちていた剣に見覚えが無かったリンネだったが、いざ使ってみると──
「この剣、すごく手に馴染むかも。長年使い続けたような……」
と言って、すぐに使いこなしていた。
倒れていた時そばに落ちていたし、まあ何か関係があるんだろう。
リンネの剣は風を纏っており、使い手の全身に風を纏わせて動きを加速したりも出来るらしい。
午後の授業で三回程手合わせしたが、そのあまりの攻撃速度に反撃するスキが無かった。
今の所、三回中三回俺の全敗である。
同じクラスでリンネと同レベルなのは、レイとシャル位なものだ。
ちなみにエイルとも何度か戦っていたが、それに関してはエイルの全勝だ。
エイルの強さはもう学生の範疇を超えている。
学生で唯一対抗出来るとなればリンカだが、残念ながらクラスが違う為、その試合を見る機会はそうなさそうだ。
そんなこんなでリンネは自然と周りに溶け込み、俺達も変わらず生活を送っていた。
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今日は偶然タイミングがあったラウラと一緒に、寮まで帰ってきた。
二人で帰ってくると、寮内の依頼盤に高難易度を示す赤色の紙で記された依頼が貼り出されていた。人も結構集まっている。
今の所、赤紙の依頼はリンカが早急に片付けてしまった一件のみだ。
「珍しい……見てみるのです!」
「どんな依頼だろうな?」
俺達も依頼の概要を確認する。
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依頼内容:空中都市の市街地区、深夜〜日が昇るまでの時間帯に大量発生するドラゴンゾンビを掃討してほしい
達成条件:ドラゴンゾンビの魔洞の特定(可能であれば除去)
依頼場所:空中都市市街地区
人数指定:4〜 基本偶数人。
その他、備考:深夜帯にのみドラゴンゾンビが現れる為、期間達成までの間、学園は出席扱いになる。高難易度の為、二人組のコンビ複数組んで行動するように
依頼難易度:推定8
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魔洞──それは魔素の塊であり、魔素が目に見える形となって現れたものだ。
魔洞は同種の魔物を大量に生み出してしまう厄介なもので、破壊するには強力な魔法をぶつけて、魔素を相殺させるしかない。
魔物の大量発生の原因は二つ考えられる。
一つ目は魔洞による発生。
そして二つ目は、Sランク以上の魔物の眷属として召喚される場合だ。
だが二つ目に関しては、今回の場合ありえない。
空中都市にはほとんど人の手が入っており、そんな魔物がいれば誰かがすぐに気付く。
それから考えても、今回の大量発生については魔洞の影響という可能性が高い。
魔洞の影響であれば、魔法が使えない俺では戦力になり辛い。
──が、今回の依頼に限ってはそうではない。
確かに魔洞の破壊には魔法が使えなければ話にならないが、今回の討伐対象であるドラゴンゾンビは、魔法がほとんど効かないという特徴がある。
更に指定人数も多いし、コンビを組むのを推奨されている。
ドラゴンゾンビの掃討だけをとれば、俺も普通に活躍出来るだろう。
魔洞の破壊はコンビの相手に任せればいい。適材適所ってやつだ。
「俺は依頼を受けようと思うが、ラウラはどうす……ラウラ?」
「ドラゴン、ゾンビ……」
隣にいたラウラを見ると、プルプルと震えている。
直後──
「!?」
俺は思わずその場を飛び退る。
ラウラから、途轍もない濃度の殺気を感じたからだ。
殺される事は無いだろうが、あまりの殺気にとっさに身体が動いてしまう。
周りも何人かは動いていた。
「……はっ!?」
どうやら自分でも殺気を出した事に気付いてなかったらしく、その殺気はどんどん収縮していく。
「ご、ごめんなさいなのです……」
そうして、いつものラウラに戻った。
何だったんだ?
「それで、ラウラはどうする?」
「依頼を受けるつもりなのです。夜殿、よろしくお願いするのです!」
結局、依頼を受けたのは俺、ラウラ、シャル、月夜の四人で、かなり物理攻撃に偏ったメンバーが集まった。
それに、どうやら今回の依頼は少し特殊なものらしい。
依頼の詳しい話を聞く為に、後日、俺達は四人で依頼主である学園長の部屋に向かった。
依頼の難易度
赤紙(10〜8.0)→黄紙(7.9〜6.0)→青紙(5.9〜4.0)→緑紙(3.9〜2.0)→普通紙(1.9〜0)





