24話 俺、対戦相手との相性が悪すぎて攻撃が通りません。
※諸事情により、一部設定を変更しました。
①炎帝→光帝
第二試合のお相手は──
「竜族か、つくづく運が悪い」
──【竜族】
五種族の中で最も数が少ない種族であり、他の種族より寿命が長い事で有名だ。
他にも成長が15歳前後で止まる等、他種族にはない特徴が多くあるが、竜族と呼ばれる一番の所以は【竜化】という能力にある。
これは身体一部、又は全身を竜に変化させる竜族の奥義だ。
この竜化だが、とても使い勝手がいい。
竜化にはいくつかの段階が存在し、魔力の消費量次第で段階を簡単に調整する事ができる。
体の表面に竜の鱗を発現させて防御力を上げる【竜装】、腕を竜に変え、攻撃力を上げる【竜腕】等、何より手札が多く、状況変化による苦手が少ない。
完全な竜化を経れば、魔力を使わない単純な属性攻撃である【ブレス】を使う事も可能だ。
俺が竜族と戦うのを嫌がっているのは、この【竜装】が原因だ。
竜装──竜族の鱗はあらゆる衝撃を逃しやすく、決定打に掛ける俺とは相性が悪い。
短期決戦なら5種族最強の種族である事は間違いない。
だが、竜化前は魔法が使えること以外、人間とそう変わらない。
ただ、竜族はそこまで魔力が多い訳ではない。
魔力を竜化によって消費させ、持久戦に持ち込むのが竜族との基本的な戦い方だ。
そして、今回の相手はその竜族。
「貴方がラウラの対戦相手さんなのです? ラウラはラウラ・アージェント。よろしくなのです!」
「俺は天霧夜、こちらこそよろしく」
ラウラの容姿は小柄で、それが相まって、子供が背伸びしているみたいで非常に可愛らしい。
だが、その凛々しい雰囲気は先程のガイアと似たものを感じる。
油断はできないな。
「始めっ!」
合図と同時に──
「【感覚拡張】」
これで敵の攻撃パターンを見切る事から始める。
ガイアとの試合では【集眼】を使うタイミングが早すぎたからな。
相手は竜族だし、持久戦に持ち込むのが定石。
勝負を急ぐ必要は無い。
「【竜装・蒼玉】」
ラウラの身体が蒼い鱗で包まれる。
攻撃は通しませんと言わんばかりに光る竜装だが、関節部は鱗で包みきれないようだ。
そこだけは地肌が出ている。
「お兄さんの第一試合見ていたのです。油断はしないのです!【強化:腕力、脚力、竜装】……先手必勝で行くのです!」
魔法による強化を施し、俺に迫るラウラ。
竜装も魔法で強化出来るのか……
得物を隠しているときに見られる特徴的な凹凸も無いし、武器は素手と見て良さそうだ。
そうか、竜族は武器を使うより自身の竜腕やブレスの方が強力だし、武器を使う必要が無いのか。
──それなら、もしかしたら……試してみるか。
「でりゃー! なのです!」
とてつもない衝撃が込められているであろう突進を横に回避──
「それは読んでるのです!」
「なっ!?」
したが、前方向に向かっていたラウラの突進の勢いが、唐突に横方向──俺のいる方向へと変わる。
しかも前より加速して。
もう避けるのは無理だ。
やむを得ず刀を抜き、【流墜】でラウラを叩き落とす。
が──
「【竜腕】、なのです!」
腕を竜に変え、片腕を下から上に振り上げる。
【流墜】による下方向への力とぶつかり合い、火花が散る。
「らァァァァァァ!」
「なのです!?」
その力のぶつかり合いに勝ったのは俺の【流墜】。
下から上への衝撃を、上から下へと書き換え、ラウラの拳を地面へと叩きつける。
が──
「なら、こうです!」
もう片方の手を地面に付け、逆立ち状態から俺に蹴りを入れてくる。
【流墜】によって空きだらけの俺に、その蹴りを避ける手段はない。
「ぐぅっ!?」
顎を蹴り上げられ、身体が宙を舞う。
とてつもない衝撃が俺の体を走り抜けるが、上手く着地に成功。
刀も離していない。
なかなかあの技を試せないな。
大胆なようでスキがなさすぎる。
「ラウラのアッパーを叩き落とされたのは始めてなのです。さっきの戦いといい、お兄さん本当に人間です?」
竜化した腕を戻すラウラ。
「見ての通り普通の人間だ。さ、次は俺から行く!」
「どこからでも来るのです!」
今度はこちらから攻める。
最後まで読んでくれてありがとうなのです!
竜族の竜装に関してなのですが、火の魔法が得意だと赤色(紅玉)、風の魔法が得意だと緑色(翠玉)という感じで、得意な魔法の属性によって色が変わるのです!
竜装と同じ属性の攻撃は、どんなに強くてもノーダメージなのです!(ラウラ)





