13話 私、再会した母さまに思いをぶつけます。僕、娘が成長していてすごく嬉しいです。
「みんな、こんばんわー! シャルの母親のマイル・アストリアだよん! よろしくぅ!」
「母さま、その挨拶はどうなの……」
昔から母さまはこんな感じだったけど、今もそのままっぽいわね。
いつもの母さまを見てると、とても最強の魔族、【光帝】のマイルとは思えない。
それに、母さまが私の母親だと聞くと、みんな決まって同じ反応を返す。
「「「「…………」」」」
「…………お母さん?」
最初に口を開いたのは、孤児院の最年長で魔族のファナ。
「そうだよーん、驚いた?」
「は、母ですか? それにしては……」
「母親にしては若すぎだって? にゃははは! もう、口が上手だなぁ〜もっと言え!」
「いえ、若いのはたしかにそうですが、てっきりシャルママの妹さんかと」
「妹? 妹は駄目。姉が良い!」
「いつもそこに拘るのはどうしてなの……」
と、毎回こんなふうに間違われる母さま。
なにせ見た目が滅茶苦茶若い……訂正、幼い。
「魔族、ですよね? ある程度の年齢に達した際に身体の成長が止まる竜族やエルフならともかく……」
「ボクは魔族と竜族のハーフなんだよ!」
そう、母さまは長い寿命を持つ竜族と魔族のハーフで、とっくに1000歳を超えている。
ちなみに、私は竜族と魔族の血が3対1の割合で血が入ったクオーターになる。
竜族の血が薄いせいで竜族特有のある能力が使えないけど、その分、魔法を使うのに適した身体になっている。
「なるほど……失礼かもしれませんが、今の年齢をお聞きしても?」
「1600ちょっとかな?」
「…………予想以上でした」
「そんな歳とってたっけ?」
「そうだよ〜? もうババアだよババア」
竜族の血を継いでいたにしても、母さまの見た目は幼い。
何でも成長が止まるのが早かったらしい。
まあ本人は──
『可愛いボクっ娘ロリババアって萌えない? 尊くない?』
とか言ってたし、特に気にしてないどころか、寧ろそれを楽しんでいるようにも見える。
ともかく、母さまの乱入で途切れていた食事を再開して、食後に母さまと話をする為に、みんなの世話をファナに任せて私の部屋に向かった。
──色々と話したい事もあるしね。
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「早速だけどシャル、本当にシャルだよね? 夢じゃない? 私の娘? パンツの色は白だよね?」
「夢じゃないわよ」
私は母さまの頬に手を伸ばして──むにょーんと伸ばしてみた。
柔らかい。
……何故か彼の事を思い出した。
ところで何で私のパンツの色知ってるのよ……
「いはい、|ゆへはふぁふぁっふぁ!《夢じゃなかった》!」
「本当に久しぶりね母さま。私はテレビで見てたから、母さまの近況もなんとなく察せるけど」
「にゃはは……ん、テレビ?」
母さまは五界戦争中、魔族軍のトップとして魔族を支え続けていた。
基本的には裏方で味方の指揮をしていたけれど、時には戦場に一人の兵士として現れ、敵を蹂躙して回っていた。
自身の戦闘能力と戦況を見通す眼を持ち合わせた母さまがいなければ、魔族の被害はもっと大きくなっていた事は考えるまでもない。
──だからこそ、敵軍からはそれ相応の恨みを買っていた。
平和条約が結ばれた今でさえ、人間界のテレビでは、母さまを叩く声が大きい。
『最強の魔族【光帝】マイル。自分の殺戮を棚に上げて平和条約を結ぶ』
とテロップが流れていた事を思い出す。
自分達だって他種族を殺しておいて何を言っているんだか。
「テレビって事はシャル、もしかして人間界にいたの?」
魔界にテレビは無い。
回線がどうのこうので映らないと聞いたけど、詳しい事はよく分からない。
「ええ、霊装神殿襲撃作戦事は当然知ってるわよね。じゃあその後から、えっと」
人間界にいた頃の事を、母さまに話す。
私の翼の事、天霧家の事、紗綾の事、今に至るまでの事を全部。
「シャルぅぅぅ……!」
「わっ、ちょ!」
話が終わると同時に私に抱きついてくる母さま。
──そのまま3分経過。
「母さま、流石にもう離れて。苦しい」
「分かった、超久しぶりにシャルパワー充電出来たし離れるね」
そうして私に回していた腕を離して──
「おっぱいもみもみ」
私の胸を揉み始めた。
「うおう! シャル成長したね!」
「ふんっ!(腹パン)」
「ぐぼぇ」
変わって無いようで何よりだわ!(イライラ)
「そんな事より、母さまはどうしてここに?」
「何年も行方不明の娘がいるって聞いて、飛んでこない親は親失格だね」
さっきとはうって変わって、真剣な表情の母さま。
「ごめんなさい」
「ホントに心配したよ、ホントに良かった……!」
涙ぐみながら私に笑顔を向ける母さま。
ふざけているようでホントは優しい母さまが、私はなんだかんだ好きみたい。
さっきはみんながいたから出来なかったけど、今ならやっちゃっていいよね?
「母さまぁぁぁっ!」
「……ごふっ!?」
母さまに突っ込んだ私は、寂しさやら悲しみやらでよく分からなくなったこの気持ちを、涙と共に吐き出した。
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「落ち着いた?」
「うん。ありがと母さま」
「どーいたしまーして」
母さまから離れる。
燻っていた気持ちを吐き出せて、物凄くスッキリした。
「それで、本題なんだけどね」
「うん?」
「また、一緒に暮らさない?」
「あぁー……私もそうしたいけど、でもそれは出来ない。私の私情でみんなを見捨てるなんてしたくないわ」
「要はあの子達と一緒に暮らせれば良いわけだよね?」
「え、ええ。まあ本質はそうだけど……」
母さまはニヤリと笑って──
「私やあの子達と一緒に、空の上に行ってみない?」
「空の、上?」
そう言って、何か書かれた紙を私に渡してくる。
内容は──
「これ、本当……!? もう完成してるの!?」
「勿論! どう? 僕すごいっしょ!?」
「ええ……ええ! ちょっとみんなにも言ってくるわ!」
私は母さまがくれた紙を片手に、皆のもとに走り出す。
「にゃはは! シャルが【空中都市計画】を気に入ってくれてよかった。ボクが頑張った甲斐があったね!」
優しい笑みを浮かべたまま、マイルは先を走るシャルを追い掛けた。
最強ボクっ娘ロリババア……う〜ん、良い響き!
最後まで読んでくれてありがとね〜!
そういえばブックマーク忘れてない? ブックマークの数分私の年齢が減るから、沢山ブックマークしてね!
え、一回しか出来ないの?(マイル)





