表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
22/27

19 未来への案内状

やりたいことは、最初から決まっている人ばかりじゃない。 分からないなら、見てみればいい。 触れてみればいい。 一歩踏み出した先で、初めて見つかるものもあるのだから。

―世界を旅する少女の物語―

街を歩きながら、イリスはさっき言われたことを思い出していた。

――イリスがやりたいことを見つけてほしい。

ノエルの言葉は、今も胸の中に残っている。

自分の人生。やりたいこと。

考えても、まだ答えは見つからない。

だからこそ、まずはいろいろなものを見てみよう。

そんなことを考えながら歩いていると、広場の掲示板の前に人が集まっているのが目に入った。

「……?」

何かあったのだろうか。

少し気になり、人だかりの間から掲示板を覗き込む。

そこには1枚の大きなポスターが貼られていた。

『職業体験ツアー参加者募集!初心者大歓迎!一週間で様々な職業を体験!商人、ものづくり、料理人、司書、農家、研究者、冒険者。自分に合う仕事を見つけてみませんか?参加希望者は商業ギルドまで。』

イリスは思わず足を止める。

「職業体験……。」

イリスはその場でしばらくポスターを見つめていた。

この職業体験は、やりたいことを見つけるきっかけになるかもしれない。

けれど、1人で決めてしまっていいのだろうか。

イリスはもう1度ポスターへ目を向ける。

開催は3日後。まだ時間はある。

「……ノエルに相談してみましょう。」

そう呟き、ライラへの帰り道を歩き始めた。


「ただいま戻りました。」

「おかえり。早かったね。」

アトリエからノエルの声が聞こえる。工具を片手に魔道具を組み立てているようだった。

イリスはアトリエへ向かう。

「ノエル。」

「ん?」

「少し相談してもいいですか?」

「もちろん。」

ノエルは工具を置き、イリスの方へ向き直る。

イリスは街で見つけた職業体験ツアーのことを話した。

1週間かけて様々な職業を体験できること。3日後から始まること。そして、自分も参加してみたいこと。

話を聞き終えたノエルは、少しだけ笑った。

「いいじゃん。」

「え……?」

「さっきも言ったでしょ。いろんなものを見て、知って。その中で自分のやりたいことを見つければいいって。」

「はい。」

「この職業体験は、その第一歩になると思うよ。」

イリスは少しだけ俯く。

「でも……私なんかが参加しても大丈夫でしょうか。」

「大丈夫。初心者向けなんでしょ?」

「そう書いてありました。」

「だったら気にすることないよ。」

ノエルは微笑む。

「分からないから体験するんだ。」

その言葉を聞いて、イリスの胸の中の迷いが少しずつ消えていく。

「……参加してみたいです。」

「うん。行っておいで。」

ノエルは嬉しそうに頷いた。

その一言が、イリスの背中を押してくれた。


イリスは商業ギルドへと向かった。商業ギルドへ来るのは初めてだったが、大通り沿いに建っていたため迷うことはなかった。

「職業体験ツアーの受付はこちらです。」

受付の女性が笑顔で迎える。

「参加したいのですが……。」

「ありがとうございます。それでは、こちらに必要事項の記入をお願いします。」

女性は一枚の用紙を取り出した。

イリスは言われたとおり記入し、提出した。

「こちらが参加証になります。当日はこちらをお持ちください。」

「ありがとうございます。」

イリスは渡された参加証を受け取った。

開催まで、あと三日。

参加証を見つめながら、小さく息を吐く。

不安はある。

けれど、それ以上に楽しみだった。

自分のやりたいことを見つけるための、一歩が始まろうとしていた。

「職業は転生です!」第19話を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。毎週日曜日20時頃に更新しているので、また読んでいただけると嬉しいです。Xでも作品の告知などをしているので、もしよければフォローお願いします。

https://x.com/yoizuki_nvl

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ