〈第30話〉『自分を裏切るな!』〈後編〉
闘技場・武舞台―――ティファ・エルザ側
エルザと入り口で合流し闘技場内に入ると、すでにサポーター席にドーラとアメリアの姿があった。
「すまん、待たせた待たせた」
2人に手を振りながらうちとエルザはサポーター席に近づいていく。
今か今かと待っていた様子のドーラは腕組みをしたままこちらへ向き直り、アメリアはうちとエルザの姿を見て小さく会釈をしてきた。
「遅いわよ。もうクラウス様とレオス先輩は武舞台の上なんだから。……エルザ、大丈夫?」
時間に遅れたことを咎めつつも、ドーラはうちから視線を移し、隣に居る朝食を抜いて精神統一をしていたエルザの表情を覗き込むように心配した。
「大丈夫よ。アナタそんなに心配性だったっけ?」
いつになく心配してくるドーラに対し、エルザはどこか呆れたように肩をすくめる。
「心配もするわよ! だって対戦相手はあの……っ」
ドーラはそこまで言いかけて言葉を呑み込み、武舞台の上へ視線を向けた。
うちとエルザもつられてその視線を追い、武舞台へと目をやる。
「エルザ、そろそろ行くぞ。先輩達が待っちょる」
「えぇ……」
うちとエルザは「行ってくる」とだけ短く残し2人と別れ、数段ある階段を踏みしめながら上り切り武舞台の上で待ち構えているクラウスとレオスの元へ向かう。
「おいおい、遅刻じゃねぇのか1年生共。時間にルーズなのは周りの心象悪いぜ」
ようやく現れた対戦相手のうちとエルザを交互に見て、レオスは軽口をたたく。
「うちは闘技場の入り口にはいました~。ギリギリに来て結果遅れてしもぅたんはコイツのせいです」
と、隣に居るエルザを指差し、自分は時間通りに着いていたと主張する。
「……ちょっと、ティファ! そんなこと言うなら先に入っていればよかったじゃない!責任転嫁しないでよ!」
エルザは顔を真っ赤にして言い返すが、うちはどこ吹く風で「だって事実じゃしな〜」と悪びれもせず口笛を吹きそうな勢いだ。
「なんですって!」
(……。あれがレオス先輩の”本当の得物”……か。成程、やっぱりあのくらいのモノの方がレオス先輩のあのスタイルにしっくりくる)
横でぎゃあぎゃあと喚くエルザと軽口を叩き合い呑気さを演じつつ、1年剣術科に出向している間にレオスの立ち姿と構えから本当は大剣を使っているのではないかと予想はしていた。
だが、実際目にする大剣は木製ではあるものの、刀身は身の丈程あり剣の幅も広く、いくら筋力があったとしても、ここまでの大剣を実戦で振り回せるものだろうかと、レオスがこの大剣を振り回すイメージを一瞬で思い浮かべる。
勝ち筋を見出そうと、表の緩い顔の裏側で、うちの思考は高速で回っていた。
「【決闘】前から仲良くじゃれ合うとか、俺達2人を前にして随分と余裕じゃねぇの、それとよぉ……」
そこでレオスが目を瞑り言葉を一旦区切る。
「俺とクラウスはテメェ等に今でも待たされてんだ。舐められてるとは思っちゃいねぇが……。そろそろ空気変えな。テメェ等の目の前に居るのは3年最強タッグだ!」
先程までの軽薄さが嘘のように、レオスの放つ威圧感と見開かれた眼光が鋭く研ぎ澄まされ、うちとエルザを射抜いた。
「「――っ……!」」
その言葉の威圧感と眼光の圧力で、冗談めかしていたはずの空気が瞬時に凍り付き、うちとエルザは一瞬吞まれかけた。
「……」
(3年剣術科首席……か。やっぱり、ただ軽薄な先輩じゃないのぅ)
レオスのプレッシャーで冷や汗が一筋背中を伝い落ち、うちとエルザから先程までの緩みが消えた。
「……レオスの言う通りだな。覚悟ができているなら、これ以上の無駄な時間稼ぎはやめろ。教官から【決闘クリスタル】を受け取りに行くぞ」
今まで静観していたクラウスが、ようやく口を開き先頭を歩き、審判であるオーガストと3年魔術科教官の元へ歩み寄る。
うちとエルザ、レオスもクラウスの後に続く。
「教官。揃いました」
オーガスト達もうち等のやり取りを遠目で見ていたようで、「やっと終わったか」と言わんばかりに肩をすくめた。
「それでは、【決闘クリスタル】を。異例の【2組決闘】ではあるがルールは通常と変わらず単純。【決闘クリスタル】が破壊された者の負けとなる。いいな?」
うち達は無言で頷き、オーガストの手から【決闘クリスタル】を受け取る。
「1つ確認を」
うちは【決闘クリスタル】を首にかけながら、そう切り出しクラウスに視線を向ける。
「……なんだ?」
クラウスは身長の低いうちを見下し、質問をしてくる。
「うち等が勝ったら本当に追放は撤回してもらえるんですね?」
「……。二言はない。但しお前達が”勝てれば”の話だ。負ければ追放も変わりない」
クラウスは冷酷に返答し、うちに向けていた視線をエルザに向け直す。
クラウスの視線を感じたエルザは、一瞬肩をビクッと震わせるが頭を振り、凛とした意思の宿った視線を返す。
クラウスは踵を返し、相方のレオスを置いて先に自身の立ち位置へと向かっていった。
「さて、んじゃ俺も行くぜ。【決闘】前に握手でもしとくか?」
そう小首を傾げレオスがうちの方に右手を差し出してくる。
「なんの握手ですか?今更よろしくでもないでしょう」
「ん?いんや?最後の”サヨナラ”の握手かもしれんぜ?」
レオスはいつもの軽薄な笑みを浮かべ、うちは手を取ろうとしたが、その言葉が煽りと感じレオスの手を跳ねのけ「全力で勝ちに行きます!」と宣言した。
レオスに背を向けうちも自身の立ち位置へ向かい、その後ろをエルザが付いてくる。
ティファとエルザの背中を見送り、レオスは大剣を軽々と背負いクラウスの目の前まで歩いていく。
「【2組決闘】と言っても連携をする必要もないだろうし、剣術科は剣術科同士でやらさせてもらうぜ」
クラウスは何も言わず、その眼光はすでに、立ち向かってくる妹、エルザへと向けられていた。
「……勝手にしろ。”万が一”アッシュフィールドに敗けたとしても尻ぬぐいはしてやる」
相変わらずのそっけなさにレオスは「へっ、言ってくれるねぇ」と親しげに笑い返し、クラウスの胸を握り拳で軽く小突く。
「まぁ、お互い1年相手に不覚を取るなんてことはねぇだろうしな」
クラウスにそう言い残し、レオスはティファと対峙する位置へと向かう。
「ティファ、一つ忠告をしておくわ」
一方ティファの背中を追いかけているエルザが声をかけ、その声を聴いたティファは後ろのエルザへと向き直る。
「忠告?」
向き直ったティファは小首をかしげ忠告の内容を聞く。
「以前言ったわよね?お兄様は現在”剣聖”に一番近い……と」
「あぁ、そういえば言っちょったな」
ティファはクラウスの名を出され、すでに対面の100m先の位置に立っているクラウスに一瞬視線を向けた。
「それがどうした?」
今更になって”剣聖”という称号に気後れしたのかと思いつつもエルザの次の言葉を待つ。
「……ええ。お兄様は遠距離からの魔術爆撃だけじゃなく、接近戦でも隙がない。どころか、杖と剣を織り交ぜた独自の近接戦闘術も駆使してくると思うわ。だから間合いを詰めても、油断しないで」
「ふむ……」
忠告を聞いたティファは、再度クラウスに視線を向け、確かに両手杖と右の腰に木剣が収まっていることを視認する。
「忠告、感謝するわエル。じゃが、とりあえずのうちの相手はレオス先輩じゃ。うちがレオス先輩を倒すまで踏ん張れよ」
「ふ、ふん!アンタの助けがなくても大丈夫よ!」
そこまで話すと、お互いに相対する3年生の前に立つ。
だが、この時のエルザの心中に、僅かながらの不安の火が灯り始めていた。
うち等4人が各自の位置に立ったことを確認したオーガストが、武舞台中央に歩み出て右手を大きく上段に挙げる。
「それでは、両者構え!」
武舞台中に響く声で号令を飛ばしその声で、うち等は各々構えを取る。
「――【2組決闘】……始め!」
オーガストの右手が振り下ろされた瞬間、緊張の糸がはじけ飛び、【決闘】の火蓋が切って落とされた。
オーガストの開始の合図がされたと同時に、うちは一瞬視線だけエルザの方へ向け様子を窺う。
エルザは両手杖を片手で取り回し、光球を7つ発生させ杖を振りかざし、標的であるクラウス目掛け攻撃を開始していた。
その姿を見て”大丈夫そうだ”と判断したうちは、一気に魔力を脚に流し込み加速の準備をする。
「【紫電】……【韋駄天】!」
武舞台の硬質な石畳に爆発的な踏み込みで亀裂が入り、周囲の景色を置き去りにして正面のレオスに向かって超加速した。
稲妻の如き速度で間合いを潰し、レオスの懐深くへと侵入する。
「先手必勝ぉ!」
剣の間合いに入ったレオスに向け、右手の木剣を上段に構え、狙うは首から下げられている【決闘クリスタル】。
その一点目がけて思いっきり剣を振り下ろした。
ガンッ――!!
「――ッ!」
(受け止められた……!?あんな大剣でなんちゅう反応速度しちょるんじゃ!)
視界が追い付かないはずの初動に対し、レオスは体に染みついた本能だけで反応し、大剣の幅広な刀身を盾のように素早く滑り込ませ、うちの初撃を受け止めた。
手応えはまるで分厚い鉄板を叩いたかのように重く、うちの剣とレオスの大剣がぶつかり合った衝撃波が武舞台上に吹き荒れ、その威力が剣を通じて腕に跳ね返ってくる。
自身の最高速からの正面から一撃を防がれた衝撃と、木剣を握った右手が強烈な痺れで感覚を失いかける絶望感に、一瞬息が止まる。
「……っ、ハハ、マジ……ですか」
喉の奥で小さく掠れた声が漏れ出ると同時に、脳内の警報が全力で退避を告げていた。
「その『独自創造魔戦技』。間近で見るのは初めてだったが。いやぁ、思ったより速いねぇ……」
レオスがニヤリと不敵に笑うと同時に、うちは一歩後方へ下がる。
うちのその動作を見逃さず、レオスはその巨躯からと大剣の大きさからは想像もつかない滑らかな動作で横に構え咆哮を挙げながら、空気を力任せに引き裂く暴風のような横一文字の剣撃をうち目がけて放ってきた。
直撃すれば一発で吹っ飛ばされ、下手をすれば衝撃で【決闘クリスタル】が破壊されてしまうと思考した。
うちは瞬時に身体を低く沈めてバックステップで剣撃を躱しレオスとの間合いを取った。
大剣が巻き起こした猛烈な風圧が髪を大きく揺らす中、ちらりと視界の端にエルザの戦況が映り込む。
(――っ!エルの攻撃が緩んで……防戦一方になりかけちょる!?)
【決闘】開始直後こそ同等に魔法を撃ち合っていたように見えたが、エルザの攻撃の手数が減り、クラウスが攻勢の状況になりかけていた。
「エルっ!!」
数十m離れたエルザから空気越しに焦燥と戦慄が伝わってくる。
「余所見……してんじゃねぇ!!」
その声にうちは守勢になっているエルザから視線をレオスに戻すと、バックステップで距離を離したうちに追いついている。
そして、着地した瞬間の頭上から大剣が振り下ろされていた。
「ちぃっ!」
うちは石畳を蹴りバク転で回避した。
振り下ろされた大剣は空を切り、切っ先が石畳へと突き刺さる。
「エル!今そっちに!」
うちはエルザの元へ向かうべく脚に魔力を流し込む。
「【紫電】……。――っ!」
「どこ行こうってんだ!お前の相手は俺だろうがっ!!」
レオスの怒号と共に右から左へと振りぬかれる追撃の横薙ぎが迫ってくる。
うちは【韋駄天】の発動を止め、両手の木剣をバツの字に構え、追撃を防ぐが受け止めた剣圧で後方へ吹き飛ばされてしまった。
「くっ……そ!だああぁぁ!!」
うちは右手の木剣を石畳に突き立て、両足に力を入れ体勢が崩れないように踏ん張る。
「ハァっ!ハァっ!……っ!」
(分かってはおったが、なんちゅう馬鹿力!こんなもの何度も受けてはおれんぞ!)
受け止めた両手に、初撃の時とは違う純粋なレオスの剣の重さが遅れて伝わり、木剣を握る指先までビリビリと痺れが走る。
レオスの剣撃を受けた時の、両手へのダメージも気になるが、うちは次のレオスの一手を警戒しつつ横目でエルザの様子を窺う。
攻撃に転ずる際に発生する光球がエルザの周囲になく、完全に防戦一方になり膝をついて【魔法防盾】を展開し、あとは魔法を打ち込めば完封まで時間の問題という状況になっていた。
「え、エル!」
(助けに行きたい!でも……)
うちとの焦りの思いとは裏腹に、それを許さないレオスの容赦ない追撃・攻撃が気になってしまう。
「すぅ~、ハァ~っ!【紫電】……」
「お前の相手は俺だと!何度言ったらわかるっ!!」
うちは覚悟を決め、脚に魔力を流し込み再び【韋駄天】を発動の準備をする。
レオスが逃すまいと大剣を上段に構える。
「【韋駄天】!!」
爆風のような風切り音を残し、うちは再び稲妻と化して地を跳んだ。
うちは振り上げられ次の振り下ろす動作までの隙を突き、レオスの上段から振り下ろされる大剣を後方へ置き去りにしてエルザの元へと疾走する。
レオスの大剣は捉えた相手を見失い空を切るだけになってしまった。
エルザとクラウスの間に割って入りうちは、視線だけエルザへ向け状況を確認する。
「ハァ……ハァ……」
エルザの呼吸が荒くなっている。
ただのこれは魔力切れなどからくるものでないと判断したうちは、クラウスへと向き直り、エルザを打ち取るために放たれた複数の【炎球】の弾幕に目を向ける。
(【紫電】【高速二刀】【迅雷】【漣】で防いでもええが!それじゃったら後ろのエルザに被弾する可能性が!)
【高速二刀】【迅雷】【漣】は自身への弾幕攻撃には防御能力として最大限発揮できるが、他者を守る際の無傷の防御能力はほぼ皆無とうちは見ていた。
「【魔法防盾】!!」
うちは右手を掲げ【魔法防盾】を後方の自信とエルザを一緒に包み込むように展開する。
「っく!」
(【炎球】なのに一発一発の威力がエルザより強い!)
【魔法防盾】を展開した直後、クラウスの放った数段の【炎球】が半透明の障壁へと着弾する。
レオスはエルザとの間に割って入ったうちの姿を確認するかのように、攻撃の手を止め爆煙が収まるまで掲げていた手を降ろし様子を窺う。
攻撃が緩んだ(止まった)ことを確認し後方のエルザへと向き直る。
「エル!おい、エル!しっかりしろ!!」
うちは両手の木剣を床に置き、エルザの両肩に手を添え、正気を戻させるべく肩を揺さぶる。
「て、ティファ……。ごめん、ごめんなさい!やっぱ…り私にお兄様を超えることは……できない……!」
「――っ!!!」
エルザが涙を流し兄を超えられないと、立ちふさがる壁の高さ、恐怖心・威圧感を涙声で話してくる。
――パァンっ!!
乾いた平手打ちの音が、武舞台の上に鋭く響き渡った。
唐突に左頬叩かれ、顔を横に背けたエルザは、頰に走る熱と痛みに目を丸くし、呆然とティファを見つめ返す。
「ふざ…けるな……。ふざけるな!」
この場において弱音を吐くエルザに、うちは静かに肩を震わす。
「この土壇場で!何を弱気になっとるんじゃ!」
うちの声には、先程までの余裕や焦りではなく、腹の底から絞り出すような強い怒りと熱が宿っていた。
「ティ……ファ。でも私、私は……!」
うちは泣き崩れかけたエルザを抱きしめる。
「わかっちょる!お前が抱えちょる恐怖も、越えようとしちょる壁の高さも全部!でも、お前はここまで自分が”敗ける”覚悟をしてきたんか!?違うじゃろ!!」
うちは抓むようにエルザの背を強く抱きしめ続け、うちは耳元で自身の思いを叩きつける。
「 ここで諦めたら!これまで積み重ねてきた努力も、お前自身が紡いできた強さも、全部自分で否定することになるんじゃぞ! 」
「っ……あ……」
そこまで言われたエルザは、何かお思い出すそぶりを見せる。
「積み上げてきた努力はお前を裏切らない!だから、ここまで努力してきた『自分を裏切るな!』努力してきた自分を信じろ!」
その言葉にうちが知るはずもないエルザの母、イリーナが語った言葉に類似した発言に、エルザはハッとして、かつて母に言われた掛け替えのない言葉を思い出す。
「それに、お前の後ろにはうちが居るんじゃ!弱気にならんと思いっきり突っ込め!!」
エルザはうちの言葉を聞いた瞬間、俯いてしまう。
「おい!エ……」
――パァンっ!!
「……。ん?」
うちは唐突に右頬に走る痛みと、強制的に視界が左へ変わることに疑問を抱く。
「――っ!!痛っいのよこの馬鹿!何度も何度も私の頬を叩いて!お母様にもお父様にも引っ叩かれたことないのに!!」
エルザの言葉を聞き、うちはやっと自分の置かれた状況を理解する。
「あぁ!!引っ叩いたのはこれが初めてじゃろが!」
思いがけない反撃にうちは頭に血が上り反論を述べる。
「初めて!?初めてじゃないでしょうが!!アナタに引っ叩かれたのはこれで2回目よ!1回の仕返しで終わらせてあげてる私に感謝しなさいよ!この剣術馬鹿!」
「な、なんじゃとぉ!!!」
「おいおい。まぁた乳繰り合いが始まってんじゃんかよ。いいのか?」
レオスはティファへの追撃を【韋駄天】で避けられ、お互いを助け合うティファとエルザの姿を見て、クラウスに歩み寄ってまた時間の無駄・時間稼ぎではないかと、クラウスに意見を求める。
「……。少し待て」
クラウスは自分同様、これを機として攻めるのではなく、対戦相手の様子を窺いながら近寄ってきたレオスに「今は手を出すな」と言わんばかりの手ぶりを示す。
「っふ。そこまで威勢があるなら、大丈夫じゃな!?」
エルザの反論・反撃を目の当たりにして、うちは大丈夫だと判断する。
「元々アナタに心配されることじゃないわよ!そんなことより、早くレオス先輩を倒してこっちのサポートに回りなさい!!」
エルザは強がりながら、うちがレオスを打ち負かせると信じて立ち上がる。
うちは離れる間際、「負けるな!」とエルザの頭を一撫でし、元の立ち位置へと戻る。
「お?終わったか?全くよぉ、遅刻したり【決闘】を途中で止めたり肝の据わった1年生共だな」
「……」
軽口を言うレオスに無言で返す。
「度々すいません」
うちは剣を構えつつ対面のレオスに謝罪をする。
「いんや?うちの大将は気にしてないみたいだから別にいいんじゃね?だが……」
そこまで言ってレオスの眼光が鋭くなり。うちへと向けられる・
「はい……。ここからは先輩との真剣な一騎打ちとさせてもらいます!!」
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