表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
沙羅夢幻想 — 影と祈りの境界で —  作者: 梨藍
地上編 第十一章【偽られた真実】
117/128

耳の奥に残っているのは、血を吐くような魂の叫びだ。


『これは、遊戯ではない!!刃を向ける覚悟は出来ていても、貫く覚悟が出来ていなければ意味が無いッ!!!だから、貴方はいつも奪われるんだ!!!』


真っすぐに、射貫くような……苛烈を極める視線を向けられて、身体が竦んだ。


そして、向けられたのは祈るような言葉。


『俺たちには、この世界がどうなろうと、知ったことではないのです。大兄……貴方が、今度は選ぶんだ……後悔のない道を……』


誰かが言ってた。


「戦争とか、争いとか……そう言ったものは、お互いの“正義”がぶつかり合って起こるんだって、言うけど……ホントにそうなのかな?」


——そんな馬鹿な……

そう思ってた。


だって、可笑しいだろ?

みんなが正義感を持ってたら、世界って平和になるんじゃないの?って……


欲張ったり

奪おうとしたり

嫌な奴を消したいとか、怖いこと思ったり……


そう言った、イヤな感情を持つ奴らがいるから、闘いが起こるんだって思ってた。


でも、違うのかもしれない……


だからって、俺にだって譲れないものがある。


きっと、時がグルッと戻っても、俺にとって大切なものを守ったり、取り戻したりするために戦う道を選ぶんだと思う。


——それでも……


「もしもさ、相手に信じる“正義”があって、持ってる“信念”があって……それで、戦ったんなら……ただ、“悪”って決め付けるんじゃなくて、その理由をちゃんと受け止めて、前に進みたい」


※※※※※


—— ああ……

璃庵は、そっと目を閉じて記憶の彼方にいる同朋達に語りかける。


(彼の心根は、どれだけの時を経ても変わらないようだ……其方らが愛し、慕った“大兄”は……其方らの想いを受け止めて進もうとしている)


懐かしい匂いがした気がした

懐かしい声が耳を掠めた気がした

懐かしい温もりに触れた気がした


—— それは、叶わぬ夢想だと、璃庵自身が一番良く判っているというのに。


ふと苛んだ胸の痛みにそっと蓋をして、璃庵は懐かしむように遠くへと視線を馳せながら徐に口を開いた。


「忌部は、決して“忌むべき一族”ではございません。元々は、“祈りを捧げる一族”……“祈部一族”……彼らは、そう名乗っておりました」


「祈りを、捧げる……?って!!!それってッ……」


驚きの声をあげたのは、緋岐だ。


「そうです……主様の前世にあたります……韋駄天 雄飛様の信念であり、最初の里の名の由来です」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ