13歳の遺書。
道水氏は今朝、夢をみた。
その夢というのが、道水氏の妹である『道水妹』と、道水氏の弟である『道水弟』と道水氏の三人で縄跳びをしていたら、急に包丁を持った弟が現れる、という夢だった。
まず、包丁を持った男は、その場で『道水弟』を殺めた。
次に殺められるのは、『道水妹』か『道水氏』か。
という、クローズドサークルでよくある風な展開になった。
何を考えたか道水氏は、
「母親と父親宛ての遺書を書く時間が欲しいです」
と、包丁を持った男に言い、何故か包丁を持った男はそれを許可してくれた。
許可をもらった道水氏は、ボールペンでメモ帳に、
『水道水の備忘録という駄文が、小説家になろうというサイトで掲載されています。作者の水道水は私(本名)です。読んでみてください』
と、残した。
包丁を持った男に、
「書き終えたので、殺してください」
と、述べた瞬間に刺された。
死にちかづいていく時間、道水氏は、
『なんで備忘録に遺書を残しておかなかかったのだろう』
と、後悔した。
山本文緒氏の著作でまれにみる自作解説風に、道水氏の自夢解説をしていこうかと思う。
まず、『縄跳びをしていたら』という描写からうかがえるように、道水氏らが殺されたのは屋外つまり庭である。
だが、道水氏と道水妹の仲は良いとも悪いともいえないが、道水氏と道水弟の仲はそこそこ悪いため、『現実で道水氏ら三人が縄跳びをする』ということはありえないだろう。
そこで夢と気が付けなかったのが、悔しい。
次に、道水弟が庭て殺されたとき、誰も通報しなかったのか、という点について。
道水氏らが住んでいるのは、そこそこの田舎である。
つまり、道水氏らが縄跳びで遊ぶような時間帯に、誰も道水氏らの家の前を通らなかった、ということだ。
次に、道水氏の「遺書を書く時間が欲しいです」等の発言について。
本人だからこそ言えることなのだが、道水氏は時間稼ぎ等のことを考えて発言したのではなく、本当に遺書を書いておこう、と思って発言した。
道水氏は純粋に頭が弱いのだと思う。
次に、『何故に遺書を書くのが許されたのか』という点について。
これは道水氏も分からない。
だが読み返してみれば、二次創作小説並みにご都合展開、というのはなんとなく伝わる。
道水氏は『包丁を持った男が、他人の遺書愛好家説』を支持している。
次に、夢の中で殺された感想について。
一応道水氏は死のうと思い、死ねなかったことが三回ある。
そのため、こんなに簡単に人間は死ぬのか、と思った。
最後に、今回の本題である遺書を残そうかと思う。
13年育ててくれて、ありがとうございます。
お母さんとお父さんは私にたくさんのことを教えてくれたけど、私はなにも返せてないですね。
ごめんなさい。
東京2020(2021)で、西矢椛選手が13歳という年齢ながら、金メダルを獲得してくれましたね。
その二日後、なんとなくの現実逃避から、私は駅前のゲームセンターにいました。
死にたいな、と思いながら歩いていたら、ゲームセンターの前で『1プレイ無料券』みたいなのを貰いました。
気の紛らわしになるかな、と思いながら店内をぶらついていたら、ラスカルのぬいぐるみを見つけました。
西矢椛選手がラスカルが好きだ、というネットニュースを思い出し、同じ13歳なのだから私も、というよく分からない思いでラスカルの台を選びました。
結果は、私の部屋にラスカルのぬいぐるみがないことから察してください。
私はこの世に未練が無いので、さっそと自殺してやる、と豪語していますが、きっと寂しいのでしょう。
どこかでラスカルを見るたび、親不孝な娘のことを思い出して欲しい、と思って遺書を書いてます。
お父さんとお母さんの娘で本当に良かった、と心から思っています。
2021年8月9日。




