65.作戦会議
「で、みんなはどう思った?」
恒例になりつつある、ラスキス帰宅後の相談会。もはや作戦会議じみてきてるけど。
「やはり、イズミルの夫として最適だと感じたな。特に、殿下は国を離れる時間が長いことを気にしていらっしゃるようだが、イズミルはそれでもいいと思っているだろう?」
相変わらずカイルは全面賛成だ。
「うん。何をそんなに気にしてるのかな、って感じ」
「女性の多くは、自分に尽くしてくれる男をより気に入るから、傍に居られないような仕事についている者は、それだけで不利だと言えるな」
「居てくれたら良い時もあるだろうけど、私にはもう3人もいるからねぇ。むしろ、ずっと家に居るなら競合相手が沢山いるけど、今の仕事なら、ラスキスにしかできないことがあるんだからそれをウリにすればいいのに」
「殿下もそう思ったからこそ、あそこまで赤裸々に内情を語った上でイズミルに尽くすと誓ったのでしょうね。僕も、殿下と結婚するのに賛成していますよ」
エルもそう言ってくれる。さらにはツィリムも。
「おれも、殿下と結婚していいと思う」
「あれ、ツィリムは反対派じゃなかったの?」
「殿下の目は、本気だったと思う。王族の男に、あれだけ言わせるのは、イズミの魅力」
「確かにね。本当に私のことを見てくれてるってことは、かなり伝わってきたよ」
私自身がラスキスのことを好きかと聞かれたら、Yesとは答えられないと思う。
嫌いでは無いけれど、その程度。
……そんな気持ちなのに、ただ都合がいいからと結婚して、本当に良いのだろうか。
そんな疑問はずっと胸のうちにわだかまっている。でも。
「みんなが賛成してることも、よく分かった。だから、ラスキスと結婚してもいいんじゃないかな、って思います」
「イズミル、ありがとう!」
カイルは分かりやすくぱあっと笑顔になり、ぎゅうと抱きしめてくれる。
「カイルには、今までもこれからも、色々面倒をかけると思うけど。よろしくお願いします」
「面倒なんかじゃないさ! イズミルが結婚すると決めてくれて、とても嬉しいよ!
なるべく早く話を進めるからな!」
「うん。ありがとう」
カイルの腕の内で、これで良かったのだと、そう思おうと努力する。
なんだかよく分からない不安が沢山ある気もするけれど、私は今までの暮らしを三人の旦那さんに頼ってきたのは紛れもない事実。
皆のことをとても信頼しているし、その人たちが良いと言うんだから、きっといいんだろう。
うん、きっと、どうにかなる。
今までもどうにかなったし。
大丈夫。




