表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アーマード・オウガ  作者: ハル
参:エターナル
41/65

 薄暗い部屋。

 まだ昼だと言うにもかかわらず、カーテンを閉め切り、電気も点けずにいる為だ。

 頭から毛布(もうふ)を被った少年は、(なか)ば作業と化した学校の裏サイトへの書き込みを開始した。しかし、連日同じ内容を書き込み続けている所為(せい)か、反応は鈍い。

「くっそ……。名前を書き込むか……? いや、でもそんなことをして僕だってバレたら……」

 毛布の下で頭を抱える。

「どうすればいいんだよ……!? こんなこと警察だって信じやしない」

 事実、最寄(もより)の警察署に行って話したところで門前払(もんぜんばら)いである。妖の存在を知っているのは上層部や、一部の関係者だけである。窓口に行っても誰も知らないのだ。

 ――ポン!

「……ん?」

 と、不意に彼の書き込みに対してのレスポンスが書き込まれる。

 が。

「何だこれ……? URL?」

 表示されたのは別のサイトへのハイパーリンクだ。他にはただ短く、『鬼を以って鬼を討つ』とだけ書かれている。

「……」

 正直言って、怪しすぎた。

 しかし、その文章は彼に一縷(いちる)の望みを感じさせるものであった。

 文字通り、自分の遭遇した事態を、別の怪物が解決してくれるのではないか。そう思わせるものだった。

 そして、彼は決心する。

 ――カチッ

 それはただ人差し指を(わず)かに動かす行為。

 しかし、精神的に追い詰められている彼にとっては偉大なる一歩。

 果たして、表示されたものは。

「……都市伝説?」

 それは都市伝説が集まる交流型のサイト。URLはその中の一つの項目に直接リンクしていた。

 (いわ)く、悪人を退治する黒い鬼の存在。

「……ッ! 馬鹿にしやがって!」

 彼は握った拳を机に叩きつける。

「この黒い鬼が僕を助けてくれるってか! だったら何とかしてみろよ! クソッタレ!!」

 口汚く(ののし)るのも()むを得まい。それほどに、彼は追い詰められていた。

「もう、いやだ……。誰か、助けてくれよ……」

 盛大に肩を落とした彼は静かにベッドへ潜り込んだ。



 ――コンッ

「……」

 ――コンッ

「……ん?」

 少年はその音で目を覚ました。

 時刻は深夜。草木も眠る丑三(うしみ)つ時というヤツだ。

 ――コンッ

「ひっ……!」

 再びその音が響く。少年は可哀想(かわいそう)なほど(おび)えていた。

 しかし、(じき)に冷静さを取り戻す。

 もしアイツが僕を殺しに来たのなら、何故とっとと殺さない? 、と。

 (しばら)く様子を見ると再び、

 ――コンッ

「!」

 冷静にうかがって見ると、どうやら小石が窓に投げつけられているらしい。近所の子供が夜更かしして悪戯でもしているのか。

 そっと、カーテンの隙間から外の様子を(うかが)った彼はソレを見た。

「!!!」

 少し離れた電柱の天辺(てっぺん)に、仁王立(におうだ)ちするソレの姿を。

 黒真珠のような漆黒の輝きをその身に(たた)える、黄金の瞳を持つ鎧の鬼を。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ