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アーマード・オウガ  作者: ハル
参:エターナル
34/65

序文

 少年は暗い部屋で頭から毛布(もうふ)を被り、キーボードを(せわ)しなく叩き続けていた。

 カチャカチャ、カチャカチャ。

 分厚(ぶあつ)遮光(しゃこう)カーテンを閉め切り、モニターの明りのみに照らされて、

 カチャカチャ、カチャカチャ。

 学校には全く行こうとせず、部屋からも出ようとしない。ただただ、

 カチャカチャ、カチャカチャ。

 少年は高校生で、特にイジメを受けていることもなく、勉強や運動が特別苦手ということはなかった。(むし)ろ成績は良い方だった。

 それがある日、帰ってくるなり突然この様子だ。

 心配した両親が声を掛けても事情を話す様子はない。

 母親は少年が突然閉じこもった日の様子を夫に話した。

 曰く、

「とても怖い目にあったような顔をしていた。どうかしたのか、と尋ねてみても知らぬ存ぜぬの一点張り。怪我した様子もないのだけれども」

 と。

 両親はホトホト困り果てていた。

 さて。ところで、少年は一体何をしているのだろうか?

 彼のパソコンのモニターが表示しているのは、一種の掲示板だ。近年は2チャンネルなども非常にメジャーな存在となっているので、イメージもしやすいだろう。

 しかし、彼が開いているのはそれとは少し毛色が違うだろうか。

 学校の裏サイト。

 所謂(いわゆる)それだ。

 イジメ自殺の原因になったりしてニュース番組等で耳にすることもあるのではなかろうか?

 彼が一心にキーボードを叩いているのはその掲示板に書き込みをする為だ。しかし、誰かをイジメる目的とか、愚痴(ぐち)を垂れ流すとか、そんなことが目的ではない。

「クソッ、何で誰も信じないんだよ……!」

 モニターの青白い明かりよりも青ざめた表情で悪態をつく。

 頭を()(むし)る彼が書き込んだ内容は、


『うちの生徒が化け物に変身した!』


 およそ常識人なら信じない内容だろう。実際この書き込みに対するレスポンスも彼を小馬鹿にする内容ばかりだった。


 ……しかし、ここに一人、その内容を信じる者がいた。


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