感動の味
これぞ、お付き合いの醍醐味!
彼女が僕の好みを覚えていてくれた。
僕が、彼氏ぶって(彼氏だけど)、「覚えててくれたんだ」なんて、驚いたように言うと、彼女は得意げな表情をして、「当たり前でしょ、大切な彼氏なんだから」だって…。
た、大切な彼氏…。
「大切な」なんて、親にも言われたことないのに!
僕は感動で咽びそうになってしまった。
が、彼女が、次の言葉を待つように、じっとこっちを見ている。
(ま、まさか、大切な僕と、あんなことやこんなことをしたいとか思ってる…?)
なんて、僕が彼女の目をじっと見返していると、
「どうしたの? 食べよっか」
と、普通に現実に引き戻された。
「うん、ケーキ買ってきてくれてありがとう。いただきま~す」
僕は、かろうじてそんなセリフをはいてから、チョコレートケーキにフォークをさす。
お・い・し・い!
彼女おすすめのそのチョコケーキはの味は最高でした。
と、ニヤニヤしながらチョコケーキを半分ほど食べ進めたところで、ふと、彼女の方を見ると、彼女も自分のショートケーキをおいしそうに食べていた。
「そのショートケーキも美味しそうだね」
何気なく僕が言うと、彼女はお皿を僕の方に押しやって、
「じゃあ、一口ずつ交換しない? 私もチョコケーキ少し食べてみたかったの」と言い、返事も待たずに僕のチョコレートケーキにフォークをさした。




