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鼓舞

ダイは【グレジタンス】本部の医務室で目を覚ます。

安心感に浸り、静寂の中であの時のことを思い出し

目を背けたくなる現実がフラッシュバックした。


「目を覚ましましたか、ダイくん。」


「イチキさん……」


医務室へ入ってきたイチキ。


「何も……できませんでした 俺のせいです

俺がもっと早くあの場に行っていたら……

 ナロを連れて行かなきゃ……

 あんな事には――」


「ダイくん、気持ちはわかります。

 ですが、君のせいではありません。

 それは今回だけでなく、これまでの任務でもです。

 すみません。我々は貴方に甘えすぎていた……

 それによって、ダイくんに任務を通じて多くの

 責任と負担を背負わせる事になってしまった。

 戒めなければならないのは私自身です」


これまで与えていた負荷を知りながらも

ダイを頼り続けてきてしまった自責の念が

その表情に出ているのを見て

どこかやり切れない思いを感じダイは歯を食いしばる。


「おっ!ようやく目が覚めたか!」


状況と正反対の気楽さで部屋に入ってくるマトバ。

逆にこの空気の読めなさが辛気臭い雰囲気を晴した。


「マトバさん……」


「 そう落ち込むなダイ。

 あれだけの被害が出たのはお前のせいじゃない。

 お前は良くやったよ」


「力がありながら

 あの場にいて何もできなかった……

 そのせいでナロを――」


「安心しろ、ナロは生きてる」


「えっ……今、なんて?」


死んだと思い込んでいたナロが生きている。

真偽は定かではないものの

その言葉を聞いた途端

雲がかった心に一筋の光が差し込んだ。


「ナロは生きてるんだよダイ!」


再度聞かされたその言葉は無意識に身体を動かした。


「ナロは、ナロは今どこに!?」


「落ち着いてくださいダイくん。

 今、治療を受けているところです」


「治療?」


「そうだ。

 ナロは普通の人間とは違って

 心臓の位置が【イーバヤ星人】(奴ら)と同じ胸の中心にある。

 暴れた奴はその事を知らず、急所を避けられたんだ。

 だが、傷は深い。

 どうやら、人間と同じ様に多く血を流せば死ぬらしい

 治療は順調みたいだが、予断を許さない状況だ」


ダイは思い出す。

レィダ()がナロを人間として捉えていた事を。

自分の事を慕ってくれる妹の様なナロが生きていた事を

知り、涙が溢れる。


「そうか……良かった……」


「へっ!

 ナロは今も頑張ってんだ。

2人して落ち込んでる場合じゃねぇぞ!」


先程まで落ち込んでいたダイとイチキであったが

マトバの鼓舞によって、自然と微笑みを浮かべた。

気持ちが少し軽くなった時、あの場にいた

謎の男についてのことを思い出し

あの日の出来事を2人へ伝えた。


「それは多分、クロヌマだろうな」


「あれが、クロヌマ・ケイ……」


あの場にいた謎の人物がクロヌマであるならば

その強さを目の当たりにしたダイはニヤリと笑う。


「どうしたんですか?ダイくん」


「もし、あれがクロヌマさんなら

 いけるかもしれないと思って――

 俺たち今までは奴らの動きに合わせて

 動いていたじゃないですか。

 けど、それだと先手を取られて

 犠牲者を出してしまう。

 だから、俺たちから仕掛けるのはどうかなって」


「俺たちから?

 【イーバヤ星人】(奴ら)の居場所もわかんねぇのに

 どうやって仕掛ける気だ?」


「俺を勧誘してきたアイツを利用できれば……」


クロヌマの実力を知り

前々から考えていた作戦を実現できるのではないかと

ダイの頭の中は希望で溢れていた。




 

 

 




 


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