恋占いのついで II
お昼のランチは、ローストビーフと野菜を挟んだカスクートとポテトのチーズ焼きを食べた。
眠くなってまったりしていると、デッセ商会から荷物が届いた。
「もう届いたんですね?」
「チェーンは、後日お届けにあがります。」
「ロベールさんとジェニーによろしくお伝えください。」
「はい、かしこまりました。それでは失礼致します。」
デッセ商会の従業員は、平民相手でも貴族と対応が変わらない。
バザール商会の従業員は、貴族と平民では露骨に態度を変えるし、まだ子供のレイアは買い物に行って監視され、気分を害した。
バザール商会の台頭を好ましく思わない人間は多い。
荷を解くと色付き硝子だった。
レイアは、同封された手紙を読んでから、光魔法で色付き硝子をハート型にカットしていく。
「何をしてるんだ?」
僕と同じくうつらうつらしていたエヴァンも、目が覚めたらしい?
「恋のお守りを作るの!」
「これが?」
レイアはハート型の硝子に光魔法を使って、古代魔法文字で『恋愛成就』と刻み込む。
「効果があるのか?」
「500エステルだから、可愛かったら大丈夫!」
「それは詐欺じゃないの?」
常識人じゃなかった常識猫の僕が諌める。
今では、古代魔法文字を読める人間も減ったけどね。
「500エステルで恋が叶えば、誰も苦労しないわよ!」
「それはそうだけど、売れなかったらどうするの?」
色付き硝子を全部カットしたら、そこそこの数になる。
「売れなかったら、デッセ商会で買い取ってくれるそうよ。」
「心労で倒れたロベールに、更に心労を掛けるのか?」
エヴァンが呆れた顔をする。
「この色付き硝子なんだけど、ほら見て!」
「何?」
「色ムラになっていたり、ここは埃が入っているでしょう?予定より安く仕入れたから、心配しなくてもいいって、手紙に書いてあるわ。」
「それならいいけど、光魔法をそんなことに使わなくても…?」
エヴァン、君は正しいよ。
光魔法の遣い手少ないんだよね。
ピンク、乳白色、ライトブルー、ペパーミントグリーン、レモンイエロー、バイオレットなどなど。
色付き硝子は各種揃っている。
小さな穴を開けて、金や銀のチェーンを通すと確かに可愛い。
本当に売れるのか?
レイアは、新商品をいきなり店に並べたりはしないのだが、今回は時間がないから見切り発車したのかな?
売れなかったら、売れる商品を考えればいいか?
「レイア、ジェニーのお化粧見て、ロベールの反応はどうだったの?」
気になっていたことを聞いてみる。
「ちょっと驚いたけど、何も言われなかったそうなの?」
「照れてるのかな?」
「幼馴染だから、兄妹みたいな関係なんですって。」
少し位、褒めてあげればいいのに。
「エヴァンは、幼馴染の女の子が急に綺麗になったらどう思う?」
エヴァンに聞いても、役に立たないよ。
「普通は、好きな相手か恋人が出来たんじゃないかと思うだろ?」
あれ、まともに答えてる。
エヴァンは、ジェニーには友好的だよね~。
「そうよね!ジェニーにもっと可愛い服を着せよう。」
「ジェニーにはジェニーの似合う服があるんだからね!レイアが似合う淡いピンクのドレスとか勧めちゃ駄目だよ。」
「わかってるから、大丈夫!」
本当に大丈夫なんだろうか?
前途多難そうなジェニーの恋の成就を僕は心から祈った。
家内安全とか子宝祈願も作りたい!




