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手応えの無さ
神谷禅は触手を振るう。
しかし、すべて切り裂かれた。
当然だ。
一人だけ警戒されていれば、そうなる。
だが――
「メンタル・ブレイク」
白瀬凪がメンタル・ブレイクを発動する。
プランA。
全人類の思考を集めている恐怖の大魔王は、幾億もの精神の塊で構成されている。
それを刺激して崩壊させる。
弱らせていなければ通じない。
それでも、一瞬だけ動きを封じることはできた。
その隙を突き、
神代恒一の紅晶血による血の斬撃。
黒崎雷堂の落雷。
久遠玲司の殺意の攻撃。
それぞれが恐怖の大魔王を襲う。
瀬名悠真が蹴り飛ばし、
白峰透花が台風を纏った拳を叩き込む。
ダメージはあるはずだった。
だが――恐怖の大魔王は、彼らに視線を向けない。
傷を修復した神谷禅だけを見ている。
恐怖の大魔王は神谷禅に接近した。
「動くな」
綾瀬詩織の超契約により、恐怖の大魔王の動きが一瞬固まる。
神谷禅が触手で切り刻む。
しかし魔力が飛散し、神谷禅の身体に複数の穴が空いた。
九条玲奈が神谷禅と恐怖の大魔王に触れ、離脱する。
神谷禅の傷は癒えた。
恐怖の大魔王は、先ほどまで受けた攻撃を再現象によって再現し、再び大ダメージを受ける。
しかし――傷はすぐに修復される。
手応えは、ほとんど無かった。




