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最強vs最恐
恐怖の大魔王が具現化する。
形は人間。しかし、目も口も無かった。
ただ普通に歩く。
足音はない。
地面は削れているのに、何かが当たった痕跡はない。
瞬間――
全員の脳裏に死がよぎった。
風が走る。
しかし、それは風ではない。
空間が押し潰されたあと、遅れて空気が鳴いた。
見えない攻撃。
だが、そこにいたら死んでいたことだけが理解できた。
八人は回避するだけで精一杯だった。
その中で、一人だけカウンターを放つ。
神谷禅の触手が、恐怖の大魔王の体を切り裂いた。
しかし――傷は修復する。
回復魔法ではない。
魔力で構成された体が、体内の魔力で再構築されただけだった。
先ほどの攻撃も、魔力を飛ばしたに過ぎない。
恐怖の大魔王は神谷禅を敵と認識した。
逆に言えば、他の者は敵とすら見ていない。
神谷禅だけが、脅威として認識されている。




