52/59
凪のミス
「おい、凪。」
「なんですか、恒一さん?」
「この女が持ってた魔道具なんだが、精神魔法の出力を上げる術式が組み込まれてた。」
「へぇ、凄いですね。」
「不思議だよな。調べてみたら、お前の大学の次席の奴なんだが。」
「そ、そうなんですか? いやぁ……気にしてなかったです。知りませんでしたねぇ。」
「うんうん。で、その魔道具、かなり凄いんだよな。」
「?」
「本人が作れるような物じゃなくてさ。」
「な……なるほど。」
「取り調べしたら驚いたぞ。研究室に、謎に、しかも雑に置かれてた魔道具を盗んで使ったらしい。」
「あぁ……それは良くないですね。盗みは。」
「正直に話せば、今なら許してやるぞ?」
「…………」
「あれ、出力を上げても精度があまり落ちないんですよね。普通は少しでも精度が落ちると困るから、使わなかったんですが。」
「洗脳にはぴったりな魔道具だな!」
「はい……。」
「無断で魔道具を作って、失敗作は適当に放置してたら、いつの間にか盗まれていたと。」
「そういうことになりますねぇ。なんか見覚えある魔道具だなぁとは思ってたんですよね。」
「……何か弁明の余地はあるか?」
「えー……無いですね。」




