フリーデンの強さの所以
「そういえば、フリーデンって何が強いんですか?」
「固有魔法は、魔力の消費が圧倒的に少なく、なおかつ高い火力を出せる点だ。九条や詩織は別格だから置いておく。あれはもう別物だ。」
「恒一さんの血の斬撃、ちょっと地味そうですけど。」
「喧嘩売ってんのか。まあ、真似は出来そうに見えるだろ。」
「そうなんですよねぇ。」
「まず、真似は出来ない。そもそも物質操作系の魔法は、大量の魔力を消費して物を数秒宙に浮かせるのがやっとだ。」
「この前テレビで重い物を持ち上げてましたけど?」
「あれはマジシャンだ。魔法じゃない。」
「えー……魔法ってテレビでやってましたよ?」
「それは演出だ。」
「なるほど……。」
「それに、俺たちは意識せずとも魔法を使える。」
「?」
「魔法を使う時に止まって集中する奴がいるだろ。あれは論外だ。」
「確かに、戦闘中にそんな余裕はないですね。」
「普通の人間は、魔法に誓約を重ねて成立させることが多い。」
「?」
「魔法というのは本来、制約の上に成り立つ技術だ。発動条件、代償、制御方法……そういうものを積み重ねて安定させる。」
「でも俺たちは違う、と。」
「そうだ。フリーデンには誓約がほとんど存在しない。」
「え、危なくないですか?」
「普通は危ない。だがフリーデンは別だ。」
「どういうことです?」
「誓約で魔法を縛る必要がない。魔法の発動そのものが、半ば自然現象に近い状態になっている。」
「……つまり?」
「魔法を使うために止まる必要も、集中する必要もない。戦闘中でも普通に使える。」
「後は、術式が脳に刻まれているんだ。」
「脳に?」
「そうだ。魔法の術式が意識に近い場所に固定されている。だから魔力消費が少なく、出力も高い。」
「……怖い話ですね、それ。」
「普通はそう思うだろうな。」
「でも、それがフリーデンの強さ、と。」
「そういうことだ。意識せずとも固有魔法を扱える。魔法を発動するために、特別な集中も必要ない。」
「戦闘中でも自然に使えるんですね。」




