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叱責
「二人がかりで取り逃がしただと?」
机を叩く音が会議室に響く。
「敵のフィールドですよ? 逃げに徹されたら厄介です。宗教団体の下部組織は潰しました。そこは評価していただきたい」
「評価? 裏切り者のフリーデンを逃がした。それが全てだ」
「へいへい。武闘派二人で無理なら仕方ないでしょう」
上司の視線が鋭くなる。
「九条玲奈に任せるべきだったか」
「ああ、あいつですか? 火事を起こしたことのある建物で火災を再現して、業火で全員焼き払ったって話なら聞きました。雷堂、止めろよ」
「止まると思うか? 人の忠告で」
沈黙。
「……まぁ、下部組織を二つ潰せたのは事実だ」
「問題はそこじゃない。裏切り者を野放しにしていることだ」
「分かってますよ。それより、継ぎ接ぎ男は?」
「殺人が増加傾向だが尻尾が掴めない」
「そっちこそ何してるんです?」
「簡単に言うな」
一拍置いて。
「綾瀬詩織とは、回復魔法の研究認可を餌に交渉するのが一番現実的だと思いますよ」
「……理屈は通っているな」




