宗教壊滅
「瀬名悠真。お前がペアか?」
「フリーデン同士、仲良くしましょう」
瀬名悠真――固有魔法《加速》。
初速から最高速まで一気に引き上げる。出力次第。
常人なら耐えられない加速度にも、魔法で強度を上乗せする。
腕だけ、脚だけの局所加速も可能。
「さて、入りますか」
「そうだな」
扉を開けた瞬間、魔力の気配が渦を巻く。
出迎えたのは信者ども。
見様見真似で魔法を覚えた連中と、俺たちフリーデンは違う。
「まさしく烏合だな」
「ああ」
次の瞬間、悠真が消える。
衝撃波。
一人、二人、三人。
トップスピードの突進。拳。蹴り。
俺は血を振るい、斬撃を飛ばす。赤い弧が空間を裂く。
数十人が崩れ落ちるまで、十秒もかからなかった。
「──動くな」
悠真の身体が止まる。
女の声。
俺は声の方向へ血の斬撃を放つ。
だが、読まれている。躱された。
姿を現した綾瀬詩織。
素の身体能力が高い。
強化なしであの間合い管理か。
「フリーデン二人相手に勝てると思うか?」
「そこまで馬鹿じゃありません。逃げます」
悠真と同時に踏み込む。
「──動くな」
また悠真が硬直する。
やはり潰すのは加速持ちからか。
俺が詩織へ肉薄する。
血の刃を振り下ろす――
横から殺気。
伏兵二人。
舌打ち。斬撃をそちらへ回す。
一瞬の隙。
気配が遠ざかる。
「……逃したか」
静寂。
悠真が息を吐く。
「はぁ……俺ばっかり縛られるの、嫌になるな」
「逃走優先なら、お前を止めるのが最適解だ」
詩織の声はもう遠い。
「まあ、下部組織は潰せた。今回は良しとするか」
血が床を伝う。
戦闘終了。




