巴軍、ガンダルヴァ
88話目に、なりますわ、巴軍がシトクの地下要塞に挑みます。この世界初の空中戦…どうなるのでしょうか?
満里奈軍は、練兵を行っている。
飛行に関しては、レイン、ランス、ウルカヌス、バッコス、ハイラ、シンダラ、ニション、フェリオサ、ココル、右近、アルクアンシェル、ポルトボーヌル、シュエット、シュヴァルブラン…そして…フランソワーズ、萌が、群を抜いている。
そして…グライアイの血脈は、飛行には向かない事が判明した。
「リン姉…なんか…ムカつくよね…」ヴァネッサが口を尖らせる。
「ヴァネッサ様…まぁ…彼らは、黒龍に乗れませんからねぇ…」エマニュエルが言う。
「そうそう…ワルキューレを機動部隊ってやる…って…やはり、クロちゃんでなきゃね!」リンが言った。
「あっ!そうだ!ジャンヌゥ〜シモーヌゥ…あれをやるよ!お待たせぇ……………ギャハハハ!」ジャンヌとシモーヌの目が輝いた。「待ってましたーぁ!!」
満里奈は、調査隊2日後と予定していたが、結局2週間後となった。
ランス達は、進発した。
「ランス様…88式はどうです?」ハイラが聞いた。………返事が無い…
ランスは昔を思い出していた。
……… 夜は深かった。対武田…徳川、織田の連合軍…戦場は、設楽原…
設楽原を吹き抜ける風が草を揺らし、遠く武田軍の篝火が星々のように浮かんでいる。
軍議を終えた酒井忠次は、自陣の幕舎へ戻っていた。
軍議の場で受けた屈辱が胸に残る。
「鳶ヶ巣山を落とし、敵の退路を断つべきにございます」
そう進言した忠次に対し、信長は大笑いした。
『そのような小細工など不要よ』
居並ぶ諸将の前で一蹴されたのである。
だが――。
忠次の口元に微かな笑みが浮かぶ。
「小細工、か……」
その時、幕舎の入口が静かに開いた。
「殿」
入ってきたのは嫡男・酒井家次。
その後ろには本多正重もいる。
二人とも表情は険しい。
忠次は周囲を確認すると静かに口を開いた。
「夜襲の準備をしろ!迅速に、向かう先は、秘密だ!」
二人の背筋が伸びた。
「はっ…ふっやはり…」
忠次は燭台の火を見つめながら言う。
「先ほど軍議の後、織田殿に呼ばれた」
家次の眉が動く。
「織田様も、家康様も…役者よなぁ…」
「うむ」
忠次は頷いた。
「鳶ヶ巣山を落とせとの御下命だ」
一瞬、沈黙……
次の瞬間。
本多正重が思わず拳を握った。
「やはり!」
「殿の策を信長公が見抜けぬはずがございませぬ!」
忠次は静かに首を振る。
「いや。最初から見抜いておったのであろう」
「ならば何故なのでしょう?――」
家次が問う。
忠次は外の闇へ視線を向けた。
「武田の間者よ」
その言葉に空気が変わる。
「この陣には武田の目と耳が潜んでいる」
「軍議で策を認めれば、今頃鳶ヶ巣山は厳重な警戒態勢になっていたであろう」
本多正重が唸る。
「なるほど……」
忠次は笑った。
「我らは信長公に笑われた敗残者よ」
「武田もそう思っている」
「だからこそ今夜、敵は油断しておるだろう…とは、言え…相手は武田武士…」
静寂。
やがて家次が口を開いた。
「殿」
「覚悟は出来ております」
「此度の夜襲、生きて戻れぬやもしれませぬな!アハハハ」
忠次は息子を見つめた。
若い。
だがその目には酒井家の誇りが宿っている。
「家次」
「はい」
「武士は死ぬために戦うのではない」
「勝つために戦うのだ」
その声は静かだった。
しかし重かった。
「今夜の戦で武田の退路を断つ」
「そして明日、設楽原にて勝負を決する」
「我らの役目は勝利への道を切り開くことだ」
本多正重が膝を打った。
「では参りましょうぞ!」
「夜明けまでには鳶ヶ巣山を我らの旗で埋め尽くしてみせます!」
忠次は立ち上がる。
甲冑の緒が静かに鳴った。
「声を上げるな」
「火も使うな」
「敵が気づいた時には、すでに首を取られているような戦をするのだ」
二人が深く頭を下げる。
「はっ!」
忠次は太刀の柄に手を添えた。
幕舎の外には闇。
闇夜の先…その向こうには武田軍の砦。
そして明日、日本の歴史を変える大戦が待っている。
酒井忠次は静かに言った。
「参るぞ」
「今宵、鳶ヶ巣山を落とす」
その声とともに、三人の武将は闇の中へ消えていった。
まるで獲物へ忍び寄る狼の群れのように。
…、?「おう…大事無いわ…じゃないね!完全に制御出来ている。」ランスは微笑む!
---ランス様…エナ軍が…ゼンゲン様の青葉城に入ったとの事です。---
--相わかった、で?アヴァロー軍は?--
---城を出て、野戦で迎え撃つようです。---
--野戦か、--
---ただ、エナ様も気づかれていないようですが!武田軍の後方に巨大な超超距離野戦炸裂砲の砲台を、建設していると思われます。---
--なんだと!!して、射程距離は?--
---春日山城は、容易に範囲内かと---
--了解した、監視を続けろ!--
--エナ様--
---ランスか…珍しいな…直接とは?緊急か?---
--我々の物見からの報告です。武田軍が、超超距離野戦炸裂砲を準備している様です。--
---なんだと!炸裂砲か!危なかった………我々が囮になる、気付かないふりをして前にでるわ!---
--エナ様、危険です。射程距離は、春日山までと推測されます。--
---アハハハ!酒井忠次!その要塞を破壊しろ---
--…信長様!なんとも!そんなお下知を450年の時を超えて…私に?--
---今回は、笑い者にする必要は無いな!アハハハ---
--アハハハ…信長様…了解しました。お任せ下さい--
同じ頃…アスポデロスの野…死後の世界と言われた。荒廃した土地…そこを現れた軍団がいた。巴の軍である。
「この辺りがヘシオドス将軍とソレイユ将軍が…攻めた…砦跡ですね…」ガンダルヴァが言った。
「なる程…ジークフリート線のようですね…塹壕とトーチカ!」ガンダルヴァは岩山を眺めながら…言った。
「ジークフリート線?」ヒバカラがガンダルヴァを見た。
「魔法の無い世界で!世界を巻き込んだ戦争がありました。その時作られた…全長630キロに渡り、18000以上の石の陣地、地下豪、トンネルを張り巡らせた。絶対防御陣の事ですよ!」ガンダルヴァは言った。
「630キロ?ってどれぐらいなんだ?」キンナラが言った。
「多分ですが…ニライカナイの森の横の長さ?いや、今は、ニライカナイは広がっているので…正確では、ありませんが…」バサラが言った。
「?、なる程…??」ヒバカラは、腕を組んだ。
「アハハハ、ヒバカラさんが歩いて、10日以上かかる距離ですよ!一般兵なら20日以上かかりますよ!!」バサラが言った。
「マジかよ!で…そんな仕掛けがこの渓谷にあるのか?」キンナラが言った。
「でしょうね!」ガンダルヴァは言った。
「有岡城…すなわち地下に張り巡らされた城と言う事になる。籠もられたら…手がだせない…」巴が、口を挟む…
「幸い…ソレイユ将軍からの情報で、入り口の1つは判明しています。」巴が言った。
「さて…さて……地底の蟻には、アハハハアハハハ!これですね!」ガンダルヴァが笑い出した…。
「ます…バサラ殿、グラン殿…上からのプレッシャーをお願いします。」
「下からは、ヒバカラ殿の爆裂砲での索敵…キンナラ殿…例の物を使います。」
「ディーノ様…その後…地上の障害物を排除して下さい…お願いいたします。」
「グラン行くぞ…バサラ隊!進発します!我々に勝利を!」バサラが叫んだ!
ギュワン!ギュワン!ギュワン!ギュワン!ギュワン!ギュワン!ギュワン!
大隊規模の部隊が、円盤状の乗り物の上に乗り、宙に浮いた。
「さて…諸君…我々がこの、世界での初の空中戦を行う。世界が我々の戦いを見ているだろ!見せつけてやる!我々に刃向かう事の…おろかさ!無謀さ!無意味さを、シトクの馬鹿共に教えてやるのだ!!空力演算開始!索敵開始!貫通及び、炸裂術式も開始…飛ぶぞ!グラン…観測開始…情報を伝達…よいかぁ!!飛ぶぞ!高度5000メートルまで上昇…ディーノ様の攻撃の後!パイルバンカーを落とす。上がって来る蠅かいたら!構わない各自撃破!行くぞ………飛翔ぉぉぉ…!!」
キィィィィーン…鋭い金属音、いや、風切り音なのか…次々と上がっていく…
「バサラ様、敵航空部隊を感知…南西より急速接近中…数は、およそ100…時速350キロ…速いぞ!」
「350!速いな…武装は?確認出来るか?」
「各自、丸太の様な…物にまたがっています。丸太の様な…物の先端に…銃口が確認できます。各兵士が長銃を携帯」
「巴様の情報通りだな…速さ重視の急襲部隊だ!予定通り…上だ!限界高度まで上がるぞ!水平交戦では、やはり…分が悪いぞ!
縦の機動力で勝つ!付いてこい!」
「第1中隊と第2中隊は、グランの指示で下がれアハハハ皆殺しだ!!」バサラが叫んだ…
バサラ隊が上昇すると、シトク航空部隊も上に向きを変えた。
敵の飛行装置先端より…光の弾!
ガキュン!ガキュン!円盤の下部に展開した防御結界に弾が、当たる。
「ガハハハ!そんな物で堕ちるかよ!馬鹿野郎!」
「お前らは、縦になると…飛行装置と同じく、上を、向いちまうだろうがぁ!こっちは、対空戦を見据えた、直立飛行なんだよ!どんな状況でもぉ!俺達は立ち姿なんだぁぁぁぁ!」グランが叫ぶ。
「降下ァーすれ違いザマ!弾をくらわせろ!」
まるでエスカレーターが下がるように…全機円盤に立った姿のまま…下がった。
「うてぇぇ!!」構えた連射式魔導銃から鉄の弾が発射された。
ガガガガガガ!
次々と敵兵士か落ちていく…
「再度上昇ー!」バサラが叫ぶ!
「強烈な魔導反応!高射砲です。」
「着弾します。」
ドドーンドドーン!げっ…
「3式弾だぁ…高度をとれー!」
「バサラ様…何名か被弾しました。」
「再度!物理結界だぁ!」グランが叫ぶ!
ギュラーーン!ギュラーーン
ババババーン!ババババーン、
「何だと!嘘だろ!夕弾まで…あげる…のか?」バサラが、叫ぶ!」
とにかく高度だ!
「敵航空部隊が横からきます。」
「交差します…」
「ウギャー!」悲鳴が上がった。
仲間の何機かが、空中で炸裂した。
「「たわけがぁ!虎眼 陰絶」バサラの眼が黄色に光る。
ドン!空間が歪む…敵、航空部隊が失速した。
キュイィィィィン…突然…巨体な魔法陣…
「上がれぇ!巻き込まれるなぁ!」
「しかし!空中戦…楽じゃない」
響き渡る…ディーノの声…
「開門……絶炎…開門…絶嵐」
天を覆う…巨体は、魔法陣…天はうねり、風は荒れ狂う…地は震え…岩山は震え始めた。
鋭い閃光…雷は炎を纏い…蛇が地を這うように…燃え光り出した…。
キュイィィィィン!ババババッ!何千と言う炎の槍が岩山を穿った!シトクの航空部隊は、結界で守ってはいるが…圧され…始めている。
「シトク様…支え切れません…離脱します。」
「了解した。ケツを掘られるなよ!」
航空部隊は、全速で戦域を離脱した。
炎の槍は、振り注ぎ…岩山は溶岩となって流れ始めている。
おそらくこの辺りの、高射砲は破壊され、出入り口や、通気口は塞がった。
離脱しようとした航空部隊に、下から狙いを定めている。部隊があった。
「演算開始…誤差修正!超距離魔導砲…構え!………うってぇ!!」
タダァーン…逃げる航空部隊をヒバカラが狙撃ちし始めた。
「良い的だ!アハハハ!逃がすな打てぇ」
「とは言え…速いな…」ヒバカラが、東に飛び去るシトクの部隊を見つめていた。
「さて…時間だ、キンナラ……やれ!」カルラが叫ぶ!
地下塹壕戦において…確実という勝利方法は無い…完全包囲による、兵糧攻め、パイルバンカーなどで坑道を破壊する。その坑道のさらに下を堀り、爆発する。現代ならドーロンによる攻撃などもあるだろうが、多角的なアプローチが必要となる。
「キンナラ殿!煙を入れて下さい!」ガンダルヴァが叫ぶ…
坑道の入り口から大量の煙が流し込まれた。
空圧術式で、大量の煙が坑道に流し込まれた。
「原始的だか、これがこの地下都市の把握に一番最適だ…」
「左近殿…左近殿の部隊で…煙が出ている場所を特定願います。」
あちこちから…煙が出ている。
「なんと嘘だろ…シトクのやつ…こんな規模まで地下塹壕を広げていたのか…」
「巴様…煙の果が見えました。ここから20キロ先ですね!大量に煙が見えます。…」左近が言った。
「見つけた!有岡城!カルラ!!軍を進めろ!」巴が号令をかけた。
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