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クリスチーヌ・メーティス

80話目に、なりますわ…今回は、榊原康政こと、クリスチーヌ・メーティスの過去の話を書いてみました。小牧長久手の戦いです。徳川四天王の榊原康政の活躍をお楽しみ下さい。

後、ハイラの特技に磨きがかかりました。笑

井伊谷城…


「フランソワーズ様…バイシャ様の所から戻りました。」ハイラ、ココル、シンダラが挨拶をしている。


「満里奈様や、リン様は?もうプシケに?」ハイラが…フランソワーズを見る。


「?何事ですか?満里奈様に何かありましたか?」ため息をつくフランソワーズを見ながら…ハイラは身を乗り出した。


「あっ…そうね…色々ありすぎて…」

「なんですか?」ココルも、フランソワーズを見る。


フランソワーズは、満里奈、エナ、リンから上がってきた…情報、武田の件、シトクの件、ポルキュスの野望…、解っているだけの情報をハイラに伝えた。


3人は、真っ青になる…

「冗談……冗談ですよね……いえ…フランソワーズ様…人間を改造?魔導化って…確かに…ある意味、この世界って生に対して…あやふやですけど、特攻って自殺じゃないんですか??」ココルが、言った。


「そうよね?言われてみれば…でも!リン達の前で、爆弾魔導兵が、爆発したらしいわ…かなりの威力だったみたいよ…」フランソワーズが言った。

「リン様達は?」

「無事よ、無事…ピンピンしてるわ…」


「あとなんでしたっけ?」シンダラが言った。

「今、ソレイユ将軍からの報告だと…高射砲、機関銃、地雷…火炎放射器、戦車、飛行機…爆弾……言葉として、知識として理解してるけど…戦術、戦略として、その兵器の運用法を知らない」フランソワーズが言った。


「今、有岡城近くで、ソレイユ将軍及び部下、ハマーン軍のダイダロス殿、ヘシオドス殿、エナ様の配下、コンカラ殿が…シトクと一戦交えた。」フランソワーズが言った。


「で?エキドナ殿は救出できのですか?」

シンダラが聞く…


「砦は破壊出来たみたいだけど…ソレイユ将軍達は、かなりの怪我をおったみたいね…エキドナは、やはり…有岡城の中にいる見たい…まだ、有岡城は見つかってないわ…」


「しかし…フランソワーズ様…この世界が…2度目…我々もバイシャ様に聞いていましたが…なんとも…ポルキュスとは?何者なんですか?リン様達、グライアイの始祖と言われてますが…リン様はなんと言っているのですか?」シンダラが言った。


「リンも良く解らないみたい…存在は知っているけど…認識がないって感じかしら?」フランソワーズが言った。


「武田信玄…クーベラ…シトク…ポルキュス…中でも…ポルキュスって何者なのでしょうか…」ココルがフランソワーズを見る。



「取り敢えず、プシケに帰還しましょう…早ければ明日にでも…」ハイラが言った。


「あっそうなんだけど…ちょっとここで、待機したいの…ハイラはどうする?」


「待機ですか?2〜3日ぐらいですか?」ハイラが言う。


「そうね…多分…」フランソワーズは、やれやれって顔だ…


「誰か来るとか?」シンダラが言う。


「アハハハ…クリスチーヌがねぇ…多分来るはずなの…」


「はぁ…?クリスチーヌ様?皆がプシケに集まっているのに?…………密命ですか?」ハイラが目を輝かせる。

「まぁ…そんな?かんじ?アハハハ」

「あっ…なに?あっ…クリスチーヌはねぇ…追放された〜の〜謀反の罪で!」


「はぁ…!!!」

「追放???ってなんですか?謀反?謀反って!はぁ〜〜〜ん?」三人は絶叫した。


三人は、事の顛末を聞いた。

話している右近も怒りで…手を震わせている。


「なんでか…そのアホは!名前?お猿のジョージと?番茶飲みの人??」ハイラが言った。

「誰よそれ!ジョージ・ラフト!ヴァージニア・ヒルよ」フランソワーズが言った。


「フランソワーズ様…プシケには戻りません!満里奈様を…エナ様を………侮辱した奴らぁ……悪、即、斬…!やっちゃっていいすか?やっちゃって!多分…薬やり過ぎてるジャンキーでしょ?…私達ァは、健康優良不良少年だぜ!!ヨタヨタのジャンキーなんかになめられていられないぜ!」ハイラが叫んだ…


……岩田光央…"アキラ"まで…取得しているとは…侮れない、娘ね…フランソワーズば思った。


「姫路城で迎え撃ちます!シンダラ!ココル!準備を整えて…!」


「待って待って…ハイラ…満里奈は、思慮深い人よ…先走りはダメよ!」


「この、湧き上がる殺意…どうすれば……」シンダラが、言った。



「取り敢えず私は会うから…殺す気満々なら………先に戻っていて…転移陣があるから…プシケなんて…すぐよ、石垣山城…井伊谷城…姫路城城…プシケの古城…あっという間だから…」


「そうですね…私達は、明日の午後には、プシケに向かいます…」ハイラが言う…


「そうね…そうすべきだわ…」フランソワーズは、目を閉じた…。




風は、湿っていた――。

天正12年…小牧・長久手の戦い

尾張の大地には、無数の軍旗が波打ち、 槍の穂先が曇天を鈍く照り返している。

その戦場を、 黒漆の具足に身を包んだ一騎が駆け抜けた。榊原康政――。

馬上の康政は、 静かに腰の刀へ触れる。

愛刀、 “三須証”。


鞘走る刃は、 まるで冬月の光のように蒼白く、 無数の修羅場を潜った刀身には、 細かな刃毀れすら武功として刻まれていた。

その後方には、 二人の側近。

蜂谷半之丞。

上野久方之丞。

いずれも歴戦の旗本であり、 康政の“槍”として戦場を駆ける男達。


「康政…出来るか?」家康が聞いた。

「危険な役どころだぞ…」


「殿…アハハハ…簡単ですよ!秀吉、12万軍が固まっていては、攻めあぐねる!なんとか、向こうから攻めさせて…間延びした、秀吉軍に、殿が横槍を食らわせる、私は、秀吉軍を引き連れてくれば、良いのでしょう?…アハハハアハハハ!造作もない事です。」


「……造作もないか…康政らしいな…ふっ……康政…頼む、」



「康政様…安請け合いして、良かったのですか?秀吉軍は、約12万…我々は4万ですからねぇ…」蜂谷半之丞が笑いながら言った。


「さてさて…秀吉の顔を拝みに行こうか?」

「顔?見に行く??何を言っているのですか?」


「アハハハ…我々徳川に向かってくる猿山の大将を一度拝まないとな!アハハハ」


「康政様…我々だけで…行くのですか?」上野久方之丞が言った。

康政はキョトンとしている。

「アハハハ…お供しますよ…本当に…命が、幾つあっても足らないですよ…」


「秀吉様…徳川が動きましまた。誰か来ます。」秀吉の側近が、告げた。


「ほう…小牧山から出てきたか…信長様の城を燃やしてしまうのは…忍びなかったからなぁ…して…どれ程出た。」


「いえ…およそ百名ですね……先頭は、榊原康政です。」


「アハハハ降伏の使者か…攻撃はするな…」


秀吉と…康政が戦場で向かい合った。

秀吉が先に声を出した。


「康政…ひさしいのぉ…お主が降伏の使者か?承ろうか!」秀吉は、康政を見おろした。


「羽柴筑前守秀吉!! 聞けェ!!」

陣中がざわめいた。

「誰だ?あの武将は?」

「まさか…… 榊原康政か!?」

「あの黒鬼……!」

だが康政は笑う。

「天下人を名乗らんとする男が! 十二万の兵を率いながら、 山一つ攻め落とせぬとは!」

「聞けば貴様、 信長公の草履を懐で温めたとか!」

「ならば今宵は―― その草履を抱いて眠るがよい!!」

羽柴方が激昂する。

「無礼者ォ!!」

槍が並ぶ。

鉄砲が向く。

しかし康政は一歩も退かぬ。

むしろ馬を前へ進めた。

「足元を見よ!! 貴様らの大軍を!!」

「空を埋める旗! 地を覆う兵! されどその実―― 徳川を恐れ、 小牧山へ近づく事すら出来ぬではないか!!」

「我が殿、 徳川家康公は、 三河武士と共に、 いつでも首級を賭して戦う覚悟よ!!」

「だが貴様らはどうだ!!」

「兵の数を頼みに、 城を囲み、 飢えを待ち、 策を弄するのみ!!あげくの果ては、楽田城に籠り、徳川を恐れて、震えているとか!アハハハ!」

康政は槍を高く掲げる。

黒具足が陽を反射した。

「戦とは!! 武士とは!! 命を惜しまず前へ出る者を言う!!」

「天下が欲しいか、秀吉!!」

「ならばこの榊原康政を討ち取ってみせよ!!」

「それすら出来ぬなら!! 天下人など笑止千万!!」

その瞬間――秀吉勢の怒号!


「打ち取れぇぇぇぇぇ!」

「アハハハ!かかってこい!本当の戦を教えてやるわ!山猿ども!アハハハ!」


「殿…… 動きました。」

半之丞が低く告げる。

遠く、 羽柴方の旗が揺れた。

その数――圧倒。

されど康政は笑った。

「数か。 戦とは、数で決まるなら…… 武辺者など要らぬ。引き連れて行くぞ…だかその前に…」

次の瞬間。

康政は馬腹を蹴った。

黒馬が雷鳴の如く疾走する。

榊原勢の誰もが息を呑む。

まっすぐ―― 羽柴本陣へ向かっている。

「榊原殿!?」

「無茶だ!!」

「康政様…無謀です。止まって下さい。」

だが康政は止まらぬ。

槍を掲げ、 敵陣を睨み、 大音声で叫んだ。

「羽柴秀吉ッ!!」

その怒号は、 戦場そのものを震わせた。

「大軍を誇りながら! 城陰に潜むか!!」

「徳川を討つと言うなら! その首――この榊原康政が貰うぞ!!」

羽柴方が激昂する。

「討てぇぇぇ!!」

無数の兵が殺到した。


逃げる康政…大軍が康政一行を追撃する

軍は縦に間延びした。


その瞬間だった。

「今だ!!合図!!」

上野久方之丞が叫ぶ。


伏兵が秀吉勢の横腹に突進した。

“横槍”。

槍衾が敵側面へ突き刺さる。

隊列が崩れた。

絶叫。

土煙。

血飛沫。

その乱戦の中心で、 康政はついに三須証を抜いた。

キィン――。

異様なほど澄んだ音。

振るわれた刃は、 一人、 二人、 まるで風を裂くように敵を斬り払う。

重い。

だが鋭い。

戦場で生きるための刀。

蜂谷半之丞もまた槍を振るい、 馬上の敵武者を叩き落とす。

「殿ォ!! 右より鉄砲隊!!」

火縄の閃光。

轟音。

だが康政は、 火花舞う中を突っ切った。

黒具足へ火花が散る。

その姿はまるで―― 戦場を駆ける鬼神。

「退くなァ!!」

「徳川の武を見せよ!!」

その叫びに、 徳川勢は雪崩のように続く。

やがて。

羽柴方の前線は崩壊した。

逃げ惑う兵。

折れた旗。

血に濡れる大地。

そして康政は、 静かに三須証を振って血を払う。

刃に映るのは、 夕焼けか、 それとも戦火か。

蜂谷半之丞が息を荒げながら笑った。

「……殿。 あまりに前へ出過ぎです」

康政は鼻で笑う。

「武士が死地へ出ずして、 誰が道を開く」

その背後で、 徳川の軍旗が風に翻った。

黒雲の切れ間から差した夕日が、 三須証の刃を、 赤く染めていた――。



「クリスチーヌ様…クリスチーヌ様…どうされました?」


「えっあっ…夢か…お前達もいたわねぇ…懐かしわ…アハハハ…」


「なんですか?いた?何処にですか?寝ぼけないで下さい…!」ジョージとヴァージニアは、顔を見合わせた。


クリスチーヌの、腰には、三須証が光っていた。「家康様…この命…殿に捧げます…」

「さて…井伊谷城にいきましょうか?井伊直政に逢わなきゃね!楽しみね…」


……榊原康政追放の噂は、至る所に波及して行った…



不定期でアップします。満里奈達の活躍にご期待ください。評価ポイント…感想、ブックマーク…よろしくお願い致します。

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