それぞれの思い
69話目になりますわ…体調不良で、アップが遅れました。会談の後、それぞれの道が開かれました。戦いが始まります。
会談が終わり…祝宴までの時間…アヴァロー、バイシャ、ハマーンは、各々、会議を始めた。
アヴァロー……
「さて、コウカ、ショウジョウ、満里奈殿との話しは以上だ。その上で聞きたい…どう思う?」アヴァローは、頭を抱えている。
「話しは、理解しました。武田の脅威に対抗するというのも…解ります。」コウカは、目を閉じた。
「ただ…アヴァロー様…先日、クーベラに会いましたよね!」コウカが詰め寄る。
「そこよ〜そこ…ヤバいのは、魔導兵の売り込み…武田がかなりの魔導兵をクーベラより仕入れた事、満里奈殿とぶつかって、惜敗した話し…」アヴァローは、喚き散らした。
「ムボン…俺は、俺が誰か解るか?いや、定満…解るか?」
「はい、謙信公です。」ムボンが言った。
「では…コウカ…お前は、誰だ…言って見みろ…!」アヴァローがコウカを見つめる。
「私は、妻夫木聡です。」コウカが言った。
「はぁ?………天地人か?お前は…アハハハ…しかし、今は笑えぬぞ…コウカ…」アヴァローが言った。
「死ぬか?コウカ?」アヴァローは刀に、手を伸ばした。
「嘘です嘘です…直江兼続です…」コウカは慌てて否定する。
「幼名と、お前の親父の名は?」
「樋口与六…親父は、樋口兼豊」
「洗脳は、されていないのか?もはや全員が洗脳されてるとか?有り得ないよな…」アヴァローかぼやく。
「しかし、満里奈殿が言った通り…厄介だな…なぁ景家…」景家、ショウジョウが頷く。
「ゼンケンが…本当に甘粕景持なのか?どう思う?」アヴァローが三人に聞いた。
「解る訳ないでしょ!」ショウジョウが言った。
「まぁ、放置は出来ない…国に戻りしだい、武田討伐の軍をあげるぞ!」
「…エナの事、満里奈殿の事は、後回しだな…」アヴァローが天を仰いだ。
「あとは、カリュブディスか…これは、リン達に…任せるか?アハハハ…って言う訳にはいかないかな?」アヴァローが笑った。
バイシャ…
「さて…ラリュンヌ、どう思う?…いや…巴の事を話すべきか?」バイシャが言った。
「しかし、ソレイユが行方不明になって…さらに、メキラ以下全員が負傷とは…まったく踏んだり蹴ったりですね…」ラリュンヌがぼやく…
「しかし…ビカラとは…驚いた…驚いた?違う…あの出来事…思い出したわ…」バイシャは、深くため息をついた。
「あの時は、我々は知っていた。魔王エナではない……満里奈殿を間違えて…バサラが斬った。魔王信長は生き残り、覇王家康が死んだ…何故、バサラが間違えてたのかは…解らない。」バイシャは遠くを見つめる。
「ただ…戦争の集結の一端を担ったのは間違いない…バサラは英雄になった。」
「バイシャ様…今日、クビラ大将と目が合いましたか?」ラリュンヌがバイシャを見る。
「いや…一度も私を見なかったな…クビラとビカラが鬼神と化して…我々の元に来た日を私は、忘れません…いや、忘れられません。」ラリュンヌが言う。
「あぁ……彼らは、自害した。クビラは、名を奪われた。そして、ビカラ…記憶から消された。ビカラ…今は、フェリオサ名乗っているとか…満里奈殿が言っていた…わ」バイシャは、草原に立ったクビラとビカラを思い出す。
「そして…バサラ、アンチラは…巴の所にいるのだろ?…ラリュンヌ?巴は、明智光秀なのか?」バイシャは、ラリュンヌを見つめる。
「いえ…豊臣秀吉だと思います。」
「だよな…政繁…」バイシャ…北条氏政が呟く。…政繁、、大道寺政繁は、「殿…もし、秀吉なら、そのうちに決断しなければならない時がきますね」
「巴は、エナの軍門に下ったか…しかし…明智光秀は誰だ?…そして…あの太閤豊臣秀吉か…厄介だな……」
………
………
夕闇が、小田原城の白壁を鈍く染めていた。
海から吹き上げる風は湿り、どこか鉄の匂いを帯びている。包囲は、すでに幾重にも重なっていた。
本丸奥御殿――灯火は少なく、静けさだけが重く沈んでいる。
上座に座すは、北条氏政。
その顔には、かつての威勢はない。ただ、静かに沈む覚悟があった。
やがて、重臣たちが一人、また一人と座に着く。…大道寺政繁…松田憲秀…そして遠山直景。
しばし沈黙…それを破ったのは、大道寺であった。
「殿……」
低く、しかし揺るぎない声。
「もはや、抗しきれませぬ。支城は破られ、兵糧も尽きかけております。
ここでなお戦えば……民も、兵も、ただ滅びるのみ」「伊達の助け…伊達も秀吉に屈したとの話しも聞こえてきました。」
「家康殿はなんと?」氏政が聴く。
「北条の為には、和議をすべきと…」政繁が言った。
その言葉は冷酷ではない。
むしろ、痛みを押し殺した現実だった。
氏政は、ゆっくりと目を閉じる。
松田が続ける。
「豊臣の軍は、ただの軍勢ではございませぬ。
豊臣秀吉は、この一戦で天下を定める覚悟。
我らが意地を通せば……北条の名は、ここで絶えることになりましょう」
その言葉に、空気がさらに重くなる。
遠山は、拳を握りしめていた。
「……されど!北条は百年、関東を治めてきた家!ここで膝を折るなど……!」
言い切れぬまま、言葉が崩れる。
彼の声には、怒りでも忠義でもなく――
“誇り”と“悔しさ”が滲んでいた。
大道寺が静かに首を振る。
「誇りは、守るもの、されど……守るべきは“家”か、“民”か」
その一言は、刃のように鋭かった。
長い沈黙。
外では、太鼓の音が遠く響く。
豊臣の軍勢が、夜の中でも陣を動かしている。
氏政は、ゆっくりと口を開いた。
「……わしは、誤ったか」
誰に向けたとも知れぬ言葉。
「時を読み違え、天下の流れを……止められると思うた。」
その声音には、もはや怒りもない。
ただ、静かな諦観だけがあった。
大道寺が深く頭を垂れる。
「殿の御志、誤りではございませぬ。
ただ……時が、変わったのです」
松田も続く。
「今、北条に残された道はひとつ。
“滅びて名を残す”か、“生きて名を繋ぐ”か――」
遠山は、しばし俯き、やがて顔を上げた。
「……殿!御決断を」
再び沈黙。
やがて氏政は、ゆっくりと頷いた。
「……和議を」
その一言が、すべてを決めた。
「城を開く。民を救い……北条の名を、未来に託す」
外の風が、ふと止んだ。
それはまるで――
百年続いた北条の時代が、静かに終わりを告げたかのようだった。
灯火が揺れる。
誰もが言葉を失い、ただ深く頭を垂れた。
この夜、小田原城はまだ落ちてはいない。
だが――北条は、すでに決断したのだった。
「ラリュンヌ…いや政繁よ…同じ思いか?小田原城…」バイシャ…氏政が呟く。
「満里奈殿の軍門に下るのも…やむ無しって事もあるな…」バイシャは言った。
「メキラ達の回復を待って…メビロス島へ戦略を、満里奈殿と詰めようか…」
「全員を呼び戻せ…!」
「ははっ…」ラリュンヌは、平伏した。
ハマーン…………
ハマーンは、副官のパシパエー、ポリュペーモス将軍、ヘシオドス将軍の前で、こめかみを指で押さえていた。
「さて…みなの意見を、聞きたい…本能寺…関ヶ原…とんでも無い言葉を放ちおったわ!家康殿も…。歴史はどう動く…歴史通りなのか?選択出来る未来もあるのか?…」ハマーンは、呟く。
「殿…ひとつ聞きたいのですが…」パシパエーが身を乗り出した。
「セツナと言う女の存在…この、世界の神…いや、ゲームマスター?ご存知ですか?」
「誰に聞いた?パシパエー、あまり口にするな、皆んなが、一度は思う…この世界は何ゲー?…プレイヤーがいるんじゃない?…その問いの答えは、………いるよ…セツナ…謎の人物…女って言われてるね。」
ハマーンは目を閉じ…
「誰も会った事は無い…影すら見た者も居ない…謎の女性。この世界の管理者?神?創造主?色々言われてきたが…私は、プレイヤーが1番しっくりくるような感じがする。」
「100年前の出来事…バサラの間違い、その後、世界は一度滅んだようなきがするんだよ。」
ハマーンは、呟いた。
「確かに…」ポリュペーモスも、呟いた。
「連続しているようなこの時間だけど…たまに感じる違和感…滅んですぐに書き換えられているのでは?…アハハハ、無いか?」
ハマーンは笑った。
「さて…我々が…全てを握っている…これは間違い無い…」ハマーンが声をあげる。
「さて…パシパエー…いや…恵瓊、ステンノー達が、戻りしだい…シトク討伐の軍議に入る。」 パシパエーこと安国寺恵瓊、ポリュペーモスこと吉川元春、ヘシオドスこと吉川経家が…毛利元就の前に平伏した。
「国元の輝元、隆景にもガルダを飛ばせ!」
…………ハマーンは、思い出す。
薄く灯された蝋燭の明かりが揺れる、吉田郡山城の一室。外は雨。静かな夜だが、空気にはどこか重い気配が漂っていた。
上座には、私、毛利元就。
年老いたその姿は小さく見えるが、部屋に満ちる緊張はすべて、この男を中心に収束している。
やがて、重臣たちが揃う。
吉川元春は腕を組み、無言で座す。剛の気配をそのまま形にしたような男だ。
対して、小早川隆景は静かに周囲を見渡し、すでに幾つもの策を胸中で巡らせている様子だった。
元就はゆっくりと口を開く。
「……西国の様子、聞いておろう」
誰もが頷く。
その名は、すでに中国の地を揺るがしていた。
羽柴秀吉。
播磨を抑え、次々と城を落としながら西へ進むその勢いは、もはや一大勢力と言ってよかった。
元春が低く言う。
「恐れるに足らぬ。所詮は成り上がり。兵を集め、正面より叩けばよい」
力で押し返す――それが彼の考えだった。
だが、隆景が静かに口を挟む。
「兄上……相手は、ただの武将ではありませぬ。織田の名を背に、兵站を整え、調略も巧み。戦わずして勝つ術を知る男です」
部屋の空気が、さらに引き締まる。
元就は目を閉じ、しばし沈黙する。
その沈黙は、誰もが口を挟めぬほど重い。
やがて、ゆっくりと語り始めた。
「敵は……強い」
それは、決して軽々しく口にする言葉ではなかった。
「だが、強いのは兵だけではない。勢いよ。今のあの男には、時流がついておる」
雨音が、屋根を叩く。
元就は続ける。
「力でぶつかれば、勝てぬとは言わぬ。だが損は大きい。
……それで毛利が残るかどうかは、別の話よ」
元春が眉をひそめる。
「では、退くのですか」
その問いに、元就は首を横に振る。
「退くでも、抗うでもない。選ぶのだ」
静かだが、はっきりとした声だった。
「戦うべきところと、戦わぬところをな」
隆景がわずかに頷く。
その意を、正しく受け取っていた。
「和議も、また戦のうち……ということですな」
元就の目が、静かに光る。
「そうだ。勝つとは、何も槍で突くことばかりではない」
部屋の者たちは、ようやく理解し始める。
この戦は、ただの合戦ではない。
勢いに乗る羽柴秀吉に対し、どう“負けぬか”を選ぶ戦。
元就は最後に言った。
「家を残せ。それがすべてよ」
その一言で、軍議は終わった。
雨は、まだ止まない。
だが毛利の進む道は、すでに定まっていた。
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