次のステージへ
68話目になりますわ…満里奈は、バイシャの国に赴きました。会談は成功するのか…否か…物語は、次のステージの扉を開こうとしています。
「メキラ!刀を抜くな!!やめろ!」レインが絶叫している。
「ほぉ~無外流…か?…辻月丹殿に瓜二つじゃな?」
満里奈は、声を落とした。
「誰だ!それは!これは、メキラ流居合術じゃぁー!、アハハハ…満里奈様…貴女は、かなりの術者なのだろう。ただ、剣を振るっていたと…私の記憶にはないぞ…」メキラはニヤリと笑う。
「アハハハ…昔、新陰流に、とんでも無い逸材がおってのぉ、格式化した新陰流を、一撃必殺…一の太刀で勝負を決する、戦いの剣に昇華させた。まさに戦いの剣よ!……懐かしのぉ…それが、辻殿だったわ…」
「さて…勝負じゃの?メキラ…良いのか?」
「満里奈様…是非に及ばす…」
……巨大な気……では無く…静かな…果てしない静寂…澄んでいる…限りなく透明な世界…
風が止んだ。
いや――
止まったのではない。
この場にいる二人の剣士の“気”が、風すら押しとどめていた。光が、白く地を照らす。
その中央に、向かい合う二つの影。
どちらも刀は鞘の中。
だが――すでに戦いは始まっている。
一人は、息を殺す。
もう一人は、呼吸すら感じさせない。
メキラは、まばたきをした。
それが――合図だった。
「……」
言葉はない。
だが次の瞬間、世界が裂けた。
カッ――
音は、遅れてやってくる。
先に動いたのがどちらか、誰にも分からない。
いや、“動いた”という概念すら意味を持たない。
そこにはただ――
“斬った結果”だけが存在していた。
一閃。一撃必殺…烈帛の一撃…!
光が、刀身に吸い込まれる。
同時に、もう一つの光が弾ける。
火花ではない…それは、互いの“殺気”が衝突して生まれた、見えない雷。
二人は、すでに背を向けていた。
振り返らない。
斬撃は、終わっている。
静寂…勝負は、ついた…
遅れて、地が裂ける。
遅れて、空気が断たれる。
遅れて――血が、舞う。
だが、それすら遅い。片方の剣士の鞘が、音もなく鳴る。
チン――
その音が、この戦いの終わりだった。
勝者は動かない。
敗者もまた、倒れない。
「満里奈様ァァァ!」
「メキラ姉様ァァァ!」
叫び声が響く……
「……千年早いわね…小娘風情が…」
「おい…インダラ…勝負の途中に暗器を投げようとしたな…投げなかった事は、褒めてやる…」メキラが言った。
インダラは…地面に突っ伏している。
返事は無い…
「………アハハハ、もう斬られていたかぁ」
「満里奈…さま…完敗…です。」
メキラは、崩れ落ちた。
ハイラとにニションがメキラに駆け寄った。
「メキラ姉様…まだ息がある…フランソワーズ様…治療を!治療を…インダラ兄様は?」
「生きてます。」ニションが言った。
「フランソワーズ…こっちも治療…」満里奈はフランソワーズに、微笑んだ。
空気が緩んでいくのが…解る。
「さて…会談をしましょうか?あっ…ココルとシンダラを返してもらいたいなぁ…」
10000人から…どよめきと…叫びにも近い声が上がった。
「うぉぁーなにが…起きたんだぁ!知んじられない…」
「見たか…ヘシオドス…いや、見えた…か?剣筋が…」ハマーンが言った。
「まったくみえませんでした。ただ…一の太刀でメキラを急所をはずしての…袈裟懸け…返す二の太刀で、インダラを切ったのでしょうか?神業です。」
「あぁ……そうに違いない…」ハマーンは、絞るように声を出した…。
「無外流って…藤田まことが、編み出した剣術ですよねぇ」ショウジョウが呟く…
「馬鹿者!それは、小説剣客商売のドラマ、それなら、秋山小兵衛って言うのが筋だろうがぁ!」アヴァローが突っ込む!
「なら、仕事人の始祖も藤田まことか??純情はぐれ刑事の始祖も藤田まことかぁ!!あぁ……ん!」アヴァローが叫んだ…。
バイシャの城…奥の広間…円卓に10の席…
バイシャ、ラリュンヌ…アヴァロー、ムボン…ハマーン、ポリュペーモス…満里奈、レイン…
2席開いている。
口火を切ったのは、バイシャだった。
「まずは、満里奈殿…先程の無礼をお許し願いたい。私がバイシャ…東を守護している。」全員が一礼した。
「さて…我々が集まったのは、新たな王…満里奈殿に逢ってみたいと思った事、メビロス島への遠征に関して……ミーミル湖の新興勢力への対応………こちらは決着済か…」バイシャが言った。
「私は、ハマーン、南を守護している。……単刀直入にお聞きしたい、満里奈殿…」ハマーンが声を出す。
「あなたは、魔王エナの配下か?ただ、貴女もとにいるのバサラ大将から前に聞いた…何度も魔王軍と戦ったとか?…?貴女の口から聞きたい。」
ハマーンの声は、低く…重く…部屋に、響く
満里奈は口を開く…
「魔王軍と何度も戦ったのは、事実よ…その度に全滅されられたわ…村は焼かれ…全ての建物も燃やし尽くされた。」満里奈は静かに、はっきりと語り始めた…。
「ここに集う者の中で、エナ本人と対峙し、刀を交えた者は居ないと聞いている…私は、エナと戦い…直接、その刃を体に受けた。」
満里奈は、全員の顔を見渡す。
「戦いの度に、我々は経験し、学び、考え…訓練をした。…そして今、あの魔王エナと、並び、五分の戦いが出来るまで成長した。」
満里奈は…胸を軽く押さえた…
「ミーミル湖では、我々の仲間…グライアイのディーノ、レインの末妹…ビカラの存在を知って…エナと共闘を申し出た。二人の助命を願いでるつもりでいたわ…」
「ちょっと待ってくれ!ビカラ?ビカラ?今、ビカラと言ったのか?」バイシャが声をあげる。
「えぇ…100年前の戦いの忘れ去られた英雄ビカラよ…忘れていたのでは?バイシャ殿?ビカラの存在を…?」満里奈がバイシャをみた。
「…なんと言う事だ…ビカラ…何故忘れていた?」
「ビカラ…100年前…英雄?…何だろう…なんだ…?」アヴァローとハマーンも頭を抱える…
「…皆様にある言葉を…今から言うわね…何を思い出そうが…決して口に出さないように…宜しいかしら?」
満里奈は、全員を見渡す
「…本能寺…そして………関ヶ原………!」
ガタァ…全員が立ち上がった…。
全員の汗が止まら無い…
バイシャは、震えている。ハマーンは、机に手をつき…うめき声をあげる。
アヴァローは、満里奈を凝視している。
「本能寺??関ヶ原??……知ってるぞ!何故だ…何だろう…何?本能寺?関ヶ原?」
全員が口に出す。
「この言葉…私が思い出した。三つ目のキーワード…」
「ひとつ目、天下布武、ふたつ目、厭離穢土 欣求浄土…」満里奈は言った。
「解るでしょ?誰が味方とか?敵とか?もう…関係が無いのよ…何を目的に生き抜くのかに変わったの…」満里奈が言った。
「もう…知っているとは思うけど、エナは、織田信長公…ミーミル湖…小谷城攻略は、浅井長政の乱では無かった。ディーノは、お市様だった。ビカラは、我が配下…鳥居元忠であった。」
「ちょっと待ってくれ?浅井長政では無い?」アヴァローが声を上げる…
「お市?市?信長の妹か?」
「そうです。これらは全て、メビロス島のポルキュス、クーベラの策による物です。ポルキュスは、武田信玄とも同盟を結んでいるとの情報も…で…バイシャ殿?」満里奈は、バイシャを仮面の下から見つめた。
「シトクと言う男をご存知か?」満里奈は問う…
「シトク?シトク?ラリュンヌ…シトクと、言う名前に覚えがあるか?」
「はい、かなり前ですが…ソレイユの部下に、そのような名前がいたと〜記憶しています。」ラリュンヌがバイシャに報告した。
「で…満里奈殿…そのシトクがどうしたのかな?」バイシャが満里奈を見つめる。
「そのシトク某は、ポルキュス、クーベラと共謀して、我々の能力をコピー出来る魔石を作ってる…それをカリュブディスに持たせているかも…今は、エキドナが拉致されて、エキドナの洗脳の目をコピーされているわ…それによって自分の過去を偽る事が可能になっている。」
満里奈は、静かに語った。
「これは、この世界の秩序を揺るがすって思うの…事実、クーベラは、津田監物と名乗っていた…実際は、松永秀久だった。ディーノしかり…ポルキュスは危険よ」満里奈は語尾を強めた。
「なので、私達は、エナと共闘し、シトク、ポルキュス…カリュブディスを討つべく動いている。」
「待ってくれ満里奈殿…その、洗脳とやらは、どのように危険なんだ?ピンと来なさないのだが…」アヴァローが言った。
「そうね…こう考えたら解るかしら…我々は、この世界において、神の名前を受けた器に入っている。私、満里奈は、実際は、同じ魂が転生している訳ではない…私が死ぬ度に、違う魂が、満里奈の体を使っている…ただ…記憶は継続する。これは、新たな魂が転生してくる度に、知識が増える。」
………
「それを私達は、進化と感じている。そして…この世界のプレイヤーとしては、徳川家康の記憶を持っている。体は満里奈、記憶は徳川家康…アヴァロー殿?貴方は、誰なの…もしかして…上杉謙信?ムボン殿は、宇佐美定満あたり??言わなくて結構…」
満里奈は、指を口にあてた…「しっ…」
「それを、ポルキュスは、最上義光や、津軽為信と洗脳できる…そうすると…ムボン殿は、歴史に沿って、貴方から離れ…上杉謙信を探しに行ってしまう…オホホホ…まぁ仮定の話しだけど…いかが?」満里奈は微笑んだ。
「そんな事が出来るのか?それが本当なら…危険だね…」アヴァローは吐き捨てた。
「で…満里奈殿…貴殿は、本物なのか?アハハハ…冗談冗談!」
「なので…私は、エナと共闘し、ポルキュスを討つべく動いているわ…」
「なる程ね…なる程…なら…私の方で…武田対策に人肌、ぬくもろうかな?………」
「アヴァロー様…??」ムボンが咳払いをした。
「アハハハ…アヴァロー殿…可笑しい…アハハハ…リン達が、気に入る訳がわかりますわ…」満里奈が笑っている。
「なら…武田の件…一肌脱いで貰っても宜しいかしら?同盟と言う事で…リン達が…武田の探索を行っています…ただ…そこには、カリュブディスがいる可能が高い…コウカ、ショウジョウ殿は、リン達とは見知った仲…連絡を入れておきます。」満里奈が微笑む…
「満里奈殿…カリュブディス…まことですか?」バイシャが言った。
「えぇ…目視していますから…白い長い髪の…性別不明の大きな人…ニライカナイの森を彷徨っていますよ!」満里奈が言う。
「カリュブディスか…何年ぶりの復活だ…これは、なかなか手を焼きそうだな…カリュブディスがいると言う事は、スキュラも何処かにいるはず…二人がポルキュスの配下なら…メビロス島には、うかつに近づけないなぁ…」ハマーンが言った。
「さて…今後の話をさせてくれ…エナは、どうするつもり…いや…我々を従属さたいのかな?それとも…滅ぼす?」バイシャが言った。
「おそらく…従属…と思うわ…」満里奈は言った。
「ただ…ひとつ…明智十兵衛光秀…いまだ、正体を現さない…誰なのか?もし、エナ殿が討たれれば…その先は…解らないわね。」
満里奈が全員を見た。
「なる程ね…で…満里奈殿…満里奈殿には、見えているのだろう?我々の姿が…」ハマーンが言った。
「ある程度は、解るわ…でも…不確定…次に逢う時には、多分…解ると思うわね…」
「さて…決まった。武田には、アヴァロー殿…シトクには、ハマーン殿…メビロス島には、私…バイシャが協力しよう…」
バイシャが言った。
「ただ…あとは…どうなんだ?他にいるのか?」ハマーンが呟く…
「多分…わからないし、未確認だけど、長曾我部元親、島津義久…あたりかな?」満里奈が胸を押さえた。
「思い出した…理解した…決意した。満里奈殿…行こうか…さらに次のステージへ、」全員が声を揃えた。
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