準決のあたり方
結局三戦目はヴァンの勝利。
後がないヴァンは僕らのように最初から全力を出していた。
ヴァンは契約者持ちで大剣使い。恐らくアルネの中でも一撃の重さだけで言えば現状一位だろう。
その全力を止めるかつやり返す技量は相手の人にはなかったようだ。
それこそ前の試合の二人ならまだわからなかったが、残っていたのは普通の少年。
契約者もいなく、特質すべき武器や魔法もない。
別にそれが悪いことではない。
契約者持ちは数自体がそこまでいないらしい。
そう考えるとおかしなことではないし、いないからと言って負い目を感じるようなことではない。
しかしそれだけ希少な契約者持ちはやはり普通の人とは一線を凌駕しているのだ。
まあともかく準決勝で戦うことになるのはヴァンのチームってことだ。
僕はもちろんナキって子と当たりたい。
でもこれから休憩時間だ。
とりあえずご飯でも食べようか。
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学院の食堂で僕らは食事をとる。
と言っても食べ過ぎて支障が出てもあれだから軽くつまむ程度だけどね。
「僕ナキって子と当たりたいんだけど...」
まあ一応希望は言ってみる。
通るかわからない。というより相手の選出順がわからない限りこちらもどうしようもない。
「それを言えば俺はヴァンと戦いたい」
「えー!そしたら私の戦う番ないじゃん!」
「そうとは限らないけど...」
「いやいや。二人とも負ける気ないでしょ?」
「そりゃまあ...」
「負ける気がないんじゃない。負けない」
「流石はミスト...」
「まあそこは良いんだけどさ、となると私は負けるor最後ってことだよね?わざと負けたくないし、二人の希望を叶えるなら私が最後に出るしか...でもそうしたら絶対私の番まわってこない...」
セレナは結構乗り気だし試合は全部出たいんだろうね。
でも僕らが出たいって言っているから悩んでいるようだね。
「いや俺とレオンは一回ずつ休んでいるぞ。つまり譲れ」
「うーん、仕方ない。いいよ!でも勝ってね!」
「もちろん!」
「当たり前だ」
まあそれに本当に僕らだけで終わるって決まっているわけではないし、もしかしたらセレナにも順番が回ってくるかもしれない。
僕もミストもセレナに順番が回ってくるような結果にするつもりは一ミリもないけどね。
「やあ?今大丈夫?」
「ん?大丈夫だけど...」
ん?
ナキだよね。この人。見間違えじゃないよね。
「実は私たちのチームから提案があってね。一戦目は私が出る。それで私は君、レオン君と戦いたい。それでヴァンはミスト君と。ヴァンは二戦目に出るつもりだよ。どうするかは任せる。
じゃあ後でね」
用件だけ伝えてヴァン達のもとに戻ったようだ。
それよりも彼女、いや彼女たちからの申し出はこちらとしても嬉しい。
「ミスト...」
「ああ、もちろんのる。ってことで一戦目はお前だレオン。
負けるなよ。いや楽しめよ?」
ミストはたまに見せる悪いことを企んでいるような、悪戯っ子のような笑みを浮かべる。
「もちろん!」
当たり前だけど負ける気はない。
それよりも正直楽しみで仕方ない。
勝敗を気にしていないは嘘だし、負ける気がそもそもない。
しかしそんなことを考えるよりも楽しみと言う感情でいっぱいだ。
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昼休憩も終わり会場に戻ってきた。
「頑張ってねレオン!」
「うん、もちろん!」
セレナの声援はやる気がでるよね。
このチームが上手くいっていて雰囲気が悪くなっていないのは確実にセレナのおかげだ。
僕とミストだけなら一回くらい喧嘩したり、ギスギスしてそうなもんだ。
つまりチームワーク、と言うかチーム仲がいいってことだね。セレナのおかげだけど。
ミストは何も声を掛けてこないけど、他の試合とは違い真剣な眼差しで見てくれている。
僕にはそれで十分伝わる。何せ他の試合を興味ないの一言で片づけていたわけだし、見てくれているだけで応援してもらえているんだなと思えるよ。
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