紫対黄色
僕は前に、戦いの舞台にでる。
負ける気はもちろんない。でも少し不安だね。
何せこれ準決だし、この大会で僕まだ一回しか戦っていないし。
それに今度の相手はアルネの子、契約者持ちだ。
つまりミストやセレナと同等であると思って戦わなければならない。
だから不安なわけだ。
まあ正直僕の後にミストとセレナがいるわけでチームとしては負ける気と言うより、負けないでしょこのチーム。
「やあやあ。本当に一戦目に来てくれたんだ」
「僕も雷使いの君と戦いたかったしね」
約束通りナキは一戦目に出てきてくれた。
いやまあ約束と言うか向こうの宣言通りって方が正しいかな。
「レオン君のその雷の色はどうしてなの?紫は普通じゃないよね?」
やっぱ普通じゃないよね。うん、知ってた。
「さあ?どうしてだろうね?」
シュガールの恩恵のおかげだろうし言えないね。
ごまかすしかない。
「そっか。勝ったら教えてくれる?」
「いいよ。勝ったらね」
負ける気はないし、それくらいいいか。
「じゃあ僕が勝ったら?何か教えてくれるの?」
まあ持ち掛けられたんだし、僕にも得がなきゃね。
「うーん、まあ何か聞きたいことがあるんなら教えるよ。教えられる範囲でね」
「じゃあそれで」
お互い臨戦態勢をとった。
話は終わり。
後はもう戦うだけ。
「では試合開始!」
僕もナキも動かなかった。
お互いがスピードタイプだけど、一度攻撃をかわしたりしてから攻撃した方が得だろうしな。
速い以上避けるのにも他の相手よりも長けているはず。
つまり最初から飛ばすのは意味がないかもしれないってことだね。
お互いそう思っているんだろう。
まあでも動かなきゃ始まらないけどね。
てことで僕から動くか。
まあそうは言っても動くと言うのは物理的に僕が動くって訳ではなくて、攻撃を仕掛けるってことだけどね。
手を空に掲げて...
「落撃」
相手の頭上に雲のようなものができる。
まあ文字通りの魔法。ようは落雷だ。
ナキは雲ができた時点で察したんだろう。
それを機に僕の方へブーストで詰めてくる。
ナキが数秒前までいたところに雷が落ちる。
そんなことに目もくれず、僕の方へどんどん近づいてくる。
まあ迎え撃つよね。
「雷速...」
僕も速度を出す。
相手はレイピア。つまり攻撃手段は突き。
あの細い先端を弾くのは無理だろう。
僕の武器は片手剣なわけだし、大剣のように腹も大きくない。
つまり盾のようにして守れないわけだ。
予測通りナキはレイピアで突いてくる。
僕は体を捻りつつ、相手のレイピアの横に剣を当て弾く。
うん、避けられないならこれで防いでいくしかない。
それにお互い雷だ。武器を通して感電する!なんてことないしね。
「くっ!」
ナキのレイピアを使った連撃を僕は弾き続ける。
もちろんやられっぱなしって訳ではない。僕も斬りかかっているよ。
レイピアで防がれているけどね。
「これならどう?雷槍!」
今度の一撃は魔法を使ってきた。
僕は咄嗟に後方に飛ぶ。
跳んだ先にその槍を投げてくる。
「紫電ッ」
僕は武器にエンチャントしてそれを防ぐ。
流石にただの武器では守り切れないだろう。
向こうも契約者持ちなわけだし、魔法の威力もそこらの奴とは桁違いな威力のはずだ。
僕は警戒して防ぐ前後だけシュガールの紫を強めた。
だからこそこうして守れたわけだ。
「そんな簡単に防がれちゃうのか...」
まあ向こうからしたらこれ通らないのかって感じだろうね。
常に決めに行くつもりで攻撃しているだろうし。
「今度は僕の番。雷撃・四閃」
僕は四本の雷の刃を周辺に掲げた。
その刃をナキに差し向ける。
まあと言っても時差あるんだけどね動くのに。
真っすぐ飛ばすことはできるけど、そんなの当たるわけない。
つまり操作して方向を調整する必要がある。
けど僕は一本しか操作できない。
だから方向を調整して真っすぐ飛ばすって言うのを四回繰り返している。
このせいで時差が生まれている。同時に操れたら最強でしょ。
刃って言っているけどやってることは投げ槍のようなものだしね。
それこそ自由に同時に操れるなら、雷の刃ってより雷の剣で剣舞させているようなものだ。
そうして雷撃を使いナキの行動を制限している間に僕は雷速で空に出る。
ナキのは見たところ走りに対して雷でブーストして速くなっているだけだと思う。
つまりは跳べるけど飛べないってことだ。
だから空へ飛ぶ。できたとしても雷槍で攻撃してくるぐらいだろう。
それに投げ槍として使っているところを見ると操ることはできないんだろうしね。
「え?飛べるの?うそ」
ナキは驚いている。
それもそのはずで僕みたいに体を魔素に変えて魔法を使っていることは珍しいって聞いているし、飛べるのは風魔法くらいだろう。僕は雷魔法を使っているわけだから驚いているわけだ。
いやもちろん風を使えるって線もあるだろうけど、二種類の魔法を使っている人を見ないってことは実用レベルに二種類以上の魔法を使えるようになるのは難しいんだろうね。
とか思っていたけど僕竜魔法も多少使えたじゃん。
もしかして凄い?
まあそれは置いといて。
「竜化」
僕は空中で身体強化から竜による身体強化に切り替えた。
火力を上げるためだ。
落下による火力上昇も見込めるし、威力は十分だろう。
突くようにナキに向かって飛ぶ。
ナキは後方に飛ぶようにして避ける。
砂埃が舞う。僕は一切速度を緩めずに行ったから地面に追突したわけだ。
当てた感覚はあった。恐らく掠るくらいはしているだろう。
砂埃が消えた先に利き手とが逆の手を負傷しているナキがいた。
動きはしているだろうけど、これで投げ槍の弱体化くらいはできただろう。
「避けられるとはね」
「ギリギリだったよ?でも空に飛んでいる以上攻撃は上からだからね」
まあそうか。冷静に考えれば避ける手段があるならばあまり効果的ではないかもな。
僕の方が優勢。でも燃費を考えれば長引けば長引くほど僕が不利になっていく。
ならここで決めに行くしかない。
「竜纏ッ」
僕は右半身と剣を武器と化した。
そのままナキへ詰める。
もちろん雷速と紫電も使って。最大火力で。
僕はナキに剣を振るう。何回も何回も。
ナキも隙をついてレイピアで攻撃してくる。
しかしそれを思考加速を使ってギリギリで避け続ける。
「う、うそ!?」
まあこんなことそうそうできないよね。
とうとうナキは体制を崩した。
その隙を逃さず、僕は剣の腹でナキを叩いて飛ばした。
「そこまで!勝者レオン!」
今までの中ではかなり楽しかったな。
すみません、遅れてしまいました
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