答えは。
「で、奈々は何て言ったんだ?」
奈々は少し恥ずかしそうにしていた。
「うん...断ったよ。」
数十分前
「奈々先輩。僕、奈々先輩のことが大好きです!一目惚れしました。僕なら絶対に彼女として大事にします。僕と付き合ってください。」
相太の目は真剣だった。
それを見た奈々は息を少し吸った。
「ごめんなさい。相太くん良い人だけど付き合えない。」
「文月 健斗先輩のことですか?」
「な、なんで?」
「僕は健斗先輩と違って敏感ですからねそれぐらい分かりますよ。」
「そっか。」
「僕は何であの人がいいのか分かりません。でも奈々先輩しか知らない健斗先輩の魅力があるってことが見ててわかりました。」
「ありがとうございました。頑張ってください。」
相太は奈々に一礼してその場を走り去った。
現在
「そうだったんだ。」
「でも、もったいなかったよなー。相太いい奴だったしなー。」
(僕は何でこんなことを言っているだろう。)
健斗は自分でも分からなかった。言葉が次々と出てくる言いたくない言葉が。
「駄目だったんだ〜。」
奈々は健斗の顔をじっと見つめている。
奈々の目は告白してきた相太よりも真剣な目をしていた。
その目は覚悟した決意が表れているようだった。
「私ね、ずっと好きな人がいたの。」
「それって臨海学校の時に僕が聞いた時と同じ人?」
「そうだよ。」
奈々は健斗に一歩近づいた。
「その人は超鈍感で運動音痴で普段頼りないけど時には頼もしくて、優しくて、ずっと一緒に居たくなる人。」
「今日もそうだけど今まで何人かの人に告白されたけどいつもその人のことが頭に過るの。」
奈々の言葉に健斗も真剣に聞いていた。
そして奈々もいよいよ言葉を絞り出す。
「私の好きな人は大好きな人は...けんちゃんだよ。」
「私けんちゃんのことが大好き。私と付き合ってくあださい。」
家の中には2人しかいない。
沈黙の時間がゆっくりと流れていく。
健斗は考えていた。
(真紀の時はまた違うモヤモヤだ。まさか奈々が僕のことを好きだったなんて。)
「奈々が僕のことを好きだったなんて頭の整理が追いつかない。」
「でも、答えは出てるよ。」
「ごめん。付き合えない。今の関係性が良いから...」
奈々は黙っていた。
「そっか。分かった。ありがと!答え考えてくれて」
奈々はその日の夜いつも通りに過ごしていた。
健斗の方が気を遣っているようだった。
(案外普通なのかなー奈々は...)
結局その日はいつも通りに寝た。
しかしそれから奈々は家から姿を消したのだった。
姿を消して3日が経っていた。




